表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くちひげのファントム  作者: 衣住河治
1/9

プロローグ

 この話はぼくが生まれる少し前の話だ。

 父も母も若くて、麗子おばさんは今にもまして綺麗だった。


 その頃3人がやってたカーレースの事は、物心ついたときから何度も聞かされてきた。

 全日本ツーリングカーレース。市販されている車を改造して全国のサーキットで速さを競う。

 ちょうどF1とかもブームになっていたらしくて結構お客さんも見に来ていた。


 当時の写真とかも父や母の自慢話と共に幾度となく見せられたもので、

 懐かしそうに写真を見る母や目を輝かせて話す父が羨ましかった事を良く覚えている。


 けれど父や母、そして麗子おばさんが決して話そうとしない青い瞳のレーサーの存在をぼくは知っている。

 ―― いや、覚えていると言った方がいいのかな。なぜならそれはぼくの事でもあるのだから。


 今ではそのもう一人のぼくの記憶はちょっと、いや、かなりあやふやになってきている。

 すべてを忘れてしまうまでにもうそんなに時間はないと思う。

 その前にぜひ、このもう一人のぼく、カール=ハインツ・シュナウザーの話しをここに書き止めておこうと思う。


 これは若かった父、母、麗子おばさん、そしてブルーの瞳のもう一人のぼくのおとぎばなしのような、そんな話しだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ