D組
巧が蓮實高校に入学してから
一週間が経った。
一学年は、1クラス35人で
全7クラス、計245人だ。
巧は着々と頂点を獲る為の準備を
進めていた。
この2日間で3人が巧の下に付いた。
B組の永瀬知広、E組の斎藤浩太と
同じくE組の荒木真だ。
全員、喧嘩を仕掛けて来たところを返り討ちにして仲間にした。
「巧〜!G組の逢沢ってのがG組
まとめちったぞー!」
そう言いながら走って巧に近づくのは永瀬だ。
「逢沢?そいつ強えのか?」と巧
「知るか!それより、お前も早くD組まとめろよ!」
巧は、D組だった。
「まとめるとかそーゆーのわかんねぇよ」
「自分が強いって事を見せつけんだよ」
「どうやってだよ」
「馬鹿か!D組の強え奴シメればいーだろーが!」
「そーだな!それだよ!よし行くかぁ!」と巧。
「おーし!俺もB組まとめちまおうかなー?」と永瀬。
「お前じゃムリだろ」と巧。
一年生の教室は、校舎棟の1階にある。
ガララッ!
巧は教室のドアを勢い良く開けた。
「うぃーす!根橋でーす!一年間夜露死苦!」
(´・_・`)
☝みんなこんな顔になった。
「えーっと、このクラスは俺が
仕切っから夜露死苦ー!」
さっきまでアホな顔をしていた
クラスの奴らは、この言葉を聞いた瞬間、一気に敵対心をむき出した。
「あぁ?なんだてめぇ?」
「どこ中出身だコラ!」
「調子こいてんじゃねぇぞ!」
こんな罵声が飛び交う。
巧は大きく息を吸い、次の瞬間
「うるせぇぞてめぇら!!!!
文句あるならかかってこいや
ボケ!!」と憤怒の形相で怒鳴った。
その途端、罵声は止んだ。が、
突如、教室の後方から拍手が。
パチパチパチパチパチパチ!
「いやー、素晴らしい!
素晴らしいねー!
入学式の次の日にいきなりクラスをモノにしようとするなんてねー
おもしれぇ奴だなー」
クラスの連中はそいつに注目した。
「俺は三中出身の城内和哉だ」
三中と言えば、この辺では最高の
不良中学だ。
「ふざけんじゃねぇぞ、テメェ、このクラスは俺のもんだ。
いや、このクラスだけじゃねぇ。この学年、この学校、この街を制覇する男だ、俺は」と城内。
「そうか 、ならタイマン張るしかねぇなあ?
おい城内、テメェ表出ろ」
「上等だコラ!」
二人は、外に出た。
永瀬や、斎藤、荒木、その他のD組の面々も
2人の喧嘩を見る為に外に出ていた。
「よっしゃあいくぜ!」と城内。
「来いや!」と巧。
城内が獲物に襲いかかる猛獣の様に巧に殴りかかる。
巧はタイミングを合わせて城内の脇腹に蹴りを入れた。
しかし城内は巧の足を掴むと右手で巧の顔面を殴った。
巧は右足を掴まれたまま、左足で城内の顔面を横から蹴りつけた。
城内が横に吹っ飛び、巧の足から手が離れた。
巧はすかさず馬乗りになろうしたが、城内は素早く起き上がり、
同時に巧の襟を掴んで投げた。
投げられた巧は地面に後頭部を打ち付けた。今度は城内がすかさず馬乗りになった。
城内が巧を殴る。
巧はとりあえず頭をガードした。
数分間殴られ続け、城内は巧の上から降りた。
巧は立ち上がった。体が重い。
予想以上にダメージが足に来ている。
唇が切れてるのが分かった。
巧は城内の顔面を思い切り殴った。城内がひるむ。
巧はさらに殴った。
城内が顔面をガードしたので、
巧はボディに拳を叩き込んだ。
もう一発殴る。
城内がよろけた。すかさず城内の顔面に蹴りを入れた。
城内が倒れる。
立ち上がろうとしている城内の顔面を再び巧が蹴った。
城内は鼻血を出しながら立ちあがる。
「うぁぁぁーー!!」城内が吠えた。
城内が巧の顔面を殴った。
巧が殴り返す。
城内が倒れる。
城内は気合で立ちあがったが、
そこで力尽きて倒れた。
勝った。
「ふっ・・・」
巧はボロボロの顔で笑い、城内を起こした。
城内は意識が朦朧としていた。
その日から、城内は巧の仲間になり、同時に1-Dのアタマも巧になった。