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織田くん家行く人、この指とーまれ!

 いきなりな話で急に決まった、概念存在は北欧神話の総元締め、オーディンの現世でのお住まい訪問。

 なんか俺の家の近くのマンションらしいけど、どんなんなんだろうね。ちょっとドキドキ。

 

 友人知人家族を連れてきていいよって話だったのでさしあたり、その場にいてこちらの事情にも明るく、かつ何よりも熱意漲る我らが香苗さんにも同行願うことになった。

 明日の朝9時過ぎには待ち合わせ場所に到着して、そしたら織田が遣いの人を寄越してくれるとの連絡をもらったので、その通りに待ち合わせの約束を決めて俺達は解散。そのまま家に帰ったわけである。

 

「かくかくしかじかちゃんちゃかちゃんちゃんちゃーん──ってなわけで突然ですが明日、神様のお家にお邪魔しまーす。同行したい精霊知能はこの指とーまれー」

「はい! はいはいはーい!! リーベちゃん行きまーす!!」

「もちろんオレも行くぜ父様! 父様とならどこでも行くぜ!!」

 

 そうしてリビングにて。今日は一日、部屋で優子ちゃんやアイを交えて遊んでいたらしいリーベ、シャーリヒッタに事情を説明したところ、2人揃ってものの見事に即座に飛びついた。

 ジョークで立てた俺の人差し指に駆け寄り、そのまま二人して胸元に飛び込んできたのだ。

 

 晩ごはんももうじきって頃合い、今日の献立は手作りハンバーグに生野菜サラダ、あとコーンスープだ。

 両親に妹ちゃんももちろんいる中でコントを開始したシステム領域の俺達。生温かい家族の視線を受けつつも俺はハハハと笑い、そして飛びついてきた精霊知能達の頭を撫でつつ言った。

 

「香苗さんとリーベにシャーリヒッタ。まあこのくらいかな? あんまり大人数で押しかけると、それはそれで叱られそうだし」

「ていうか公平、神様の家って……どういう生き方してたらそんなことになるのよ」

「兄ちゃんまで宗教めいたこと言うよね、たまに」

「謂れなき誹謗!? 他にどう言えと、相手は一つの神話における最高神さんなんですけど!!」

「そういうところかな……」

 

 いきなり家族が神様の家がどうとか最高神がどうとか言い出したら、そりゃ怪しいのは分かるよ? でもさすがにもうちょっと信じていただきたい、俺は変わらず俺なのです。


 苦笑いしつつも食卓に着く。わーいハンバーグだー! 肉の塊を頬張れば肉汁がたっぷり出てくる感覚、俺ちゃん大好きである。

 脳内でも相変わらずアルマが論評を垂れ流しにしつつ大喜びなのを聞き流しつつ、俺はってなわけでと家族みんなに伝えた。

 

「明日は俺とリーベとシャーリヒッタが一日いないからよろしく。なんか昼もご馳走してくれるって話だからね」

「はいはい。ああ、一応途中どこかコンビニでも行って菓子折りでも買ったら? ほら、クッキーアソートとかあるじゃない。アレ」

「何ぞ知らんがお偉いさんなんだろ? なるべく失礼のないようにするんだぞ公平。リーベちゃんやシャーリヒッタちゃんは問題ないと思うが」

「俺だけェ? そうだね、土産というかお菓子くらいは買ってお渡しするよ。俺にとっても取引先みたいな相手だし」

 

 人間社会歴が浅い精霊知能2人を差し置いて、俺だけ言われるのが若干解せない、なんてこともないか。

 そのへん礼儀とかは俺も自信ないしなあ。そもそも根っからちゃらんぽらんなものですし。


 さておき、手ぶらは止めとけって意見はたしかに納得いくものだ。

 正直、神様相手に菓子折りですって言ってコンビニとかで売ってる贈呈用のクッキーアソートを渡すのもなんていうか、もうちょい高級品とかのほうが良いかも? って思ったりするけど……さすがに時間がないしそれで勘弁していただこうか、先方には。

 

「概念存在と面と向かって話し合うなんて、リーベちゃんにしろシャーリヒッタにしろ初めてじゃないですかー? ミュトスちゃんとか始原の4体は別にしてー」

「だなァ。それなりに話の分かる神みてーだし、父様に危害を加えないならオレらも仲良くできるかもなァ」


 リーベとシャーリヒッタは織田、というより概念存在とまともに話し合うのが初めてなため、結構ワクワクしてそうな感じだ。

 ミュトスや始原の4体は、概念存在という枠組みからは半歩ほどはみ出ているためノーカウントとして。たしかに敵対的でないモノ相手に話すのは織田が史上初だろう。

 なんせ彼が一番最初にシステム領域と接触した存在だからね。


 それゆえかまず、こちらに危害を加えてこないかどうかが判断基準として真っ先に来ているみたいだけどそこは問題ない。

 俺は2人に、織田について説明する。


「多少話した感じで言うと、彼は意外に穏当なほうの性格っぽい。どうも戦争とか死とかを司る神みたいだけど、本人の気質としてはむしろ好奇心旺盛な質で、TPOに合わせてくれるタイプだと思ったかなぁ」

「まあ、概念存在がそれぞれ司る概念って現世のイメージ次第でコロコロ変わりますもんねー。人格的には穏やかっぽくて良かったですー」

「そんでもやっぱり戦うってなったらそれなりに権能を振るうんだろうなァ。父様父様、その織田ってやつ、現世で暴れる予定とかあるんですか?」

「んー……いやあ、ないと思うぞ? 彼に限らず神々自体、大ダンジョン時代に対しては遠巻きなスタンスだし」

 

 長期滞在するっぽい織田が、戦神由来の大権能を現世にて行使しないって保証もない。

 だからシャーリヒッタの懸念は分かるんだけど……おそらく神々がそこまで首を突っ込むことはないだろうと俺は確信している。


 現状、神々そのものが現世にあまり首を突っ込みたがってないとかこないだ、彼自身が言ってたからね。

 下手に関与して妖怪達みたいになるのはゴメンなはずだし、少なくとも委員会絡みの騒ぎが起きている間は、神々についてはおとなしいんじゃないかなーって思うよ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 肉じゃがとほうれん草のお浸しに味噌汁は…母上の一存で変更かなぁ、解せぬ。
[良い点] 山形くんハーレムから三名参加確定と(メモメモメモり) [一言] 織田さん原典でも自分を贄として知識求めるレベルでの好奇心の塊ですからね。 それとは別にしても性格に関しては主に日本の創作から…
[一言] 妹ちゃん…………宗教じみた言うけどお兄さん事態信仰関係無いだけで神様みたいなものだよ…………(日常的に居る狂信者に目をそむけつつ)
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