■第五章■
弥羽が去ったあとの病室は、嫌なほど静かだった。
もう慣れたけど。
開け放たれた病室の窓から風が入り、さらさらと白いカーテンを揺らした。
世界は夕日に包まれるころだった。
まっしろな病室は、
一瞬でまっかに染まった。
少し、少しだけその赤が、血の色に似ていた。
少しだけ、怖いと思った。
ふと、世界の終焉を考えてみた。
それは白か、それとも黒か。
それとも、白も黒も染まってしまう鮮やかな赤なのか。
唯一俺にわかることは、この世界が終わる時、それはとても綺麗なんだということ。
そんなの終わってみないとわからないかもしれない。
それでも信じてる、世界は本当はとても綺麗なんだと。
少しは信じられるから、弥羽のこと。
きっと彼女なら、空を飛べる。
飛べない翼を持ってる俺とは違う。
そんなことを考えながら、だんだんうとうとし始めた。
今日は疲れた。
久々にテンションの高い人間と話したから。
弥羽の元気に救われたことは何度もある。数え切れないほど。
でも、そのたびに自分の愚かさに気づく。気づいてしまう。
こんなの自分勝手だってわかってるけど、俺は弥羽みたいになれない。
俺は俺で、弥羽は弥羽。
こんな当たり前なことさえ、俺の心に鋭い棘を刺していくんだ。
なんだか、今日はちゃんと眠れそうだ。
いい夢が、みれるような。
そんな気がする。
空が赤から黒に変わる頃、俺の意識も深い水底に沈んでいった。
なんかポエマーな、憂鬱まっさかりぃー(誰
こんなんでスミマセン・・・><