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即死トラップ!?山形くん

明けましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いいたしますー!

 まさかのワールドプロセッサの宣言とともに、周辺のオブジェクトがまたしても変化する。

 教室から運動場へ。これもまた東クォーツ高校のグラウンドだな。体育の授業でよく見る風景が広がっている。

 

 ちなみに俺ちゃんと、あと関口くんは探査者なもんで体育の授業は基本免除だ。非能力者と比べて身体能力が高すぎるからね。

 迂闊に非能力者との差異を見せつけるようなことをして、いらない諍いを生むのもどうかってことで探査者は非能力者との区切りがことあるごとに用意されてるわけだね。

 こういうのを疎かにした結果が、大ダンジョン時代初期に起きたという能力者を軍事利用しての大戦争らしいから仕方ないことではあった。


 とまあそれは閑話休題。俺はワールドプロセッサと並んでグラウンドの真ん中に立って、少し離れたところで精霊知能達に囲まれコミュニケーションを取っているミュトスを見る。

 リアクションは独特なものの一発で善性の存在だと分かる人格に、陽キャ臭のする明るく朗らかな言動。それもあってかリーベはもちろん、気難しいところのあるシャーリヒッタや生真面目なヴァール、アフツストとも打ち解けてくれているみたいだった。

 ほっこりしながらも、改めてワールドプロセッサへと話しかける。

 

「……ここで戦えと? 俺とミュトスが?」

「ええ。戦いというよりは彼女の攻撃を受け止めてもらうだけですが。百の言葉を重ねるよりも、それでおそらくすべてが分かります」

「それでも普通に説明したほうが良い気もするけどなあ……」

 

 そっちのほうが早いからってこんなことするのはなかなか、脳味噌マッスルちゃんですねとしか言えないんですが。

 俺の言葉にもただ穏やかに微笑むばかりで一向に介しないワールドプロセッサさんは、そしてそのままミュトス達のほうを向く。

 それを察して精霊知能達も整列してこちらに向き直り、そして最後の確認が行われた。

 

「それではミュトス、手筈通りにコマンドプロンプトに全力の攻撃を加えなさい。一切の加減なく、全身全霊をもってです。何をどうしても傷一つつけられないのですから、安心して胸をお借りするように」

「は、はいーっ! 命尽き果てる勢いで行きまぁす!!」

「これで普通にダメージ受けたら笑うしかないんだが……」

 

 コイツ実は鬼か悪魔なんじゃないのか? ってくらい本気で行け全力で殺れと焚き付けていくワールドプロセッサ。

 怖ぁ……ミュトスもビビってるし、可哀想に。

 

 まあ実際、全段解放のシャーリヒッタでも極限倍率状態な俺の防御を貫通するのは難しいからね。理論的にはミュトスの全力だって、俺を傷つけるとまではいかないだろう。

 それでも油断は禁物だ、未だにミュトスに混じっている何かの正体が分からない以上、万一のことが起きないとも限らないからね。

 

「と、いうわけで本気でいかせてもらうよ。《風さえ吹かない荒野を行くよ》、《誰もが安らげる世界のために》──極限倍率10万倍」

 

 神魔終焉結界によるサポートを受けつつ、この身体で出せる最高出力を引き出す。

 邪悪なる思念の本体をも圧倒した極限倍率。この状態の俺は、自分で言うのもなんだけど最強と言っても過言ではないはずだ。

 

 放つ圧が周囲を揺るがす。物質世界である現世よりも魂の影響を受けやすい領域なもんだから、力を出せばこの通り大きな影響をもたらしてしまう。

 特に被害はないものの、ミュトスの顔色を一変させることには成功しちゃったみたいだ。まさかこれほどとは思ってなかったのかも知れない、顔を蒼くして何やら叫んでいる。

 

「どしぇーっ!? む、むむ無理無理無理の助でしょこれぇーっ! 攻撃どころか触っただけで滅びやしませんかねぇ!?」

「即死トラップか何かかな? そんなことないし俺が危害を加えたりはしないから安心して!」


 アクションゲームでよくある、触れただけで終わりなトラップオブジェクトみたいに人を言うんじゃないよ。至って安心安全な山形くんだよ、触れたらなんなら光ったりしてもいいよ。

 ……根が平和的な子なんだろうな、ミュトス。戦うぞ! という意志こそあれど、やはり雰囲気はどことなくまったり感漂う。


 水と豊穣、調和と協調を司っていたんだものな、前評判の通り穏やかで理知的なのは間違いない。この短時間でも分かるよ、ノリは古いが敬意に値する人格を備えた方だ。

 だからだろうね、精霊知能達も次々、彼女にエールを送っている。


「がんばってくださいねーミュトスちゃん! ファイト、ファイト!」

「せっかくの機会だ、ドーンと行きなァ! くうーっ、オレも全力で父様とぶつかり稽古したいぜ!」

「お前は山形公平が絡めばなんでも良いのか、シャーリヒッタ……無理はするなよ、ミュトス」

「邪悪なる思念を圧倒した出力、これほどか……さすがだ、コマンドプロンプト」

 

 同じ精霊知能ってことである種のセコンドについてもらってるけど、先輩としてすでにミュトスのことを好意的に見ているのが分かる。

 これが陽キャの力なんだ。俺なんて5ヶ月経って未だにろくに話もしてないクラスメートさえいるのに、このコミュ力の差よ。

 なんだかこっちこそ敗北感を抱いてしまいそうだよ、怖ぁ……

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そちらもよろしくお願いいたしますー

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 よろしくお願いしますー!

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― 新着の感想 ―
[一言] 明けましておめでとうございます! 今年もシャイニングお願いいたします!
[良い点] 明けましておめでとうございます! 今年は京都(競馬場)と名古屋(競馬場)に友人と行くことになりましたので、前乗りして再度巡礼をしながら運気を高めて乗り込もうかと思いますw ということで…
[一言] 明けましておめでとうございます。 今年も、自分なりの考察や今まで見聞きして来た作品からの小ネタを投稿して行きたいと思いますので、宜しくお願いします。
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