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同期の星が入れ込む彼は、探査者どころか救世主!?

 さて、香苗さんのパーティと思わぬタイミングにて出会ったわけだが。横山さん、御陵さん、鈴木さんの3人も俺達の向かいに座り、5人でしばしの歓談と洒落込むこととなった。

 で、こうなると途端に浮いてくるのが何を隠そう俺ちゃんである。


 人数比率的に言えば"いつもの2人+香苗さんの仲間達"というよりは"いつもの4人+山形"になっちゃったわけだからね。

 香苗さんはいつもの通り俺の隣で俺にひっついていらっしゃるわけだけども、向かいの3人からすればいつメンに異物が混じり込んでいて、しかもその異物をメンバーの1人が異常に溺愛と言うか崇拝? しているわけなのだ。

 事前に俺が絡んだ時の彼女のおかしさは知っていたみたいだけども、やっぱり肉眼で把握するとインパクトが違うよね。

 

「ふふふ……ついにあなた方も私がこの世で何よりも信じ崇め愛しそして敬う究極にして至高かつ誰よりも強く美しく優しく素晴らしい救世主様の御姿を拝謁する時が来たのですね同期として仲間として友人として何より伝道師としてとても喜ばしいです思えばこれまで鈴山とマリーさん青樹さんくらいしか以前からの知り合いで救世主様の威容に触れた方はいませんでしたがS級認定式ではあなた達含めて同期が勢揃いするでしょうしその時に改めて至尊なりし御姿と御名と御光を救世主様にお見せいただこうと思っていましたが数日早くその機会を得るとはあなた方は実に運がいい才能がありますもちろん救世主神話伝説の信徒として救世の光の信者としての才能がね」

「仲間の前でもそのノリですか!?」

「無論ですとも! むしろ誰の前であってもこの御堂香苗、己が信仰に殉じた振る舞いをいたしますとも!!」

 

 怖ぁ……躊躇なく昔からの仲間にもぶっ込んでいったよこの人。普通に友人いなくなるムーヴだよこの人。

 クールで通してきたエリートさんが急にこんなになったら、普通はまあまあ距離を置くかもしれない。いやこんなにしちゃった俺が言えたことじゃないし、もしもこの人が友人をなくしそうなら俺は全力でその御友人に事情を説明する所存だけれども。

 

 真正面から奇怪そのものとも言える伝道師の姿を見ることとなった御三方を恐る恐る見る。前からこれを度々食らってなお仲間でいるというのだから、たぶん大丈夫だとは思うんだけれども。

 

「うーん、そろそろ慣れてきたつもりだけど今日はいつもより激しいなあ。山形くんが側にいるからかなあ」

「クールなカナちゃんも良いけどこういうカナちゃんも良いよねー」

「初見の鈴山がいくらか言いたくなるのも分かる気がするぜ……あいつ、御堂には一際入れ込んでたからなあ」

「その割に即、山形くんを認めてたのウケるよねー。彼ってば皮肉屋気取りの素直屋だから、物言いの割に同期の中でもバカチョロいんだもんねー」

 

 おぉ……思った通りに大丈夫だった!

 多少の引きは仕方ないにしても、今の香苗さんのこともしっかりと受け入れてくださっている。

 さすが同期、さすがパーティメンバー。仲間の多少の変遷も、しっかり受け止めるってことか。尊敬すべき態度だよ。

 

 短髪で爽やかなイケメン、引き締まった細身の体に双剣を両腰に提げる横山さん。

 金髪のロングヘアにピンをいくつか差している、小柄ながら大きな斧を今はテーブル横の武器掛けに立てかけている御陵さん。

 そして大柄でスポーツマンって感じの鈴木さん。彼は徒手空拳スタイルなのか武器は持ってないね。

 

 この3人に香苗さんが加わり4人、パーティとしてこれまで永らく探査活動をしてこられたわけだ。

 俺とはあらゆる点で探査者としての年季が違う。偉大な先輩達を見る思いで彼らを見ていると、伝道師さんの奇行に苦笑い気味だったのが視線をこちらにやり、そして笑いかけてきてくれた。

 

「実のところ、山形くん。君のことは御堂からだけでなく鈴山からも話を聞いているんだ」

「鈴山さんからも、ですか? ……え、ええと、それはその、どういう」

「"御堂が勝手に暴走しているだけで本人の性質は極めて穏やか、かつ善良。しかしその力はマリーさんや御堂とも並んで戦えるほどの、まさしく規格外"……ってな。あのフランソワさんまでもが君のことを気に入ってるとなれば、こりゃ本物だなーって御堂世代のみんな、アレコレ言い合ってるよ」

「横山のお師匠さんもS級で、私達とも知り合いなんだけどね? その人もべた褒めだったよ。単純に強すぎる、探査者の括りじゃないって。今度の認定式の時に会えるんじゃないかなぁ」

「そ、そうなんですね。その、恐縮です……」

 

 案の定、香苗さんの世代では俺についてアレコレ議論が交わされていたみたい。ていうか鈴山さん、すごく俺を評価してくださってるんだなあ、ありがたい。

 なんか横山さんの師匠がS級の方みたいだ、えっと里見、悟さんだっけ? さっき言ってたけど、俺にも聞き覚えのある名前だ。

 

 たしかベナウィさんと同い年くらいの人で、S級探査者としては珍しく後進を集めては教室を開き、育成指導に携わっている方なんだとか。こないだ香苗さんの昇級にまつわるニュースで若干触れてたよ。

 そんな人とも今度の認定式にてお会いすることになるかもしれないのか。なんか緊張するなあ。


 香苗さんに次いで、二人目の日本人のS級さん。

 その人とも近々出会う可能性を示唆された俺は、なんともはやコミュ力低い陰の者特有の恐れを抱き始めていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 感想欄見てて思い出したのですが、そういえば最終決戦の参加者にお礼的な称号配ったりしないんですかね? そして鈴山氏の扱いに涙が。。。
[一言] この時は誰も予想だにしなかったのです! そう、腹黒プロセッサさんの計算をも超えていたのです! まさか、委員会関係のテロではなく主役がやらかすとは…そう、予想だにしなかったのです!( そろそ…
[一言] S級認定式での犯行声明っぽいのが本人の口から公言されたけど、スルーしていいの山形君?
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