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やっぱ山一つ動かすようなやつはヤバいな!

 B級モンスターの中でも指折りの難敵だろう狼人間を2体に加え、ゴールドアーマーも1体。計3体を相手取り、ほぼほぼ瞬殺と言って良い活躍を見せてくださった香苗さん達のパーティ。

 その鮮やかな手練手管を讃える俺に、香苗さんは微笑みとともに話しかけてきた。

 

「救世主様からお褒めの言葉を賜れたこと、この上なく光栄に存じます。横山、御陵さん、鈴木。我々はついにここまで辿り着けたのですね……!!」

「どこだよ」

「カナちゃん、自分がS級になるのが決まった時より喜んでるねえ」

「えぇ……?」

 

 うっすら涙目にさえなりながらその場に跪き、両手を組んで俺を見上げる香苗さんがあまりにもいつも通りのノリすぎて怖い。お仲間さん達が端的に言ってドン引きしてますよ。

 というかS級になることより俺に褒められた時のほうが嬉しそうって、仲間にそれ言われるはどうなんだろう。御陵さん、苦笑いしてらっしゃるし。

 

 とまあ、そんな一連の伝道師ムーヴについてはさておいて。今しがたの戦いにおいて見られたいくつかのスキルについて、横山さん達からレクチャーめいた解説を軽く、次の部屋へと進みながらしてもらう。

 なんと探査者証明書まで見せてもらうという大盤振る舞いだ。なんなら俺が持つ鑑定スキル《よみがえる風と大地の上で》を使っても良いと香苗さんは仰ってくださり、パーティのみなさんも頷いてくださったんだけど……それは固辞しておいた。

 

 あの鑑定スキル、一切の隠蔽を無視するから見ないほうが良いスキルまで見ちゃう可能性があるんだよね。

 それこそ前まで香苗さんが持っていた《奇跡》とか、本人が隠したがっているスキルとか。そうなるとさすがに悪すぎる話だし、そこまでして他人のステータスを見たいわけでもないし。

 なので俺はありがたーく皆さんの証明書を見せていただいたのだった。

 

 

 名前 横山太助 レベル425 A級

 称号 剣豪

 スキル

 名称 剣術

 名称 俊足

 名称 振動

 名称 気配感知


 称号 剣豪

 効果 剣技の威力、速度、精密性に補正



 まずは横山さんのステータスから拝見する。ふむふむ、これは……ちょっと特殊なタイプながら、総合的に言えばオーソドックスなタイプの剣士さんだね。

 おかし三人娘の一人、チョコさんと元倶楽部幹部である翠川を足したようなスペックをしている。《振動》と《剣術》の二本柱でもって、モンスターを体の内外から破壊していく戦法だろう。

 

「さっきは普通の剣技を使ったけどね。《振動》を発動させながら用いる通称、振動剣という技も開発しているよ。モンスター相手にはかなりの効果を発揮するんだ」

「《振動》は他の武器、あるいはスキルとの併用で真価を発揮しがちなスキルですからね。いやまあ、あのスキルを単独で磨き上げた保持者もいるにはいますけど」

「ああ、なんかそんなやつがいたって話は御堂から聞いてるよ。山肌を崩すなんてデタラメにも程がある、俺にはそこまでの芸当は無理だなあ」

「できる必要も特にありませんしね。対モンスターを想定した場合、体内攻撃を主とした《振動》の威力は最低限度の練度でも折り紙付きですから」

 

 レアスキル《振動》についてを中心に話す俺達だけど、こうなるとやはり話題に上がるのが翠川の使っていた同スキルだ。

 はっきり言ってアレは異常な練度だった。モンスターを内側から崩す程度が普通な威力を、土砂崩れを引き起こすレベルまで練り上げるなんて普通はできない。

 

 彼自身のバトルジャンキー気質もあり、相当な努力を重ねたんだろうし、それが結実するだけの才能もたしかにあったんだろう。

 香苗さんから、その身元はともかく存在自体は聞かされていた横山さんも感心しているし。本当に、彼が真っ当に探査者やっていてくれたらなあと思うよ。

 


 名前 御陵綾華 レベル406 A級

 称号 闘士

 スキル

 名称 斧術

 名称 剛力

 名称 気配感知

 名称 頑健

 

 称号 闘士

 効果 攻撃威力に補正

 

 スキル

 名称 剛力

 効果 腕力、脚力を一時的に上昇する



 続いては御陵さんのステータスで、こちらはさらにシンプルな構成だ。実質《斧術》一択の分かりやすいパワーファイターだね。

 称号《闘士》、スキル《剛力》による二重バフで攻撃の威力を底上げしてるようで、さっきの戦いで狼人間を仕留めてみせたすさまじい破壊力は単に斧を使っていたというだけではないようだった。

 

「私は不器用な性質だからさあ。シンプルにパワーで潰す、轢き潰す! ってのしかできないししたくないんだあ」

「実際、彼女は私の同期同世代、あるいは同年代の中でもトップクラスのパワーの持ち主です。レベルこそA級中位程度ですが、瞬間的な破壊力という点においてはA級上位の領域に足を踏み入れていますよ」

「ぶっちゃけそれだけだし他はダメダメだから……総合的な戦闘力って話だとむしろ、同期の中でも下のほうなのが課題なんだよねー」

 

 苦笑いして自身の長所と短所を語る御陵さん。

 一芸特化の探査者さんらしくできること、できないことの落差が極端なのを気にしていらっしゃるみたいだね。


 とはいえその一芸、パワーがA級上位層にも届きかねないってのは他を差し引いても極めて魅力的だろう。

 バランス型では届かない敵にも届き得るってのは、前衛の相方である横山さんが割とそっち寄りのステータスだからうまく噛み合っているように俺には思えるね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 救世主様からの賞賛>(越えられない壁)>S級認定 香苗さん的にはこうなんやな……
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