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傲慢薬剤師の好奇心  作者: 駄々 駄駄々
第一章 様々な出会い
9/25

第十話 いろいろ終わって


「ギャハハハハハハ!実験成ッ功ッ!」


 俺が高笑いをして決めセリフを言った次の瞬間、この空間にヒビが入ってきているのが見えた。ヒビは瞬く間に広がっていった。


「あァ?なんだァ?」


 そしてこのヒビがこの空間全域に広がった瞬間、パリンっという音が響いた。どうやらこの空間が完全に崩壊したみたいだ、そして崩壊した次の瞬間視界が真っ暗になった。


<君は生きる、君は死なせない>


〜〜〜


「…………て……」


 なんだァ?なんか声がするなァ、でも真っ暗でなにも見えねェ、


「…………き………て……お…き…て…!


 ん?起きて?今俺の視界が真っ暗なのは寝ているせいなのかァ?まぁ寝てる時は中々気づかねェから仕方ねェよなァ(?)、そして俺は目を開けた。開けた瞬間誰かが急に抱きついてきた、


「ヤクサ!生きててよかった!」


「ウグッ……ま、待て、餅つけ(落ち着け)、首がァ…」


 抱きしめる力が地味に強くて俺の首が閉まっている、やっぱりテーちゃん地味に力強くねェかァ、てかまずい、このままじゃ窒息死しちまう、


「テービン落ち着け、お前お客さ…いやヤクサ君の首絞めちまってるぞ」 


「あ!ごめん、ちょっと力強すぎちゃったよ」


 テーちゃんの他にもビルガンさんがいた。てかこれビルガンさんがいなかったら俺窒息死してなかったかァ?


「ここはァ、ベッドの上だなァ」


 あの空間が完全に崩壊した瞬間俺は気絶しちまってたみたいだなァ、気絶しちまうとは我ながら情けねェなァ、とりあえず聞きたいことを話すとするかァ。


「俺はどのくらい眠ってたんだァ?」


「えーっとね、3日くらいかな?」


「3日かァ、どおりで腹が空いてるわけだァ、あー後誰が俺をここまで運んでくれたんだァ?」


「えーっとな、確かテービンが森の中でヤクサ君が倒れているのを見かけて集落まで運んできてくれたんだ。そして近くにあったまだ壊れていないこの家のベットに君を寝かせたんだ」


「そうかァ、ありがとなァ、テーちゃん」


「い、いやいや、ヤクサ君はこの集落の英雄なんだから助けるなんて当然だよ」


 ここまで運んでくれたテーちゃんには感謝しかねェなァ、しかし俺が英雄かァ、なんか俺に英雄って称号は似合わねェ気がするなァ。


「英雄なんてよしてくれよォ、俺はただやりたいように実験しただけだァ」


「たとえヤクサ君がやりたいようにやっただけだとしても君はこの集落の危機を救ってくれたんだ。本当にありがとう」


「私からも本当にありがとう!」


 なんかこう真正面で感謝されると照れちまうなァ、本当に俺にとっては力試し(けん)実験だったんだがァ、まぁ感謝されて悪い気はしねェなァ。そして俺が照れているとテーちゃんが話しかけてきた。


「ねぇヤクサ君、私も質問していいかな?」


「あァ、いいぜェ」


「ずっと気になっていたんだけどなんで急に髪が灰色になったの?それに、なんだか声質も口調も変わってる気がするし」


「そのことかァ、まぁ答えは簡単だァ、この姿が本当の俺ってだけの話だァ」


 そう、俺は自分自身のことを見失っていた。自分の名前がヤクサであること、自分は最強の薬剤師であること、そして俺の歯がギザギザであることをだァ。まぁ思い出したのは自分が何者かってことだけで過去までは思い出すことができねェ。


「なるほど、今がヤクサ君の本当の姿なんだねぇ、私的にはこっちの方がタイプかも」


「誰もそんなことは聞いてないぞ」


 ビルガンさんの鋭いツッコミが入った。まぁとりあえず厄介ごとはもう終わったってことだなァ、記憶を取り戻す薬でも生成しようと思ったが、


「………ん?」


「どうしたの?ヤクサ君」


「いや、記憶が完全に戻る薬を生成しようと思ったが、なぜか無理だったんだァ」


「薬って、確かこの前私たちが危なかった時にもくれたよね、あの時は本当に助かったよ!」


 なんで薬が生成できないんだ?俺は基本的にどんな効果の薬でも作れるんだけどなァ、まだまだ俺も無知ってことだなァ、


「まぁこの前の戦闘で疲れも溜まっているだろうし、今はここで休んでくれ。俺は少し家の修復作業に行ってくる」


 そう言うとビルガンさんは家から出て行った。そしてビルガンさんが行った時テーちゃんが話しかけてきた。


「あ、そうだ、ヤクサ君に渡したいものがあったんだよ」


「ん?、これは」


 テーちゃんから貰ったのは手のひらサイズの鏡だった。これは、オムニの鏡だなァ、そういや避難所で置いてったままで完全に忘れてたぜェ。とりあえず呼んでみるかァ、てかなんで言えば出てくるんだったけなァ?とりあえずテーちゃんに聞いてみるとするかァ


「なぁテーちゃん、この鏡ってなんて言ったらオムニg……」


 俺が「オムニ」とこいつの名前を言った瞬間この鏡が少し光出した。おいおい待て待て、また視力下げる気かァ?とりあえず俺はテーちゃんの視力を守るために手でテーちゃんの視界を塞ぎながら目を瞑ろうとしたがテーちゃんの視界を塞いだ瞬間あの時と同じくらいの光が放たれた。


「なんだよクソがァァァァァァ!またかよォォォォ」


 俺はこの光のせいでまた視力が下がってしまった。マジでこの光どうにかできねェのかァ?そして目の不快感がなくなり前をみたとき案の定オムニが映し出されていた。


<こんにちは主君(セニョール)とテービン様、約三日間使用していませんでしたがなにかあったのでしょうか?>


「その前に呼んだ時光を出すのマジでやめてくれェ、視力が更に下がっちまうぜェ、」


<善処します…多分>


「多分ってなんだァ!?多分って!」


「アハハ!二人とも仲良しだね」


 まぁとりあえずテーちゃんが無事見たいでよかったぜェ、とりあえずこいつになにがあったか説明するとするかァ。こうして俺たちはこの三日間の間でなにがあったのか話した。俺たちが話し合った後オムニが数秒の沈黙の後ため息を吐いてこう言った。


<そのような大変なことがあったのなら私も頼ってくださいよ、私も力になれたはずです。私は今あなたの主君なのですから困ったことがあるのなら私がいくらでも手を貸します>


「あ、あァ、悪かったなァ」


「(こんなに真面目に話してるオムニちゃん初めて見たかも)」


 急に真面目にこんなこと言われるとビビっちまうなァ、まぁ確かにあの時の俺の判断はかなり愚かだったなァ、もしオムニに頼っていたら被害はもっと少なく解決できたもしれねェ


<あなたは魔法師(フェイチセイロ)の才能もなく、特に身体能力が高いわけでもない、それに加えて超能力(ソブレナチュラル)すら使えない人なのですから一人で解決しようなんてしないでください>


 なんかこいつ地味に酷ェこと言ってねェかァ?まぁあの時の俺は確かに文字通り無能だったが今は違う、少し俺の能力について説明するとしよう


「実はなァ、俺はとある能力を使えるんだよォ」


<主君も超能力が使えるようになったというわけですか?>


「まぁ、似たようなものだなァ。とりあえず説明するより見た方が早いだろうしこれを見ろォ」


 そう言って俺は回復薬を生成した。ほぼ表情が変わらないオムニも少し驚いた表情をしていてテーちゃんは感心しているように見えるなァ


「こんな感じに薬を生成する能力だァ、基本的に俺が想像した薬はなんでも作ることができる。まぁ効果とか調整したい時はァ脳内で配合しないといけねェから生成に時間かかるけどなァ」


<凄い能力ですね>


「驚くのはまだ早いぜェ?あいつと戦ってる時に分かったが俺は一度見た魔法(マジア)を薬で真似することができるんだァ、まぁ効果時間は40分しかねェけどなァ」


 この話をした時テーちゃんとオムニはぽかんとしていた。なんかこんな顔してるオムニは初めてみた感じするなァ、


「時間制限あるとはいえ見ただけで真似できるってとんでもないね、魔法教団の人が聞いたらビックリするだろうね」


「魔法教団…あァ、オムニを作った教団のことかァ」


<はい、私は魔法教団により作られました。しかし私は他の鏡とはかなり違うようなんです>


「違う?なにが違うんだァ?」


<まず、私には多少の感情があります。普通ならこのように指定されていないことを話したり本来の目的以外には使用することはできません。他にも私には超能力があります、しかも複数個です>


「えぇ!?超能力が複数個あるの!?」


 テーちゃんは驚いて急に立ち上がってこう言った。この反応を見るに普通なら超能力は一人一つしかないっぽいなァ


<はい、あります。物体浮遊(レヴィテイティン)以外はあまり見せるようなものではないですけどね>


「ちょっと気になるなぁ」


 あまり見せるようなものではないかァ、少し気になるが深追いはしない方がいいなァ。いろいろ話し終わった後テーちゃんがこう言った。


「そろそろ私は復旧作業手伝いに行こっかな、じゃまたね」


 そう言ってテーちゃんは颯爽と走って行ってしまった。やっぱり足速いなァ、やっぱりテーちゃん身体能力高いよなァ。さて、俺は今からどうしようかァ、とりあえずここでダラダラしても仕方ねェし一回宿に戻るとするかァ


「オムニ、一回鏡に戻ってくれェ」


<分かりました、主君>


 そう言ってオムニは鏡の中に消えていった。俺は鏡を持ってここから出た。外を見てみるとみんな家とかの復旧作業に勤しんでいた。なんか、これ見てると俺だけニートしてるみたいだなァ、俺も手伝おうと近くで家の復旧作業している人に話しかけた。


「なァあんた、なにか手伝おうかァ?」


「おぉ!我が集落の英雄様じゃないか!英雄様に手伝いをさせるなんてことできませんよ、あなたは今はゆっくりお休みください」


「あ、あァ、そうかァ」


 なんか思った以上に俺は感謝されているみたいだなァ、まぁ悪い気は無論しないが、なんかむず痒いなァ。てかやっぱここの人たちはみんなめちゃくちゃいい人ばっかだよなァ、この世界に来て初めて来たとこがこの街でマジでよかったぜェ。そして俺が宿に向けて歩いているととある人物と目が合った。


「あ、英雄様」


「ん?あァ君はあの時の少年かァ」


 避難所で俺が冤罪(多分)でテーちゃんを泣かせたってことになってたとき俺を怒っていた少年だなァ、えーっと、名前はなんで言ったんだっけなァ。ザーケル?ザーメル?ザーメ…危ねぇ危ねェ、規制が入っちまうとこだったぜェ。まぁとりあえず名前は思い出したぜェ


「確かザートン君だったよなァ?復帰作業手伝ってるのかァ、偉いなァ」


「ザールトだよッ!名前間違えないでよッ!」


「あ、あァ確かそうだったよなァ、すまねェ」


 ヤベェ、名前ミスっちまってたみたいだなァ、てか俺名前覚えるの苦手なんだよなァ。そしてザールト君が少しキレ気味でこう言った。


「集落を救ってくれたのは感謝してるけどテーちゃんを泣かせたのは許s……むぐぐ…」


「こらこら、英雄様にそんな失礼なこと言っちゃダメだよ、うちの子がごめんなさい英雄様」


 ザールト君が俺に文句を言おうとした瞬間この前避難所にもいたザールト君のお母さんが口を塞いだ。てかさっきから英雄様英雄様ってなんか気恥ずかしいなァ


「俺は英雄様じゃなくてヤクサって呼んでくれェ、英雄様なんて大層な名前俺には似合わねェ」


「そんなことないですよ、あなたはこの集落を救ってくださったのですから。感謝しても仕切れませんよ。ほら、あんたも頭下げてお礼を言いなさい」


「うっ、分かったよ、ありがとうございました、」


 二人は頭を下げながら俺に向かって礼をした。これ道行く人一人一人に頭下げられて感謝される感じだなァ、まぁさっきも言ったが嫌な気分じゃないけどよォ、


「まぁ、感謝は伝わったぜェ、あー後やっぱり俺のことはヤクサって呼んでくれ、他の人たちにも伝えてくれたら助かるぜェ、そんじゃ俺はそろそろ行くぜェ」


「はい、分かりました。お気をつけて」


 お気をつけでって、ただ宿に戻るだけなんだけどなァ、俺が去りながら後ろを見てみるとザールト君が少し不満そうな顔をしていた。そしてさっきの予想通り道中ですれ違ったり目を合わせたりした人にめちゃくちゃお礼された。それはもうマジでめちゃくちゃお礼された。本当に、本当に悪い気分じゃねェがァ……ここまでされると流石にめんどくせェ……


 てな訳で俺は途中から手を振るか笑顔を返したりしながら宿までの道中を進んだ。なんかちょっと感じ悪い気がするがァ、このペースじゃ帰る頃には日が暮れてそうだったから仕方ねェ。俺はこの方法で帰ったおかげで日は暮れずに宿に着くことができた。


「危ねェ、なんとか日が暮れずに済んだぜェ」


 俺は宿の中を見てみると本棚からかなり本が落ちていて散らかっていた。多分先の襲撃のせいだろう、めんどくさいが片付けるとするかァ、せっかくだしオムニにも手伝わせるかァ、俺は鏡を地面に置いた。


「オムニ、出てきてくれェ」


<呼びましたか?主君>


「え、早」


 光を全く放たずにマジで一瞬で出てきて俺は驚いた。まぁ、前に言った光は出すなって命令はちゃんと守ってくれてるみたいでよかったぜェ、あれ食らったら視力落ちちまうんだよなァ、現に俺もこの世界にきてから視力が体感二分の一くらいに落ちちまったァ。まぁ今はそんなことはどうでもいい


「なぁオムニ、ここの本散らかってるだろォ?だから片付けるの手伝ってくれェ」


<はい、分かりました>


 そう言ってオムニは床に置いてある本を次々と浮かせて本棚に戻していった。これ俺必要ないんじゃね?ってくらいのスピードだ。まぁ特にやることねェし手伝うかァ(手伝わせた人)。俺は本を片付けていだときとある本が目に入った。


「[面白いダジャレ集⑤]…あー、確かこんな本あったなァ、ちょっと読んでみるかァ」


 なにを血迷ったのか俺はこの本を読んでしまった。


「ギャハハハハハハ!なんだこれはァ、面白すぎんだろォ!」


 前まではクッソおもんない本だと思っていたのになぜかとんでもなく面白く感じた。こうやって俺が笑っているとオムニが不満そうに声をかけてきた。


<主君、あなたが手伝えと命令したのですからあなたもやってください…なにを読んでいるのですか?>


「あぁこれかァ?お前も読むかァ?」


<はい読みます(即答)>


 こうして俺たちは片付けるのをやめて家の中にあるダジャレ本を読み漁った。どれもこれもめちゃくちゃセンスがあって面白かった。前までおもんない本って思っていた自分を助走つけて蹴り飛ばしてやりたいなァ。


数時間後


「ヤクサくーんご飯でk」


「ギャハハハハハハハハハハ!」


<ンフフフフ、やはり面白いですね>


 俺たちはアホみたいにら笑っているせいでテーちゃんがいることに気づいていなかった。そして笑い終えた後に宿の入り口を見てみると少し引いてる目をしたテーちゃんが立っていた。


「その本でよくそんなに笑えるね…まぁ夕飯は残しとくし後から来てねー、」


 そう言ってテーちゃんは行ってしまった。あー、テーちゃんに引かれちまったなァ、しかも早く行かねェと美味しい夕食が冷めちまうなァ


「悪いなァオムニ、ダジャレ本はまた後で見ようぜ」


<フフフ、分かりました。私はもう少し読みますね>


 そして俺は夕飯を食べるために外に出た。









 



オムニ

年齢???

身長???

体重???

好き ダジャレ本、主君

嫌い 主君に敵対する者 

小話

前の主君であるガーテルンの趣味だったダジャレ本をたまたま見てみたらとんでもなく面白くて笑いすぎてしまい超能力の力加減を間違えてしった。その結果様々な物を浮かしてして壊してしまってガーテルンに怒られてしまった。

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