拗ねたルイズ
「ふぅ〜……」
ぼくは大きくため息なんかをつく。グリウもリザレイもおそらく説得させられたぼくが次にすることは、拗ねたルイズをフォローすることだ。
要するに、ルイズを見つけてかまってあげる。そういうことだ。
「ルイズ、どこにいるんだ?」
とりあえず、ぼくは空に浮かんで上空から探した。ヒールといるのか、ひとりでいるのか、様々なパターンで想像しながら探した。
でも、探しながら、疑問がわいてきた。
「……仲間はずれにしたらもっと怒りそうで誘おうと思ったけど、ルイズを探すことになんの意味がある?」
もちろん彼女の心が満足になれたならいいんだけど……いや、違う!
ぼくは首を左右に振って、Noを強く示す。ぼくがルイズの為になりたいって動き始めたのに、そこを疑っちゃダメだ。
誰の思いがどうであれ、拗ねたルイズを引き戻すのはぼくの仕事だと思うから。
しばらくして。ヒールと図書館にいるかな、という希望を否定された後は、どう動こうか迷ってしまう部分もあった。ヒールとは別れてしまったようだ。なら一体誰となんだろう。
様々な場所を、色んな天使や人間たちが調べた。それでもルイズの噂は聞かないな。彼女の影は全く掴めなかった。まるで消えてしまったかのように。
でもルイズはちゃんと何処かにいるはずだ。そう信じて、ぼくは気分転換にヘブンバックを訪れた。
終末世界みたいなガレキだらけだけど、どうしてか落ち着くんだ。
「この暗くてしっとりした感じが、なんとなくだけそ神秘的にも感じるな」
ぼくはひとり、ヘブンバックを見て回っている。男や女の体が張ってあるビル達。今の体も、ここから選んだんだっけなあ。
思い出に浸っていたぼくに、その出来事は、あまりに不意打ちだった。
「あ……アーク」
「ルイズ!」
前方、つまりヘブンバックの奥の方から、ルイズが現れたのだ! しかも、ぼくに近づいてきている。
これはチャンスだ。しかし……
「……ラフィーの為に動いてるんだろ。ルイズは邪魔しないようにしとくよ」
彼女は背を向けた。
これではダメだ! 何の為に彼女を探していたのかわからない。ぼくは何故だかわからないけど、ルイズだけを計画から除外することができなかった。
「待ってルイズ!」
ぼくはルイズを呼び止めた。
お読みいただきありがとうございます。
最後はルイズです。タイトル通り拗ねた彼女をどうするのか、次回をお待ちください。




