人を殺すからくり
できるだけ内容を変えずに読みやすく修正します。
私の危険の臭いがとんでもない事になってる。
全方向に広がっている。
前、後ろ、左、右、動けない。
今は夕方だ、夕方とはこの世とそうでない世界がまじわる時間、見える物が見えなくなり、見えてない物が見える時と聞いた事がある。
だが、これはありえない、何がなんでもありえない。
「なによ、これは」
「ドワーン」
今私の目の前には建物がある、ありえない。
さっきまでは村だったのに今はでっかい建物だ、建物の扉があいた。
「ギイー」
足が勝手に進む。
「う嘘でしょ」
どうなってるの足が止まらない。
誰かいる、止まったが今度は体が動かない。
それは後ろを向きながら、私に喋りかけてきた。
ここから姿はよくわからない。
「おまえは夕方に帰れと言われた約束を破ったな」
これは呪いか? 約束を破ると発動するのか?
こちらの返事など関係ない、聞いたか聞いてないかだ。
だが、これは村長の罠だ。
わざわざ時間をかけさせて、洞窟まで行かせて、夕方までいさせたのだ。
こんな罠も見破れないとは、私は自分の力を過信しすぎていた。
あの村長は顔色一つ変えなかった。
これがどういう事かわかってるのにだ。
ある意味流石と言うべきか、雑誌記者ならちょうどいいと思ったか、世間を黙らせる為にだ。
後ろを向きながらそれは言った。
「おまえにチャンスをやろう、すきにするがいい」
体が動くようになった。
それはゆっくり振り返った。
「だがな、失敗すればこうだ」
そう言って近づいてきた、やつの姿それは髪が短いがお女だ、女だったのか、それも若い女、だが、よくみるとその女はむ胸が見えていた、何どういう事だ。
それになんと下も下もはいてない、下も丸見えだ、大変な事になっている。
ここれは裸の女だ、とても恥ずかしい恰好をしてる。
露出狂か? こいつは。
「どうだ、気にいったか」
くねくねしてる。
いやらしい。
だが、よくみると何これは私だ。
それは私だった。
胸の下にホホクロがある。
しかもあそこにも、ああ、肉体の特徴も一緒だ。
女の両目が陥没していた。
「ズゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン」
すさまじい衝撃が頭にはしった。
「いいやーーーーーーーーーーーーーーー」
思わず叫んでいた。
叫んでも意味がないのだが、すさまじいショックだった、色々な意味で女としてだ。
裸の女が言ってきた。
「なんだ逃げないのか? あきらめたのか? なら、目玉をもらうぞ」
目の前の景色が突然村に戻った。
我にかえる、早く逃げないと急いで、バイクに向かって走る。
あれが誰かに見られたら。
あれが誰かに見られたら。
あれが誰かに見られたら。
あれが誰かに見られたら。
あれが誰かに見られたら。
あれが誰かに見られたら。
と思うが、あれとは私の裸の事だ。
さすがに、あの格好で歩かれたらたまらない。
「うーうおー」
どうしたらいいのかわからない。
だが今はそんな状況ではない。
走る走る全速力だ。
バイクにまたがる、キーを回そうとするがうまくキーが入らない。
しかも焦ってキーを落としてしまう。
急いでキーを拾うがダメだ。
「なんでなんでよ」
汗が手が汗でべしょべしょだ、それに手が震える。
遠くで声が聞こえる。
「目玉をもらうぞ」
早く逃げないといけない。
「パーン」
思いっきり自分の顔たたく。
落ち着け落ち着かないといけない、
だが、ふと思いだす。
今回は起こった事故だ。
もしかしたら、こうやって逃げて目玉を奪われたのかもしれない。
あれは逃げられたら、見逃すとは言ってない。
それなら、言った通りの事が起こってる。
恥ずかしさと恐ろしさで我を忘れる所だった。
そうか、あれに会って逃げたから目玉を奪われたのかもしれない。
人は誰かが逃げたら、自分も走りだす、考える事ができなくなる。
私は運がいい、キーを落とさなかったら、走り出していたかもしれない。
そうなったら、両目を失って、あの場所で死んでいたかも、いや、死んでいただろう。
しかし、これが村長の罠だとは、私は怒りに震えた。
村長殺すと思ったが、殺されるのはこっちだと思ってあきらめた。
私はか弱い女なのだ。
あれはチャンスをやると言った、何か方法があるはず探さないといけない。