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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第二部後日談編

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お酒は各世界の各地方、各国ごとに定められたルールに従い楽しみましょう

 シーザードレッシングのかかった生野菜はシャキシャキで、クルトンも一緒に噛むとカリカリという音とともに心地良い食感がまず俺を楽しませてくれる。

 クリーミィな塩気あるチーズの味わい、とでも言うべきかな。ドレッシングも野菜によく絡み濃厚で、これだけでも延々食べられるってくらいには美味しい。

 

 

『うんうん、味が濃い目で僕的にも嬉しいね。これで公平が成人してたら酒と一緒に楽しめたんだろうけど、ま、それは今後のお楽しみと行くかぁ』

 

 

 脳内アルマさんもこの味にはご満悦のようで何より……なんだけど、しれっと将来的に俺に酒を飲ませるつもりでいるのがちょっと驚きだ。

 ていうかこいつ、もしかして酒の味とか知ってるのか? この世界を彷徨いていた端末はどう見ても俺より子供だったのに、まさかグルメ観光の傍らどうやってか酒まで飲んでたっていうのか。

 

 いやまあ、こいつほどの存在なら見た目の認識とか認知とかを弄るくらいわけないし、そもそも魂の年齢とかは俺より年上なんだけど、それはそれとして絵面は普通に犯罪なんだよなあ。

 えぇ……? って思いつつ一応聞いてみると、頭の中、つまらなさそうな声で返事が響いた。

 

 

『この世界では呑んでないよ。端末として動き始めてすぐ酒場に行ってみたんだけど、子供が飲酒するのはおかしいらしいもんで即座につまみ出された。まさかダメとは思ってなかったからはあ? ってなりはしたけどそこはそれ、誤魔化すのも面倒だし大人しく引き下がったよ』



 案の定、一度だけとは言えやらかしてるみたいだ。禁止行為にあたるとは思ってなかったとは言うものの、本当は分かってたんじゃないのかなあって気がしなくもないよ。

 まあ言われて抵抗するでもなく大人しく従ったみたいでそこは何よりだけどね。認識弄るくらいしてたかと思ったから、ちょっと安心だよ。


 とはいえ、そもそも"この世界では"ってのがもうね。

 他の異世界だとカパカパ呑んでましたって言ってるも同然なのではって思うんだけど……

 そこについては本人自ら、聞いてもないことをペラペラと脳内で話し始めてくれていた。

 

 

『そもそもこれまでに食らってきた異世界には子供の飲酒に関する取り決めなんてなかったからね。僕が運営していた世界でも子供だって酒は飲めたし、魔天、災海の世界も同様だ。あの二つの世界ではカジュアルなもの、ほとんどジュースみたいな扱いだったしね』

「そうなのか……結構ファンタジーな世界観だったみたいだし、まあそうなるか」

『断獄だけはちょっと事情が違って、腕の立つ戦士にのみ許されたものだったから子供どころか大人もなかなか飲めなかったみたいだけれど。それでも祭事なんかじゃそこそこ振る舞われてたりしたよ』

 

 

 しみじみ懐かしむように異世界の思い出を語るアルマさんだけど、こいつ最終的にはその懐かしんでる異世界をことごとく喰らい尽くして滅ぼしてるんですよね。

 とんだサイコワールドプロセッサだよ! 罪悪感とかないのかコイツ、まあないんだろうな……自分が完璧な、完全なる存在に至るための材料でしかないと思ってるんだろうしなあ。

 

 突き詰めるとやはり身勝手極まりない、そんな邪悪なる思念の物言いについては引き続き長い年月をかけてでも思考思索を促していくとして。

 サラダを食べていると次の料理が運ばれてきた。フライドポテトが山盛りの皿二つに、唐揚げがこれまたてんこ盛りのお皿が二つだ。


 うっひょう! 来た来たこれですよ! 否が応でもテンションの上がる美味しそうな香り漂う揚げ物二種類!

 酒飲み達もこれには興奮して、良いつまみが来たとさっそくそれぞれお箸を伸ばしているね。特にマリーさんの勢いたるやすさまじく、唐揚げを頬張りビールを一口、フライドポテトをかじってはまた、ビールを一口飲んでいる。

 

「ファファファ! これだよこれ、日本で酒飲むったら何にしろフライドポテトと唐揚げってのが定番なんだよなぁ! かーっ、ビールに合うねぇオイ、グビグビ行けらぁな!」

「お、おばーちゃんの口調が若干変わってます……怖ぁ……」

「マリアベール、酒を飲むのはこの際もう仕方ないが酔っ払って若い頃の調子に戻るのは止めろ。山形公平に頼んで強制的に素面に戻ってもらうぞ」

「…………ファファファ! いやいや、なんのことやら。齢83の老婆が気持ちだけ若返るなんて、またまたそんなことありゃしやせんさね。ファファファ〜」

「えぇ……?」

 

 怖ぁ……口調まで変わってるじゃん。

 ヴァールの言葉から察するに若い頃の言葉遣いがついつい戻っちゃってたみたいだけど、あんな喋り方だったんだねかつてのマリーさん。

 

 たしかお孫さんのアンジェさんが、若い頃のマリーさんと瓜二つだったかな。

 ってことは70年近くも前にはあのスタイル抜群の金髪美女が、男勝りと言うしかない口調でもって先輩探査者と見るや殴りかかるような狼藉を働いていたってことになるのだ。

 

 いや、怖すぎだろマリーさんの若い頃!

 そりゃリーベもビビるしヴァールも止めるわ。見ればサウダーデさんやベナウィさんも苦笑いってか引き気味に笑ってるし、エリスさんなんか素でドン引きしてるし。


 こうなると立場上完全に上役なヴァールが彼女のストッパーなわけだ。宴会でも忙しそうで、WSO統括理事って大変なんだなあ。

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― 新着の感想 ―
米国西部劇映画みたいにウイスキーらっぱ飲みとか、怖ぁ。
[一言] そんなことのために展開される神魔終焉結界さんw
[一言] 強制的に素面に戻されたとして、飲んで良い酒の量は、因果的にはリセットされてても、ヴァール的にはリセットは認めないのであしからず
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