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アークへの思い入れ

 ……さっき、ヒールに怒られてしまいましたけど。ボクにとって確かに何の得もないことを隠し通していたのは、そこら辺が関係しています。



 もう言ってしまうことにしますね。



 くどい程言いますけど、ボクは理の違反ということの意味はわかってるつもりです。ですから、ボクが助けた人間のその後についても予想くらいはつきます。



 狂った理は直さなくてはいけません。ボクの行ったことはなくなるでしょうね。そうしたら助けた男の子は、きっと死んでしまいます。



 衝動的と言いましたが、あれは訂正の余地があるかもしれませんね。理性は十分にありましたから。



 まだ死んでほしくない、と思っていたのは本当です。だから、ここまでやっておいて中途半端に放っておくことはできませんでした。



 もういっそ、道連れとなってしまおうと考えたのです。ボクがしたことが知られなければどちらも不利益を被らない、ボクが知られれば一緒に堕ちることとなる。



 そんなことやる意味あるのか、ってなりますけど。地上に行って人間を見ることはたくさんあっても、ああして直接関わるのは初めてだったんです。



 ……うん。初めて会った人間って、もしかしたらアークかもしれない。地上でってことでね。思い入れがあるって言えば良いのかな?



 そういうこともあってアークを救いたくなるのは必須なんです。そういった覚悟を決めて、ボクはアークにすら病院でのことを話さず、隠して守ることにしました。それが、ついさっきまで続いてたんです。



 本当に、ヒールの言う通りなんです。自分のことなんて全然考えていませんでした。むしろ、手負いにさせているくらいの負担をかけていたと、自分でも今気づきました。ただアークが生きているようにと、それだけを意識していました。



 ……天界にいるのに、まだ生きていてほしいと願ってるんです。一体何がボクをここまで動かすのか。自分でもわかりません。



 考えがこんがらがって混乱することが、アーク天界に来てから起こり始めたんです。そういうことを考えてしまうから。



 だから、少し避けてた時もあったんです。アークとゼルさんが1回目にボクをよびだしたときも、ツンツンしていましたよね。



 ふふ、これまで結構頑張ってきたんですよ。自己満足ですけど。でもなんだか、明確ではありませんが充実感のような感情を覚えることが増えたんです。



 地上に行っていたのは、天使としての仕事の息抜きもありますから。マンネリ化というか、伸び悩んでたんですよ、その頃。



 やるべきことが捗らず、自分に自信がないようなそんな時期でした。人間が好きになったのは、そのせいなのかもしれませんね。ボクは十人十色という言葉が大好きですから。



 ……こんなところでしょうか。地上に降りてきて病院でアークの体を衝動で治癒したボクは、死からも救ってしまった。そしてボクはそれの責任を背負うことになった。



 面白味のない間の抜けた話ですけど。ボクから言えるのはこれくらいです。まあ大体ヒールのコピーですよ。



 皆さん、長いこと、聴いていただきありがとうございました。これがボクが隠していたことです」

お読みいただきありがとうございます。

わかりにくかったら大変申し訳ないですが、ラフィーの言ったように概要はこんな感じです。謎はおおよそ解けたはずです。これからの展開をご期待ください。

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