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■第四章■

「翼、たーすーく!」

 ん、何か声が聞こえる。幻聴?まさか。

 もうちょっと寝よう。最近夜寝れてなかったからきっと疲れてるんだ。

「翼ってば!」

「あ、弥羽。」

 声が幻聴ではなく弥羽だということに気づく。目は覚めた。

「あ、じゃないよー。ほら、さくらんぼ持ってきたよ。早くできたやつだって。」

「お、ありがと。」

「洗ってくるからちょっと待ってねー」

 ルンルンと鼻歌を歌いながら弥羽は隅の洗面台に向かっていった。さくらんぼを軽く水で洗っている。

 さくらんぼか、そういえば久しぶりだな。

 さくらんぼといえばゴールデンウィークがピークだったような気がしたが、まぁ弥羽の言葉を信じよう。

 俺はちょっとよだれが出そうなのをあわてて飲み込んで、弥羽がさくらんぼを持ってくるのを待っていた。

 しばらくしてさくらんぼの水をきった弥羽が箱ごとさくらんぼを持ってくる。うわ、結構な量を持ってきたな。

「はい、翼。あーん」

「あー、ん?」

 反射的に口を開けてしまい、弥羽に何か突っ込まれた。

「んがっ?ふがふがんふがっ?!」

 何?何だこれっ?!

「うわー、翼すごーい。さくらんぼ、一気に十個も食べれたよ。」

「ふんがっ?!」

 じゅ、十個だと?!

 さくらんぼには種があることを忘れていないか、弥羽?!

 しばらく俺は奇声を発しながらも、口の中の大勢のさくらんぼと戦っていた。

 ようやく落ち着いた俺に、再度弥羽はさくらんぼを十個程俺の口の中へ侵略させようと身を乗り出してくる。当然俺はそれを阻止すべく、あわてて弥羽に言った。

「い、いや。ま、待て弥羽。もういいから。」

 すると弥羽は少ししょんげりした顔つきになって言った。

「おいしく、なかった・・・?」

 その表情はさながら飼い主に捨てられそうな仔犬のようで、俺はついつい甘やかしてしまうのだった。

「おいしいって。でもさくらんぼは一つずつしゃないと食えないだろう?」

「あ、それもそうだね。・・・それじゃ、あーん」

 九個のさくらんぼは箱に戻し、弥羽は一個だけさくらんぼを保持することにしてくれた。

 まったく、こんな状況、クラスのヤツラに見られたらなんて言い訳しようと考えつつも、俺は甘いさくらんぼの味を堪能していたのだった。

第四話でーす。

さくらんぼお話に出してから「あれ?そういえばさくらんぼって桜散ってから実になるはずだよね・・・」と気づき・・・あせりました^^;

なんか春は内容薄くなりそうですorz

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