女子会の話題は・・・
「あたしさ、この間ちょっと聞いちゃったんだけど」
文香と一緒に風呂から上がり、男子連中が風呂に入ったことで、夕と雫を含めた女子だけがリビングのソファースペースに集まる。あたしは、そのタイミングを利用して、先日小耳に挟んだ話を話題にする。
「なんかさ、3組の大垣とかがさ、朝陽くんのテストがカンニングなんじゃないかって噂流してるらしいんだよね」
「死刑ね」
「いや、ゆーちゃん、結論が早いよ・・・。てゆうか涼子ちゃんもう名前呼びで行くんだね・・・。あ、大垣くんは死刑で」
「お二人とも、結論一緒じゃないですか!」
「いや、検察官であるあたしも死刑が妥当だと思うわけ。文香ちゃんは違う感じ?」
「・・・なんか嫌な同調圧力です・・・。でも、私は裁判所の清掃係なので・・・」
「この賛成はしないけど反対派もしないと言う消極的な死刑論者よ」
「ううう・・・やっぱり、私も鶴見くんが頑張ったの知ってますから・・・」
まあ当然、あたしたちは全面的に朝陽くん支持なので、こう言う結論に至るわけだけど。
「まあ、問題は大垣がバカってことよね」
「あら、頭がいいよりは相手にしやすいんじゃない?」
「まあ普通ならそうなんだけどさ、ほら、あいつって朝陽くんのおかげで連続赤点組なわけ。あたしたちは朝陽くんがいたから連続にならなかったけど、結構そう言う人いるのよ。だからそれを仲間に引き込まれると厄介かなって」
「まあ、そうね。そういう層がいるのは、私も心配してたの。全校集会では、伏見くんや堀田くんがうまく誘導してくれてるけど・・・」
「まあ涼子ちゃんやゆーちゃんが言う通りなんだけどさ。でも、そう言う人って、鶴見くんが勉強でトップ取り続けても認めなくない?」
「・・・・と言うか、その勉強のカンニングを疑ってるので、納得しないと思います」
そう、そこなのよね。結局ただの言いがかりなのだから、これで学校が動いて朝陽くんが罰せられるなんてことはあり得ない。でも、あいつらをなんとかしないと、せっかくよくなってきた朝陽くんのイメージが悪くなってしまう。
そうして、あたしたちがああでもない、こうでもない、と頭を捻っていると、廊下とリビングをつなぐドアが勢いよく開かれた。
「・・・話は聞かせてもらった!この俺、伏見恭平に名案がある!」
「伏見くん、女の子しかいない部屋にノックもしないで入ってくるのはどうかと思うわよ。着替えでもしていたら、どうするつもりだったのかしら」
「え、いや、鶴見姉、そう言うつもりでは・・・」
「あたしたちが着替えていてもいい、むしろその方がいいって思ってたんでしょ?」
「わかってるよ伏見くん、男の子だもんね」
「最低、です!」
「あるぇ?いや!違うから!なんなのその結託力!」
いや、どう考えてもノックしないのはダメでしょ。こうやって冗談で説教されているうちに、ぜひ直してもらいたい。
雫とか私とかは、実際そうでもないけど、夕は結構そう言うところは厳しい。
さっきも、ちょっとマジで切れてたし。
夕と付き合おうと思うなら、その辺はしっかりしないとダメだぞ。
それに、今回は朝陽くんが飲み物を取りに行ってていなかったからいいけど、何かの間違いで彼に恥ずかしい姿を見られることがあったら、ちょっと恥ずかしすぎてしばらく立ち直れないと思う。
意識にすらかからない伏見に見られるのとはワケが違うのだ。
まあ夕が結構きつめに怒ってるので、ちょっと可哀想だしそろそろ助けてやるか。
「でー?伏見、なんか提案あったんじゃないの?」
「崔!助かった!・・・できればもうちょっと早く助けて欲しかったが」
「夕んとこに送り返すわよ」
「ごめんなさい」
「・・・それで、提案は?」
「んんっ、そうだな。提案っつーか、どうやってあいつらを見返すかって話」
「でも、勉強、は納得してもらえないん、ですよね?」
「勉強じゃない!と言うか、勉強は俺はおろか、崔さんも橘さんも戦力にならないからな」
・・・なんかあたし喧嘩売られたのかしら。
やっぱり、こいつところどころムカつくな、と思うあたしを尻目に、伏見は無駄に大きな声で宣言する。
「勝負は、来月の体育祭だ!!」
(第2章 テスト編 了)
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