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神界転生  作者: テープ
3/9

第3話 しゃもじ侍、爆誕

神界に来て数日。


市川真は、ゼウスのもとで“神器”の扱いを教わっていた。


だが――


真「いや無理だろこれ!!」


ドゴォン!!


放った攻撃は明後日の方向へ吹き飛び、神殿の壁に激突する。


ゼウス「センスはあるが、制御が雑すぎじゃな」


真「感覚でやれって言ったのそっちだろ!?」


うまく扱えない。

力はあるのに、使いこなせない。


真(……俺、ほんとにやっていけんのか?)


その時だった。

空に黒く破片が飛び散る。


――ズガァァァァァン!!!


空が裂けた。


黒い雷と共に、巨大な影が神界へと降り立つ。


「ぐわははははッ!!天界どもォ!!ぬるすぎんだよォ!!」


現れたのは、黒い翼を持つ異形の存在。


試験用の雑魚ではない。

“本物の敵”。


堕天兵――カイロス。



◆ 圧倒的な力


神界兵たちが応戦する。


だが――


ドゴォッ!!


一撃で吹き飛ばされる。


「うわああああ!!」


「くっ……強すぎる……!」


真(嘘だろ……レベルが違いすぎる……!)


ゼウスは動かない。


ただ、静かに見ている。


真「おいゼウス!!なんで助けねぇんだよ!!」


ゼウス「……見ておれ」


真「は!?」


その一言で、真は戦場の中心に取り残された。



◆ 逃げるか、戦うか


カイロスの視線が、真を捉える。


「ほぉ……雑魚が一匹、残ってるじゃねぇか」


真「っ……!」


足が震える。


逃げたい。

でも――


真(ここで逃げたら……一生モブだろ……!)


拳を握る。


真「……やってやるよ」


カイロス「ははッ!!いいねぇ!!」


突っ込んでくる。


ドンッ!!


一瞬で吹き飛ばされる真。


真「がっ……!」


地面に叩きつけられ、息が詰まる。


何もできない。


真(くそっ……強すぎる……!)


カイロス「終わりだ」


振り下ろされる一撃。


その時――


視界の端に、転がる“それ”が映る。


――しゃもじ。


真「……は?」


なんでこんなもんがあるんだよ。


でも――


……これしかねぇ



◆ 神器真型


ギュッと握る。


ドクン――


何かが“繋がる”感覚。


キィィィィン!!


しゃもじが、黄金に輝く。


形が歪み、伸び、鋭く変わる。


刀。


いや――それ以上の何か。


真「……いける」


立ち上がる。


カイロス「は?それで戦う気か?」


真「うるせぇ」


一歩踏み出す。


真「――神器真型」


空気が震える。


真「しゃもじ刀・一閃」



◆ 一瞬の決着


ズバァッ――!!


光が走る。


一瞬。


本当に一瞬で。


カイロスの身体が、静かにズレた。


「……なに……?」


次の瞬間。


ドサッ――


真っ二つに崩れ落ちる。


静寂。



◆ ざわめき


「……は?」


「今の……なんだ?」


「しゃもじ……だよな?」


神界がざわつく。


そして――


「おおおおおおお!!!」


歓声が爆発する。


「やべぇ!!あいつ何者だ!!」

「しゃもじで斬ったぞ!?」

「意味わかんねぇ!!」


誰かが叫んだ。


「しゃもじ侍だあああああ!!」


真「……は?」


「しゃもじ侍!!」

「しゃもじ侍!!」


コールが広がる。


真「ちょっ……待て待て待て!!」


顔が一気に赤くなる。


真「ダサすぎだろその名前!!やめろって!!」


だが止まらない。


「しゃもじ侍!!」

「救世主だ!!」


真「誰が救世主だ!!俺はただの一般人だぞ!!」



◆ ゼウスの一言


その様子を見ていたゼウスが、小さく笑う。


ゼウス「……やはり、面白いのう」


真はしゃもじ――いや刀を見つめる。


真(……俺、やれたのか?)


まだ震えている手。


でも確かに、“敵を倒した”感覚が残っていた。



◆ ラスト


その頃――


神界の上空。


黒い雲の奥で、何者かが呟く。


「……見つけた」


「“創神型”……そして“黒き鍵の兆し”」


不気味な笑みが浮かぶ。


「面白い。遊んでやろう」



その日――


神界に、新たな“異物”が誕生した。


名は――


しゃもじ侍。


本人の意思とは関係なく。

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