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第一章 わたし、異世界転生しました!
わたしがわたしとしての意識を保ち、まともな思考が可能になったのは、転生してから半年経つころだった。それでも赤ん坊としての本能に負け、目の前の食事にしゃぶりつき、糞尿を垂れ流し、感情のままに泣き、眠りに落ちる。そんな生活をしていた。
特に感情の制御ができないことが辛い。意思の疎通が上手くいかないこと。上手くいったときも危ないからとダメよをくらうことも多く、ちょっとしたことでむっとなり、泣く。自分でも仕方ないと思いながら、そんな感情を制御できないのだ。
せめて、相手の言葉が日本語ならマシなのだがあいにくと日本語どころか英語や中国語ですらなさそうだ。
何を知るにもとりあえずの第一目標は、言葉を覚えることだ。