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オセロ
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※説明ナレーションE(亡き愛子の声)
『舞台設営装置』
患者慰安室は、家族との私的な相談室でもあり、来院面談客の応接室でもある。
しかし、患者の発作的衝動による自害事故の危険を避けるため、高い位置に小さな格子窓がある。
コンクリート打ちの簡素な洋式個室。
洋テーブルには、軽症入居患者用の、正方形のオセロ・ゲーム盤が、一つ置かれている。
洋イス二脚。
左壁沿いに、出入り口。格子付き覗き窓の金属ドア。高天井に灯りがある。
病院内であることを示す、カレンダーやポスターの他には、特に設備がない。
外の音も匂いも、ほとんど入って来ない。
中央に巨大スクリーンがあり、放映機でゲーム盤が、全面に映し出される。
ゲームの親展に伴い、計四回盤面が入れ替わるシステムとなっている。
説明・進行・独白のナレーションが挿入される。