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SGS173 夜中も女官の指導は続く

 どうやらまた別の訓練があるらしい。指導女官のアルレは新人を鍛えようと張り切ってるみたいだ。


「今からお風呂に行って訓練するわよ。体を洗ってマッサージする訓練よ。さっきのような失敗は二度としないこと! 上位の女官様から何か言われたら、すぐに動きなさい。分かったわね?」


「畏まりました」


 頭を下げながらオレは嫌な予感がしていた。風呂に行くと言われて良い思い出が無い。それにあの病気のことも心配だ。


 風呂場は食堂の隣にあった。夜の11時を過ぎていたが、まだ何人かの女官が入っているようだ。脱衣所に着衣がきちっと折り畳まれて置いてあった。


「まず、あたしの服を脱がせなさい。後ろに回って……」


 アルレに言われたとおりに服を脱ぐのを手伝った。重そうなオッパイがプルンと現れた。ワンピの上から見ても分かっていたが、予想以上に大きい。垂れてなくて形も綺麗だ。


 オレのよりも間違いなく大きいな。アルレのワンピを畳みながらそう思った。アルレのワンピからほのかに甘い香りが漂ってくる。この後宮では一般の女官は香水の使用を禁止されているから、これはアルレの匂いだろう。オレが男のままなら鼻血が出てしまうかもしれない。


 髪を解くのも手伝う。アルレの艶やかな長い髪がパッと広がると、さっきの甘い香りが漂ってきた。女の匂いだ……。


 この世界に来た頃の自分だったら気を失っているかもしれない。だが、今はまだ耐えることができる。こういうことに慣れてきたせいかな……。


 アルレが裸になった後、オレもすぐに自分のワンピを脱いだ。


「小柄だけど体形は素敵ね」


 そう言いながらアルレはオレのオッパイの一番敏感なところを摘まんだ。


「あっ……」


 思わず声が出てしまった。


「反応も良いわね」


 アルレはオレのオッパイを優しく揉みながら耳元で言葉を続けた。


「よく聞きなさい。上位の女官様にこうして触られたり、もっと気持が良くなることを求められたり……、これからきっとそういうことが何度もあるはずよ。嫌だろうけど、絶対に逆らっちゃダメよ。受け入れて、あなたも楽しむの。それができないと、この後宮で暮らしていけないからね」


「わ、分りました……」


 正直、驚いた。後宮の中はそういう世界なのか……。オレもそういうことが嫌いじゃないから楽しみたいと思うが、やっぱりムリな気がする。自分のあの病気のことが心配だし、早く今回の作戦を終わらせなきゃいけない。だから、それを楽しんでいるような余裕は無いだろう。残念だけど……。


 風呂場に入っていくと、湯気の中に石のベッドがいくつも並んでいるのが見えた。蒸し風呂だ。ベッドの一つでは女性が寝そべっていて、その女性の背中をもう一人の女性がマッサージしていた。


 風呂場の奥には湯船がある。湯気が立ち昇っていて、湯船の中に二人の人影がぼんやりと霞んで見えた。


 アルレは近くのベッドに腰掛けた。ベッドの近くにはお湯が溜まった樽がある。


「では、ケイナ。あたしの体を洗いなさい」


 アルレの体にお湯を掛けて、石鹸を付けたタオルで洗い始めた。役得だ。アルレの息遣いが少しずつ荒くなっていくのを確かめながら体の隅々まで丁寧に優しく洗っていく。


「こ、こころが籠ってるわね。なかなか上手よ」


 アルレが少し上気した顔で褒めてくれた。自分のあの病気が出るのが怖かったから余計なことは考えず、とにかく一心不乱に洗った。


「次はマッサージよ」


 アルレがベッドにうつ伏せになった。ここでもアルレが細かく指導してくれた。足の裏から始めて、体の上の方に向かって揉むところを移していく。すぐに親指が痛くなってきた。魔力を使わなければ、オレの素の体は非力だ。


 途中で嫌になって来て、オレはズルをし始めた。検診魔法で疲れや凝りがあるところを見つけて、そこに軽く魔力を流して疲れや凝りを解していく。これはいつもラウラとお互いにマッサージし合ってる方法だから間違いなく気持ち良くなるはずだ。


 オレも楽しむことができた。アルレのすべすべのやわ肌をモミモミしていく。指や手で揉み解すのじゃないから力はいらない。どこを触ったら気持ちが良いのかも魔力を流した反応から分かる。しだいにアルレの肌のピンク色が濃くなっていく。


「あ……、あん……」


 困ったことにアルレが小さく喘ぎ声を上げ始めた。


「痛かったですか?」


 オレは手を止めて意地悪く聞いてみた。


「い、いいのよ。大丈夫だから続けなさい……」


「でも、お苦しそうなので、ほかの女官様たちが心配されるかも……」


「そ、そうね。このへんでマッサージは止めておきましょう。あなたも体を洗いなさい。あたしは湯船に入るから」


 オレは訓練から解放された。ゆっくりと体を洗い、お湯に浸かった後、アルレと一緒に寝室に戻ってきた。


「あなたのマッサージ、ホントに気持ち良かったわ。ねぇ、この部屋で続きをやってほしいの……」


 甘えるようにオレの腕を取って、アルレは自分のベッドにオレを引き込もうとした。


「ちょっ、ちょっとお待ちください」


 オレは慌てた。まさか寝室でマッサージの続きを求められるとは思ってなかった。このまま行くと、アルレと危ない関係になりそうだ。そうなるとマズイ。おそらくオレは病気が出て気を失ってしまう。そのまま朝まで眠ってしまえば、夜中に王様の寝室を探す計画が進まなくなる。


「服を着たままではマッサージができません。脱いでいただけますか?」


「あ、そうだったわね。脱がせてくれる?」


 着衣を脱がせると、今度はアルレがオレの背中側に回って着衣を脱がせ始めた。


「今夜はあたしが抱いてあげる……」


 アルレは後ろからオレを抱きしめながら耳元で囁く。左手はオレのオッパイに優しく触れて、右手が腰からお尻に回り、少しずつ下の方へ下りて来ようとしている。


「あぁっ……」


 思わず声が出てしまった。まずい。このまま続けたら自分もおかしくなってしまう。


「さ、さきにマッサージを……」


「そうね。時間はあるものね」


 アルレはベッドにうつ伏せになった。


 今度は首筋から肩、背中に掛けて魔力マッサージを施していく。しだいにアルレの息遣いが安定してきた。オレは眠りの魔法を発動した。


 アルレは気持ち良さそうにスヤスヤと眠っている。


 危なかった……。アルレの形の良いお尻の盛り上がりを見ながらそう思った。


 さて、仕事だ。


 気持ち良く眠っているアルレにはわるいが、暗示を掛けて尋問したいことがある。王様の寝室がどこにあるのか聞き出すのだ。ついでに、オレの言うことを素直に受け入れるように暗示しておこう。


 暗示で尋問して寝室の場所は分かったが、この部屋からはかなり遠い。それに、廊下の何カ所かに兵士が検問している扉があって、王様と王妃様の部屋はその奥にある。安易に王様や王妃様の部屋に近付けないようになっているようだ。


 どうしようか……。とりあえず、計画どおりにやってみよう。


 ………………


 深夜。オレはコタローを呼び出した。 


『コタロー、ネズミでワープして来て』


『了解だわん』


 すぐにネズミが足元に姿を現した。


『じゃあ、気をつけて』


 ドアを開けて、ネズミを廊下に送り出した。コタローは尋問の内容を聞いていたから、王様の寝室までのルートは分かっているはずだ。


 数分が経って、遠くから悲鳴が聞こえてきた。


「キャーッ!! ねずみ! ねずみよーっ!」


 その後、「ドタドタ」という足音がいくつも聞こえて騒ぎが大きくなった。


『やっぱりダメだったわん。途中で女官に見つかって、追い回されたぞう』


 直後にコタローから連絡が入った。


『ネズミは? 逃げることができた?』


『誰もいない部屋に逃げ込んでからワープしたわん。ネズミでケイの部屋から王様の寝室に行くのはムリがあるにゃ』


 何か別の方法を考えなきゃいけないな。うーん、どうしよう……。


 ※ 現在のケイの魔力〈846〉。

 ※ 現在のユウの魔力〈846〉。

 ※ 現在のコタローの魔力〈846〉。

 ※ 現在のラウラの魔力〈650〉。


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