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■第七章■

 今日は久しぶりに病棟から足を伸ばして、病院の中庭へ行ってみた。

 ぽかぽかと暖かい陽気に喧嘩を売るように、まだまだ冷たい春風が木々を揺らした。

 かろうじて残っていた桜の花びらが舞って、あぁ今年は花見行かなかったなぁなんてのんびりと考える。

 桜が大好きな弥羽は毎年花見の時期になると花見へ連れて行けとうるさいのだ。たいていは学校帰りにちらっと寄ったりするくらいなのだが、今年は丁度花見の時期に俺が入院してしまったから、ちゃんと二人で花見ができなかった。

 もう桜の時期も終わりか・・・。

 俺はいつまでこうしているんだろう。

 ぼんやりと春の空を見上げながら、思った。自分は何のために存在しているのか。

 ―――このまま、何もせずに終わってしまうのだろうか。

 終わりが見えない病魔との戦いに、もう俺は疲れていた。

 それでも、死ねずに、けれども生きる価値もない。そんな入院生活を送っていた。

 ・・・一人で考える時間が、長すぎた。

 強めな春風が、儚く短い命を舞い散らす。

 それは刹那故に、綺麗だった。

 散ることが目的ではない。咲き誇ることが目的だ。

 死ぬことが目的ではない。

 ・・・生きることが、目的だ。

 何もしなくても、ただ、そこにいるだけで。

 俺は、いつまでもあいつの隣にいていいのだろうか。

 俺が、堕ちる日まで、あいつは俺のそばにいてくれるんだろうか。

 あいつが飛べる日を、俺は見届けることができるんだろうか。

 

 死ぬことが目的ではない。

 ――――そう、飛ぶことが、目的なのだ。

ああああああ

鬱だ鬱だ鬱だああああ(←

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