暁 神楽という人
どーもどーも、駄文ですがよろしくです。
那狼学校、それは御令息御令嬢が通う日本一の学校。
そう、マナー・スポーツ・勉強。全てにおいて日本一の学校である。
その学校には「微笑みの王子」と呼ばれる人がいた。
名は「暁 神楽」。
誕生日は7月14日。丁度今日。血液型はB。
世界で一、二を争う程の大企業、暁財閥の次男である。
文武両道で才色兼備、完全無欠で全知全能、十全十美で容姿端麗。
そんな四字熟語ばかりが当てはまる完璧な人。
それなのに決して驕らず、いつもにこやかに微笑んでいる。
怒るところは見たこともなく、困った顔をして笑うだけ。
困っていれば必ず助け、アドバイスにも気軽に乗ってくれる。
近寄りがたいと思わない茶目っ気のある可愛い人。
テストではいつも主席で、スポーツ大会は完全優勝。
夜を結ったような煌めく黒髪はいつもポニーテールにしており、かと言って女らしさはない。
黒真珠のような美しい瞳はいつも温かみを帯びていて、見つめられるとホッとする。
陶器のように真っ白な肌はシルクよりも滑らかできめ細かい。
その顔は人形のように整っており、しかし生気を宿していて美しい。
細く、それでいて逞しい筋肉質な体。
どこにも欠陥のない、美しいとしか言いようのない人。
一年生で初めて生徒会副会長に選ばれ、会長はもとより風紀委員長や理事長にも認められる素晴らしい人。
「暁 神楽」について学校で尋ねると……
生徒A「暁さん?ん~、とってもかっこよくて可愛くて、綺麗な人。この前、相談に乗ってもらったんだ~!とっても丁寧でさ、話終わった後とってもスッキリしたんだよね。」
生徒D「あ?神楽?そーだなあ?超人かな?もうあれは同じ人間に見えねえわ。超人でも生温いな。もうあいつに勝てる奴なんてこの世にいねえんじゃねえの?」
生徒S「神楽様?神楽様は現代に舞い降りた天使、いえ、神のようなお方です!神楽様に見つめてもらえるだけで胸がいっぱいになるんです!あのようなお方は他にいないかと!あ!もうこんな時間!?神楽様(自称)親衛隊会議に遅れちゃう!それじゃあ!」
先生B「暁君?そうですね。真面目で優秀、しかしたまにギャグやノリにのったりする人気のある子ですね。クラスの中心的存在です。とてもいい子ですよ。」
先生C「あ~、暁か~。ん~そ~だなあ。俺がいなくても授業できんじゃねーの?ってくらい優秀だな。全国模試一位だぜ?教えることなんざ無いっつの。今度、あいつに授業やらせてみっかなあ。」
会長「ふむ、神楽か。言うまでもなく優秀だな。たった3日で生徒会の仕事を覚えた。素晴らしい頭脳の持ち主だ。おまけに気配りまでできる。女だったら婚約者にしたのにな。男で残念だ。」
風紀委員長「神楽?ああ、生徒会に入らなかったら風紀に入れたかったな。あれだけ強く、正しく、優しい者はそうそうおらんぞ?はあ、掛け持ちしてもらいたいほどだ。風紀は人手不足でな?おっと、何かあったようだ。すまんがもう行く。ではな。」
理事長「ああ、暁君。凄いよね、彼。何でも出来て、外見も美しく、内面まで綺麗だ。暁財閥は安泰だな。羨ましいよ。養子に出来たらしたいんだけどなあ。僕もこれくらい優秀な後継ぎが欲しいよ。」
などなど、素晴らしい高評価だ。
だが、俺は知っているみんなが見ている「暁 神楽」という人物はいないと。
みんなが見ている「暁 神楽」は作り物であると。
実は超のつく面倒くさがり屋で勉強しなくていいように、小学4年で全ての勉強を終わらせ、疲れないようにスポーツなどの測定は手を抜いて一回だけ。
人助けなんかしたくなけど、やらなきゃネチネチ言ってくるのでやってるだけ、なのだと。
ん?なんでそんなことを知っているのかって?
それは……
ガチャ
「こんな昼から来るなんて何様なんで~すか~?」
「フフフ、すみません。そうですね、あなたたち風に言うなら『副会長様』。ですよ?」
そう、俺は副会長。生徒会副会長の暁 神楽だ。
ってか、うっせえ。てめえらだってほとんど遅れてんじゃねえか。俺に指図すんな。
あ?なんでそんなに性格が変わってるのかって?
んなもん、この性格してたらなめられっだろうが!
だから、演技してんの。
そんな俺の好きなものは惰眠と休日。
嫌いなものは惰眠を邪魔するやつと黒くてカサカサしてる奴。
俺の惰眠を邪魔する者は、何人たりとも許さねえ。
でも最近生徒会の仕事のせいで5時間しか寝れてねえ。
俺は一日12時間は寝たいんだよ!!!
そんなわけでこれ。
家に帰ってそうそうだが、説明しよう!
このヘルメットみたいなものは「HARRY」というVR専用のゲーム機だ。
そして今回するゲームが「shooting star online(シューティング スター オンライン)」。通称『SSO』
このゲーム、他とは一味違うのだよ!
普通は現実の1時間はゲーム世界で2時間とかだ。
でも、これは現実の1時間がゲーム世界で1日!
つま~り!?3時間あれば3日間ずっと寝ていられるっつーことだ!!!
フハハハハハハハハハハ!
何というものを作ったのだ!?褒めてつかわす!
つか、誕プレってことで送ってきた兄様よ!流石だ!よく俺の性格を知っている!
ん?言い方?ああ、父様、母様、兄様だけど?
小さい時から呼んでんだ。そうそう変えれるわきゃねえだろ?
あと、すっげー親バカ・ブラコンだからさ、親父・お袋・兄貴なんて言ってみろ。泣いて「グレないでええええええ!?」って縋りつくぞ。
あ、プレゼント送ってきた兄様っつーのは俺の兄で暁財閥の御曹司、暁 祝詞だ。
かっこいいし優しいんだ…………ブラコンだけど。ブラコンだけど。
…………まあ、この話は置いといて。
グへへへへへへへへへへ、これで夢の一週間連続寝ができる!
たぶん今、すっげー顔してると思う。
もう、ゴブリンよりも醜い顔してる自信ある。
それくらい、めっちゃ頬が緩んでると思う。
ところで、どうやって遊ぶんだ?これ?
兄様に尋ねてみっか。
電話しよっと。
ピポパピポ プルルルプルル『もしもし!?神楽!?』
「もしもし?兄様?ゲームありがとう。どうやって遊ぶんだ?これ?」
『ああ、そのことか。えっと、まず――――――』
『―――――――――――――――――で、終わりだよ。』
「ん、サンキュー。」
『いや、いいんだよ。愛しい愛しい最愛の弟の頼みだ。これくらい大したことないさ。』
「そうか。じゃあまたな。あ、兄様もやんのか?このゲーム。」
『うん?うん。するよ。あ、キャラネームは「いろは」ね。』
「ああ、いろは祝詞からとったのか。」
『うん。神楽は?』
「俺?そうだな。」
考えんの面倒だな……。あ~、神楽神楽…。
「神楽月にするよ。」
『ふふ、神楽にぴったりだよ。あ、キャラメイキングはもうすぐにでもした方がいいよ。明日10時からスタートだから。』
「分かった。」
テキトーでいいか。どうせ寝るだけだし。
あ、でも寝やすい方がいいよな。だとすると、テキトーじゃダメか。
ゴリゴリのマッチョでなんて寝たくないし。
逆にブヨンブヨンのデブで寝るのも嫌だし。
『それじゃあね。』
「おう、じゃあ。」プツッ
ふう。で、キャラメイキングだっけ?すぐした方がいいって言ってたのは。
ヘルメットもとい「HARRY」をかぶって、スイッチオン!
…………。あれ?んー?……あ、『起動キー』を言うの忘れてた。
「ライフリンクオン!」
面白ければ幸いです。