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15冊目 『ステップファザー・ステップ』 宮部みゆき氏

15冊目です。

15冊目 『ステップファザー・ステップ』 宮部みゆき氏


プロの泥棒である『俺』は忍び込もうとした家の屋根で雷に遭い隣家の庭に落ちる。助けてくれたのは双子の中学生。助けた事を恩に着せ警察への通報をチラつかせながら、家出した両親の代わりを泥棒に求める双子。まるで父子のような不思議な家庭生活がスタートする。次々と起こる7つの事件と、ユーモアあふれる3人の会話が楽しめる連作短編集。


宮部みゆき氏、『火車』と迷いましたが再読する勇気が無かったので、楽しく気軽に読める本書にしました。

※『火車』、めちゃくちゃ怖いストーリーです……


血の繋がりのない、家族の物語が大好きです。先妻と後妻、それぞれの娘の姉妹とか、姑と嫁、継母と娘など。仲が良いほどエモいです。


このステップ・ファザーステップは仮の父親と双子の息子の連絡短編集です。

仮です。義理ですらなく縁もゆかりもないのに父親にになってしまった不運な男が主人公です。

主人公の『俺』は自身の犯罪行為をネタにゆすられ嫌々、父親役をやっていたはずなのに回を重ねるごとにデレていきます。

最終話、子ども達の父親が帰って来たと分かり、これで双子たちとの関係が切れてしまうとなった時の『俺』の寂しさを訴える慟哭の文章は本当に萌えました。

※父親は偽物で、最終話の後も疑似家族は続きます。


ここからは自己分析。

なぜ、私は血の繋がりの無い家族の物語が好きなのか?

おそらく関係性の危うさです。

いつ壊れるかもわからない関係の相手に向き合うのに必要なのは気づかいと、相手に気持ちを伝える努力。

家族であるということに甘えない箇所に魅力を感じるんだと思います。


ここで2年前に亡くなった私の父親の話をします。

今回の主題の主旨から外れますが継父ではなく実の父です。

身内の欲目ですが、とにかくマメでした。仕事や家事、私や他の姉妹が幼いころは子どもの世話。

また、子どもや自分の妻に事あるごとに感謝と親愛の言葉をくれました。

たまに姉や妹が子どもを連れてくると、孫にデレデレのお祖父ちゃんでした。

そんな父の心にこびり付いていたのも、おそらく寂しさと不安感です。

大往生で亡くなった父は戦時中生まれです。戦後の混乱期で4人兄弟の次男、忙しい農家。

他の兄弟に比べしっかり者だった父は、あまり自分の両親から手をかけて貰えなかったようです。

そのため幼少期に慢性的な愛情不足におちいり、反動で大人になってから出来た家族を溺愛していたのではと推測できます。

生前の父の口癖です。

「こんな父ちゃんでごめんな。いつもありがとな」

働き者で元祖イクメンだと近所でも評判だった父がダメなら、他の団塊世代の父親はどうなるんでしょうか?

今、世間では自己肯定感が叫ばれています。低いのは良くない、自己肯定感を高くしよう!と。

私の父は明らかに自己肯定感が最悪でした。しかし、父はそのおかげでとても幸せな人生でした。

妻や子ども達や孫たちに死ぬまで、死んでからも愛されています。


私は自己肯定感は低くても良いと思います。仕事が出来ないと思えば工夫します。愛されていないと感じればこちらから愛を伝えるきっかけになります。自分に自信が無ければそれだけ努力する動機があります。

大事なのは自己肯定感の高さではなく、ダメな自分でも幸せになりたいという覚悟と気概です。

ちなみにそんな父の娘である私への家族からの声です。

「私の体調は心配しなくていいから!元気だから!休日ぐらい一人で遊んできて!」by同居している母

「会うたびに愛していると叫びハグをしようとすんな!日本人らしいコミュニケーションをしろ!」by姉

「あの……電話の回数減らして貰っていい?お喋りしたいって気持ちはありがたいけど……」by2人の妹

「「本当にお父さんそっくりだよね!」」by家族一同の総合意見


私も4人姉妹の2番目だったから……ちょっと自己肯定感が……


メンタルクリニックで自己肯定感が低いと診断され、カウンセリングでもっと自信を持ってくださいと言われました。

というわけで自己肯定感が低い事に自信を持つことにしました('ω')ノ

※曲解する女

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