救いたいという思い
お久しぶりです
内容を煮詰めている間に一年以上もの時間がたっていました
このお話は探り探り慎重に進めていきたいと思っているので
気長に読んでいただけると助かります
「ただいま」そう意味のない言葉を言い家に入る
今日もやることは一つで、いかにあの子を治すか
可能性を1%でも引き上げるためにはどうすればいいのか
それだけを考える時間が始まる
「これも駄目か」
俺以外だれもいない部屋にその言葉とため息だけが響く
この作業を始めて何時間がたっただろうか
ふと壁の時計を見てみると短い針が3に差し掛かろうとしていた
疲れ目を擦っていると頭を殴りつけるような音が鳴った
「この音は」
俺は慌てて震える携帯を手に取った、
『緊急病棟からの着信音なんて…まさか…』
それは嫌の方向に予想通りで、絶望を知らせる音だった
あの子の病状が悪化したという報告を受けて俺は急いで病室に向かった
到着した時には彼女はたくさんの機器につながれており
何か伝えることもできない状態になっていた
この状態にまでなってしまうと手術を今すぐしても成功する確率は限りなく低い
ただ…
強い彼女は言っていた
「私がどんな状況になっても先生を信じているから、手術してね」
信頼とかじゃないかもしれない
けれども、怖いはずの心を見せないようにその言葉を俺に紡いでくれた
そんな彼女に俺は応えないといけない
全身全霊、そんなに合わない言葉を思い浮かべながら
俺はオペ室へと入っていった
短くなってしまいすみません
前回までの話からして少女が生きている間の話を
長々と書く感じの話だと思われた方もいらっしゃると思いますが
深い回想はこの回でいったん終わりとなります
次回からはガラッと変わりますのでお楽しみにしていただけると幸いです