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01話.大陸アルーファ

昔々、大陸アルーファはとても平和でした。

そんな平和な大陸アルーファで、人々はのどかに暮らしておりました。

ある者は、大自然の恵みを育て、その恩恵を受け、家族と幸せなひと時を。

またある者は、己の欲望のまま、民を纏める権力を手にし、領地を統べる。

そしてまたある者は…


だが、そんな平和なアルーファ大陸でしたが、ある時を境に、大魔女の魔法によって、平和は混沌へと歪められたのです。

平原には突如、この世のモノとは思えぬ魔物が、我が物顔で歩き回る様になりました。

魔物は、人間を襲う事に喜びを感じ、人々を襲いました。

また、人々が開拓し、貴金属の採掘を行っていた洞窟は、魔物に支配されるダンジョンと化し、採掘を行う事が出来なくなり、貴金属の入手が困難となりました。

川や湖や海といった、水中にも、煌びやかな鱗を纏った美しい魔物が住み着き、その姿に魅了された人々は、世界から姿を消して逝きました。

このままでは、人々はやがて魔物に滅ぼされてしまうだろう…。

そう誰もが思ったとき、皆の想いに天が応えたのです。

天が裂け、そこから虹色の光が降り注ぎ、その幻想的な光景は、人々だけでなく、魔物たちの心へも影響を及ぼしたのです。

そうして、人々は魔物に滅ぼされる運命から、逃れることが出来たのです。

魔物は、今まで自由に徘徊していたのが、自分たちのテリトリーでの活動のみしか、許されなくなったのです。

そして、人々は時と心を奪われ、毎日を同じに過ごすことになりました。

果たしてそれは、人々にとって良かったのか、最早その事を告げる者はもう…。




ここは、大陸アルーファ。

魔物が出現してから、もう何年…いや、何百年何千年と、時が経ったのだろうか。

虹色の天災以降、魔物たちは其々の領土内での生活をし、人々の村を襲うことは無くなった。

まるで、誰かに操られているのか、そもそも人々の様に、己の欲望にまみれて行動を行わないのか。


初めの頃は、よく勇者が訪れた大陸アルーファだったが、誰もが皆、魔物たちに敗れたのだ。

王都ルエラに、現れた勇者たちは、王に謁見し、先ずは勇者の剣を取りに行かされるのです。

最初はその褒美を欲しさに、意気揚々と王都から出て行く勇者たちでしたが、帰ってきた者は誰もいませんでした。

皆、王都ルエラを出るなり、魔物たちか嬉々として勇者を狩るのです。

テリトリー内では、いくらでも人々を狙える事で、魔物たちはやってくる勇者を、我先にと倒しにかかるのです。

そうして、いつの間にか大陸アルーファへは、勇者たちもやってこなくなり、人々の時は止まっているままなのです。

正確には、時は動いてはいるのです。

動いてはいるのだが、そこには自分たちの意思はなく、ただ毎日を同じ様に繰り返し過ごすだけ。

毎日同じ時間に起きて、毎日同じ時間に食事をとり、毎回同じ言葉しか喋らない。

いや、喋れないのだ。


虹色の天災以降、魔物たちは大人しくなったが、それは人々にも影響を及ぼした。

自分の自由な意思を奪われてしまったのですから…。

魔物たちはテリトリー内のみの活動となった様に人々は同じことを繰り返す様になってしまいました。

勇者たちが声を掛けてきても、返答は毎回同じ。

何を話しかけても同じ返ししかされない事に、怒りを覚える勇者もおりましたが、王都ルエラを出てからは、その姿を見たものはいませんでした。


果たしてこの世界の人々に、心はあるのでしょうか…。

宜しくお願いします!

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