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夕食後はアズラ王太子殿下の部屋でお茶をし、カーネに「そろそろ就寝のご準備を」と言われ、「おやすみ」をアズラ王太子殿下に告げると変な顔をされた。
カーネが忘れずにルチルが作った石鹸を持ってきてくれていて、デキる侍女は違うとカーネにお礼を伝えた。
そろそろ寝ようかなとカーネとデュモルを下がらせ、ベッドで眠っていると、ノックの音が聞こえた。
気のせいかなと思っていたら、またノックの音が聞こえてくる。
目を擦りながら、また聞こえるノックに続き扉を開けた。
頬を膨らませてるアズラ様!?
小さい時ですら、してくれなかった表情……可愛い。
萌えすぎて一気に目が冴えたわ。
「どうされました?」
「どうされたもないよ。一緒に寝る約束は?」
そんな約束したっけ?
「ずっと一緒に寝てたのに、どうして急に別々なの?」
どうしてって年齢がね。
あたし、けしからん胸してるんですよ。
ムラムラドキドキしません? 大丈夫ですか?
「一緒に寝てもよろしいのですか?」
「ルチル以外、誰が僕と寝れるの?」
「……眠るだけですよ?」
「うん、寝る時間だから眠るだ……え? いや! 僕はそんなつもりじゃなくて! ただ一緒に眠りたかっただけで!」
「キスもしませんよ」
「なっ! わか、わかってるよ!」
ベッドでキスは危険。これ常識。
「ルチルの結婚初夜の夢を壊すつもりないよ。ルチルに嫌われるようなことは絶対にしない。だから、安心してほしい」
「分かりました。アズラ様を信じます。私が何をしても我慢してくださると」
「え?」
「私、アズラ様を触りたくて仕方がない時があるんですよね。だから、寝惚けたら触ってしまいそうなんです。でも、大丈夫なようでよかったです。安心しときますね」
「あ……うん……頑張るよ」
アズラ王太子殿下のベッドの方が広いので、昔と同じようにアズラ王太子殿下のベッドに並んで寝転んだ。
「あのさ、抱きしめるまではいいかな?」
「はい。どうぞ」
アズラ王太子殿下の少し震えている腕が、ルチルを包み込むように背中に回ってくる。
「ルチルが腕の中にいる……夢みたい……」
「夢じゃないですよ。アズラ様、おやすみなさい」
「おやすみ、ルチル」
その日からアズラ王太子殿下の不眠症は治ったそうだ。
もっとイチャイチャしてほしい…早く大人にならないかな…と作者が悶々としています(笑)
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