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100話 シン国騒動編〜終〜

 翌朝、日の出とほぼ同時刻に私は起床した。

 丸一日ぶりの睡眠は予想以上に効果があったようで、翌朝には炎の巨人との戦闘で消耗した体力と魔力を十全に回復させることが出来た。

 眠る前にリアに治癒魔術(ヒーリング)を掛けて貰っていたのもあるだろう。疲労は一切残っていない。

 目が覚めたので起き上がって身体を伸ばしたかったのだが、左右を囲んで眠る彼女たちに枕代わりにされていたり抱きつかれていたりして身動きが取れなかった。

 左側にはパトラが腕を枕にして抱きついて眠っている。その隣にはクルルがパトラを包み込むように抱きしめて眠っていた。

 右側にはリアが腕を枕にして眠っている。少し下の方ではココノハが腹を枕にして眠っていた。


 昨夜のパトラの要望によってそのままパトラの部屋で眠ったが、彼女は「まだやることがある」と言っていたのが気になった。

 私たちがいるので危険なことはさせないが、聞いても教えてくれなかったので何かをやらかそうとしているように思う。

 おそらく今日中には避難していた者たちも戻って来るだろうから、パトラの用件は今日のうちに済むのではないだろうか。

 何をするにしても、終わった後は一度イレネース邸に戻らなければいけないのでそこまでの移動方法を考えておくべきだろう。


「……パトラもいることだ、安全も兼ねて転移にしておくか」


 一日一度の制限魔術をこんな近距離の移動に使うのはどうかと思うが、追跡されないこと、何処に行ったか相手には分からないこと、何より万一の時の安全性を考えるとこれが一番か。

 空を飛んでいってうっかり落ちました。追跡されてました。なんて事態が起きたら洒落にならない。

 他にも向こうでクロースとスパロウマンと合流した後の行動も考えなければいけないが、こちらは直前まで後回しにしても良いだろう。


 そんなことを考えていると、クルル、ココノハ、リア、と順に目を覚ました彼女たちは、朝の挨拶(リアだけは頬への口づけもあった)をしてから起き上がり、顔を洗いに洗面台まで歩いていく。

 残るはパトラだけだが……彼女はまだ起きそうにない。寝る子は育つと言うし、もう少し寝かせておこう。

 手慰みに空いた右手でパトラの髪を梳いていると、身支度を整えた三人が戻ってきた。


「そうしていると、まるで仲の良い親子みたいですね」


「たしかに、父親のことが大好きな娘と娘が大切な父親のように見えますわね」


「……」


「……」


 ココノハとリアがそう評するが、私はクルルと共に黙りこくった。その様子を見て疑問符を浮かべるココノハとリア。


「あれ、どうして二人とも黙っちゃうんですか?」


 不思議そうに尋ねるココノハに、クルルは若干気まずそうに答える。


「実は昔、色々あったんです…にゃ」


 遠い目をするクルルを見て、追求しようか考えたココノハだったが、クルルのあまり話したくなさそうな雰囲気を感じて「そうなんですか」と流すことにした。


「そんなことより、そろそろパトラを起こしませんか? もう少ししたらシン国の人が戻ってきちゃいますよ」


「というより、もう来てますわね」


 窓の外を見つめていたリアが若干目を細める。

 クルルが窓から外を覗くと、もう王宮の周りまで兵たちが集まっていた。


「あまり数は多くありませんにゃ。……主、どうしますか…にゃ?」


「まずはパトラを起こそう」


 クルルにそう返すと、パトラの肩を優しく揺らす。


「パトラ、起きなさい。もう朝になっている、今日はやることがあるんだろう?」


「う……ぅんん……ねむい……」


 パトラは寝惚けながらもゆっくりと身体を起こし、こちらに抱きついてきた。


「おはようの……ちゅー」


 手探りで顔を探し当てると、そのまま唇を押し付けてくるパトラ。

 以前よりも随分と甘えてくるようになったものだと思っていると、唇を離したパトラが「にへ〜」とだらしない表情で寄りかかってくる。


「おはようパトラ。今日は甘えん坊さんだな?」


「おはよーホシミ! 今日だけじゃないよ? パトラはホシミに貰われたんだもん。だから毎日ちゅーするの!」


 猫のようにじゃれつくパトラ。口づけは彼女にとっての愛情表現のようで、これから毎日すると宣言されてしまった。

 少し困った様子でパトラを撫でていると、呆れた表情をしたクルルが側までやってくる。


「パトラ、おはようございます…にゃ。顔を洗いに行きますよ、その後はお着替えしますからね」


「おはよークルルおねーさん! 今からするね!」


 パトラはクルルに手を引かれて洗面台まで歩いていく。

 その姿を見送ったココノハとリアが羨ましいと言わんばかりに迫ってきた。


「ホシミさん」

「ホシミ様」


「どうした? 二人とも」


「わたしも毎日口づけしてくれますよね?」

「わたくしも毎日口づけしたいですわ」


 ある程度予想出来てはいたが、実際に言われるとどう返せばいいのやら。

 どうせダメと言っても聞かないだろうし、減るものでもないので素直に頷いておく。


「二人がしたいと言うことを拒否する理由は無い。口づけをするんだろう、おいで、二人とも」


 そう言うと嬉しそうにやってくるココノハとリア。ベッドに上ってきた二人と交互に口づけを交わす。

 パトラの支度が終わり戻ってきたクルルが声をかけてくれるまで二人は飽きずに口づけを繰り返すのだった。



 十五分ほど経つと王宮内がドタバタと騒がしくなってきた。兵士たちが中に入ってきたのだろう。

 今、私たちは扉を見据えながらベッドの端に座っていた。

 左側からクルル、私、リア、ココノハの順で座り、パトラは私の上に抱きかかえられながら座っている。

 取り留めのない話をしながら待っていると、パトラの部屋に向けてぞろぞろと大人数がやってくる気配と足音が聞こえてきた。


「ようやく来たな」


「うん」


 パトラに話しかけると頷きながら答えてくれる。抱きかかえているので表情は見えないが、声や身体からは特に緊張の強張りを感じなかったので落ち着いているのだろう。

 まだ幼いのに大したものだと思っていると、兵士の一団が扉の前に到着したようだった。


 一応申し訳程度のノックがされてから、扉が大きく開け放たれる。

 女性の部屋に入るのに一声すら掛けないのは礼儀としてどうかと思うが、彼等に言ったところで詮無いことだ。

 武装した兵士たちが、こちらを見て驚愕の表情を浮かべる。少しざわついているのは驚きのあまり声が漏れてしまったからだろうか。

 そして、兵士たちに囲まれて少し後ろには、此度の目的の人物がいた。


「囲めっ!」


「はっ!」


 兵士たちに指示を出し、私たちを囲ませてから兵士に守られるように姿を現わす人物。

 それはシン国に残った唯一の権力者であるドルー・ドコロタであった。

 囲まれてなお焦る様子のない私たちに苛立った表情を見せるが、それを一瞬で取り繕うと高圧的に話しかけてきた。


「貴様が炎の巨人を打ち倒した魔術師だな」


 他の者には一切目もくれずに私だけを見てそう言うドコロタ。

 付き合ってやる義理などないが、ここは適当に相手をしてやるとしよう。


「そうだ、と言ったら?」


「どうだ、この国で働かないか? 貴様の力は強大だ。私ならその力に見合った地位も名誉も金も女も戦場も与えてやれる。悪くない提案だろう」


 ドコロタが異種族に興味を持たないどころか嫌悪を抱いていることは全員に共有している情報なので、ココノハもリアも余計なことは言わない。どうせ面倒なことになると分かりきっているからだ。

 そんなことには気付かずに、相変わらず高圧的に言葉を続けてくるドコロタ。


「しかもどうやら貴様は既にこの国の王女にも好かれている様子だ。貴様が望むなら王女だって貴様を受け入れるだろう。さあ、答えを聞かせてくれ」


 まるで私がその提案を受けて当然とでも言うような発言に対して呆れてくるが、私の答えは最初から決まっている。

 そんなことよりも、パトラのやることが残っているのだ。


「パトラ。君の答えを聞かせてくれ」


「うん。おはなしのないようはむずかしかったけど、パトラのことを何も考えてくれていないってことはわかったよ」


 パトラの小さな声は、何故かこの場にいる全員にはっきりと聞こえた。

 兵士たちは息をのみ、ドコロタは訝しげな表情でパトラを一瞥する。

 息を吸ったパトラは、見えていない双眸で睨みつけるように正面を見据えるのだった。


「パトラは……パトラ・デア・レイス・シンは! シンを捨て彼と共に生きる!! シンはわたしを必要としていない! わたしは、お前たちの操り人形じゃない!!!」


 大声を張り上げてそう言い切るパトラ。かつて見たことのないパトラの姿に怯む彼等に向けて、初めて怒りの篭った視線をぶつける。


「わたしはおとーさまとおかーさまの代わりなんかじゃない! 道具じゃない! おとーさまとおかーさまが死んじゃったのに悲しそうにすらしない人たちなんかと、一緒になんていたくない!!! 置き去りにしていったくせに、わたしを必要とするなバカ!!」


 パトラの心の叫びに声を失う兵士たち。

 だが、やはりこの男だけは違った。


「言いたいことはそれだけか小娘」


 冷たく切り捨てるような言葉に、一瞬パトラの身体が震える。だから何も心配はいらないと伝えるように抱きかかえる腕に力を込めると、安心したように腕を握ってきた。


「そうだよ。これがパトラの……王女としての最後のおしごと。パトラのことはパトラのもの。だからパトラの道はパトラが決めるの」


「よく言ったパトラ」


 ドコロタが口を開く前にパトラの後押しをするように言葉をかける。

 するとパトラはこちらに振り返って笑みを浮かべてくれた。

 労をねぎらうようにパトラの頭を撫でながら、更に言葉を続ける。


「彼女は己の道を己で決めた。もう国の為だなんだで彼女を縛ることは出来ない。それに、だ。パトラは、両親を殺したのがお前だと気付いているぞ? ドルー・ドコロタ」


「な、に?」


 思いもよらない言葉に固まるドコロタを無視して、追い詰めるようにどんどん真実を告げていく。


「言葉の通りだ。更に付け加えるなら、私はより正確な両陛下の死因を知っている。彼等は毒殺だ。そこまでは既に公表されているが……、その毒を盛ったのはお前だ」


 ドコロタを指差して断言し、呆然としている兵士に声をかける。


「お前たちの誰でもいい。こいつの執務室を調べてみろ。両陛下から検出された毒物とまったく同じ物を所持している」


「貴様っデタラメを!! おい、兵士ども! 奴等を殺せ!!」


 激昂し兵士に向けて命令するが、困惑している兵士たちは誰一人動かない。

 やがて数人の兵士が扉から出ていき戻ってくるまで彼等は動かなかった。


「何故だ! 私の───俺の言うことを聞け! 何の為の兵士だ貴様らは!! こんな異種族を連れた怪しい男の言葉を間に受けるのか!?」


「……それは、彼の言葉の真偽を確かめてからです」


 黒い鎧の一人の兵士がドコロタに向けてそう言い切った。ホシミたちは知るよしもないが、彼は第一師団の、エリック・ザントマーの副官である。

 ザントマーから、「ドコロタは信用出来ない」という言葉をよく聞かされていた彼は、この土壇場でドルー・ドコロタという人物は本当に信頼に足る人物なのかと見極めようとした。

 この場から出て行ったのは第一師団の彼の部下である。


「ええい、役立たずめっ!!」


 ドコロタは近くの兵から剣を奪い取り、パトラと私に向けて剣を振り下ろそうとする。


「死ねええええぇぇぇぇぇ!!!!」


「死にませんわよ」


 ドコロタの声に被せるように今まで黙っていたリアが声を発すると、室温がぐっと下がり、ドコロタの剣は凍り付き、足は床に張り付き止められる。


「あ、足が動かん!?」


「うわぁ流石リアさん」


 ココノハが感嘆の声を上げるほど鮮やかな手並みだった。一瞬でリアがドコロタの足裏を凍らせて床に縫い付けた挙句、武器まで凍らせたのだ。

 凍り付いた剣は勝手にひび割れ砕け散り、足を動かすことの出来ないドコロタだけが残った。

 剣を振り下ろす姿勢だった為、急に止められたことで体勢を崩したドコロタは床に手をついてしまうが、リアは追い討ちをかけなかった。


「ふふっ、無様ですわね」


「貴様っ、貴様あっ!! 殺す、嬲り殺してやる!!」


「まあ、品がありませんこと」


 リアの煽りにわめくドコロタを無視していると、先程出て行った兵士たちが戻ってきたようだ。


「副官殿! ドコロタ様の部屋を調べましたら、このような物が……!」


 それはいかにも毒ですと言わんばかりの色をした液体だった。

 副官はそれを受け取ると、武器を置いてから私の所へ持ってくる。


「厳重に保管しておいた筈、いったい何故!?」


「それなら、ここが無人だった時に見つけたので机の上に置いておいたんです…にゃ」


 ドコロタに答えるクルルは無表情で、視線は一切ドコロタに向いていない。だがおそらく、確信犯だろう。


「貴方の仰る通り、毒物が発見されました。直ぐに医師にこの毒が陛下の身を蝕んでいたものか調べさせますが……」


「確認と書類上の手続きとやらで必要なのだろう? だがそれで間違いないとだけは言っておこう」


「左様ですか」


 そう言って下がった副官は、「容疑者を捕らえよ」と部下に指示を出す。

 兵士たちに取り押さえられたドコロタは、暴言を吐きまくる口を猿轡で固定され何処かへと運ばれていくのだった。


「で、お前たちはどうするつもりだ? やるならば相手になるが」


 未だ武器を抜いたままの兵士たちを一瞥しながらそう言うと、直ぐに武器を置いて膝をつく。


「王女殿下に剣を向けた無礼をお許しください!!」


 一人がそう言うと、他の兵士たちも「お許しください」と続く。

 どうしたものかと思っていると、パトラが私の足から降り立った。


「パトラはもう王女じゃないよ。だけど、そうだなぁ。それじゃ、さいごのおねがい。この国を、さべつのない国にしていってください。へいわで、せかいでいちばん幸せな国だって、じまんできるような国にしてください。おねがいします」


「はっ、王女殿下の最後の願い、我ら兵士一同、粉骨砕身の覚悟を持って叶えてご覧にいれましょう!!」


 兵士たちは皆一様に頭を下げ、ある者は涙を流しながらパトラの言葉に頷いた。

 こうして、ドルー・ドコロタは捕らえられ、兵士たちはパトラへの忠誠を示すという思わぬ形でシン国での一連の騒動は幕を閉じるのだった。






 その日の午後。

 イレネース邸でクロースとスパロウマンに事の顛末を話し終えた私は、スパロウマンに今後どうするか尋ねていた。


「お前はどうするんだ?」


「そうだなぁ。実は生きてましたって今更ノコノコ出ていくのはちょっとなぁ。でも、俺にも守らなきゃいけない人が出来ちまったし……」


 そう言ったスパロウマンの視線の先には、一人の獣人(ビースト)の女性が居た。街から逃げる時に助けたら惚れられたらしい。既に何度も抱いたという要らない情報まで教えてくれた。

 スパロウマンの視線に気付いた女性は尻尾を振りながら手を振ると、スパロウマンも手を振り返す。


「随分と好かれているじゃないか」


「セイゲンさんには負けるけどな。なんだよあの龍人(ドラゴニュート)の娘。美人で背が小さいのに胸がでかくて、あんなの卑怯だろ」


 卑怯も何も、リアの持って生まれた容姿なのだからそんなことを言っても仕方ないだろうに。


「でもまぁ、そうだな。王女さんが差別のない国にしてくれってお願いしたみたいだし、もう一度あの国で真面目に兵士やってもいいかもしれないな」


「そうか」


 最初の想定とは大きく外れてしまったが、こんな終わりもあるだろう。

 シンが新たに生まれ変わることが出来るかは人々に委ねられることになるが、パトラの言葉を聞いた多くの兵士たちが何とかしてくれるに違いない。

 あの副官とやらに、ちょっとした秘策も授けたことだしな。


「落ち着くまではこちらにいるつもりだが、一週間もしないうちに私たちは消えるだろう。何の変哲もない言葉で悪いが、後は頑張れ」


「おうよ。折角あんたたちがこの国の腐敗を取り除いてくれたんだ。立て直すのは俺らの役目ってな。いやしかし、最初はこの国の連中を皆殺しにするとか言ってた人がまさか後は頑張れなんて言ってくれるとは思わなかったぜ」


「だろうな。私もまさかこうなるとは思っていなかったよ。最初は冗談抜きで民ごとこの国を滅ぼそうとしていたからな」


「笑顔でそういうおっかないこと言うのはやめてくれよ……」


 顔を引攣らせるスパロウマンに苦笑しながらクロースに目を向けた。


「クロース、君はココノハたちの所へ行っておいで。今後一緒に住むことになるんだ、今のうちに親交を深めておいた方がいい」


「はい、ではお言葉に甘えさせていただきますね」


 深くは聞かず、直ぐに立ち上がり一礼してから離れていくクロース。その背を見送ってから声を潜める。


「で、スパロウマン。お前はすんなりいくと思うか?」


 何をとは言わない。そこはお互い理解し合っている。今から話すのは人にはあまり聞かれたくないことだ。


「無理だろうな。今まで奴隷やら何やらで甘い汁を吸ってた奴等が一番最初に反抗すると思うぜ。セイゲンさんも同じ見立てだろ?」


「ああ。後は平気で異種族を虐げていた者たちもだな。面倒なことを押し付けて済まないが……」


「良いってことよ。そもそも、俺はとっくに死んでた人間だ。今更この程度、どうって事はないってな。クロースちゃんの手前、兵士になるのも悪かないと言ったが、俺がやるのは実際はただの始末屋だもんな。あの国が良くなる為に、不穏な輩を陰から殺す。その副官とやらとは一度打ち合わせしとかなきゃならんだろうけど、まあ必要な仕事だしな」


 スパロウマンは立ち上がる。これでこの話は終わりだ。

 懐から小さな袋を取り出してスパロウマンに放り投げると、片手で受け取ったスパロウマンは中身を見て驚愕した。


「おいおい、これって……」


「あの娘と暮らすのに新居は必要だろう? つまらん礼だが受け取っておけ」


「これがつまらんってあんた金銭感覚ぶっ飛んでるからな!?」


 スパロウマンは袋の中身───多種多様な宝石類を見て驚き叫ぶ。

 魔術で創造した物なので本当に大したものではないのだが、素直にそれを伝えるのも癪だ。


「今後の仕事への報酬も兼ねているということで納得しておけ。私はそれだけの価値があると判断したに過ぎん」


「そ、そうかい……」


 だから少し煽てさせてもらおう。パトラの望んだ国の為に精々頑張ってくれよ。ウェリントン・スパロウマン。


次話からは少し後日談的なやつを挟んでからホシミ過去編にいきます

シン国編並みに長くなる予感しかしなくて戦慄してまする…

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