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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第二部後日談編

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なんかあざとくてかわいい先生(男性視点)

 バスがぐんぐんと坂道を登って行くこと10分と少し。バスは無事に東クォーツ高校前のバス停に到着して、俺と松田くんは運賃を払って下車を果たした。

 実に一ヶ月ぶりの母校である。終業式からもうそんなに経ったのか、早いなあ……夏休みがあっという間に過ぎていったことに白目を剥きそうだよ。

 

「あと2週間くらいで二学期なのか……早すぎる……」

「マジあっという間だったよな……もっと遊びてぇよ俺……」

 

 呆然と呟く俺に松田くんも本音を吐露する。そうだよね、やっぱあっという間だったよね?

 小学校や中学校の頃もそうだったけど、なぜにこの手の長期休暇は凄まじく時間の流れが早いのか。学校で授業を受ける一時間と夏休みに自室で過ごす一時間とで尺度が同じだなんて信じられないよ。

 

 なんだかしょんぼりしつつ、それでも図書館へ向かう。高校のすぐ近くに自然公園や文化施設が多く存在するこの近辺、歩けばすぐに目的地に着ける。

 途中、高校の門前を横切るわけだけどさすがに生徒用の出入り口は締め切られて施錠もされているね。


 クラスのグループチャットを見る限り、7月中は部活動とかで登校する人もチラホラいたみたいだけど、夏休み本番である8月ともなれば完全におやすみモードってわけか。

 他方で正門、教職員や各業者の方がメインで通ることになる門は普通に開いてるし駐車場に車が停まっていることからも、先生達は普通に出勤されているってのが伺える。

 

「生徒は休みでも先生は仕事だもんなあ」

「大変だよねー」

 

 俺達学生にとっては天恵とも言うべき長期休暇だけど、大人の方々は当然日々の生活を営む上でお仕事としての教職を勤めなければならないわけで。

 日々を楽しく過ごす俺とは異なり、先生方は今こうしている時にも仕事をしているんだろう。大変なことだ。

 

 頭が上がらない思いで歩きながら校内を覗く。あっ、さやかちゃん先生!

 ちょうどウチのクラスの担当職員、若手女性教諭の原田さやかさん通称さやかちゃん先生が渡り廊下を歩いてみるのを見かけて俺は松田くんに呼びかけた。

 

「松田くん松田くん、さやかちゃん先生だ」

「おっ、マジ? ……うわあっ、中山と磯田もいるぞ」

「え……うわ、怖ぁ……」

 

 さやかちゃん先生にばかり目が言ってたけど、松田くんに言われてその付近を見れば大変だ、すぐ近くに、体育教師の中山先生と英語担当の磯田先生といるじゃん!

 終業式同日に行われた焼肉パーティーの際に俺は梨沙さんから聞かされて知ってるんだ。あの3人、っていうか主に中山先生と磯田先生が修羅場感出してるらしい。

 

 なんでもなんだっけか、さやかちゃん先生のことを中山先生が好きで? その中山先生のことを磯田先生が好いている、と。

 それで中山先生はさやかちゃん先生にダダ甘だし、気に食わない磯田先生が何かにつけてさやかちゃん先生を目の敵にしている、とかなんとか。

 

 さやかちゃん先生のポジションがひたすらとばっちり感溢れてて、なんとも気の毒な話なんだけど……松田くんからするとまた別の見解を持ってるみたいだった。

 見て見ぬふりをしつつドン引きした様子で俺に説明してくる。

 

「さやかちゃん先生もなぁ……ぶっちゃけサークラ気質っていうか、天然であざとい態度を誰にでも振りまくからなあ」

「そ、そうなんだ?」

「そうそう。そんでもって見た目もロリってか、下手すると俺らと同年代並だろ? そういうところに、男の先生どころか男子生徒の中にも結構ガチめに参っちゃってるやつもいてさ。一部女子からは評判悪かったりしてなかなかカオスだぞ、あの界隈」

「どの界隈……?」

 

 知らなかった、さやかちゃん先生が東クォーツ高校サークルのクラッシャー姫様だったなんて……そもそも知りたい話でもなかったけど。

 ていうかそんなにあざとかったっけか、あの人? アニメの美少女キャラみたいな声でやたらリアクションが大きくて愛嬌が良いからそう取られなくもないのかな。

 

 松田くんがそこまで言うってことは概ね、最低限はクラス内でも知れ渡ってることなんだろうな。

 そう言えば焼き肉の日、さやかちゃん先生の挨拶に浮かれた返事を返す男子サイドに反比例して冷えていった女子サイドを目の当たりにもしていたし。うわ、そう考えるといろいろ腑に落ちるぞあのへんも!

 

「し、知らなかった……」

「終業式の時も思ったけど山形、校内ゴシップ周りのアンテナ皆無だよなあ。まあ探査者として忙しいから気にしてもいられないんだろうけど」

「い、いやあ、ははは……」

 

 ビックリするほど言い返せない。アンテナが低いという以前にそもそも、学内のそういうところに一切関心を寄せてなかった自覚もあるからね。

 ぶっちゃけグループ内で楽しくやれてるだけで良いし、あとやはり一学期中は邪悪なる思念絡みでそれどころじゃなかったってのもある。

 

 あるけど……うーん。あんまり興味ありませんって感じでいるのも、それはそれで時勢についていけてない気がして嫌だなあ。

 別に真に受けるつもりもないし、どうあれさやかちゃん先生は立派な人だと思うから俺にとっては素敵な先生だけど、それはそれとしてこう、そもそも知らないのと知った上で気にしないのとでは天地の差がある気がしなくもないし。

 

 アドミニストレータ計画も終わり、倶楽部やらサークルやら概念存在やらいろいろあるにせよ、俺自身としては割と落ち着きだしている今日この頃だ。

 二学期以降はもう少し学校にも目を向けて、今しかない学生生活ってやつを謳歌しようとしてみてもいいのかもしれないなあ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 救「あの界隈…って言い方だと、とりあえず俺や松田くんは属してない界隈なんだよね」 松「そうだね、職員と女子生徒界隈だね!」 救「えぇ…」 松「あとさやかちゃんガチ恋勢男子」 救「なにその界隈…
[一言] 触らぬ神に祟りなし…あ、いややっぱりそうw
[一言] この手のドロドロはあんまり見すぎると良くないものです。(精神面において人間不信等の症状を引き起こす可能性があります。純粋な精神生命体、人工知能は近づけないことを推奨します……………アルマ?別…
感想一覧
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