12冊目 『スレイヤーズ』 神坂一氏
12冊目です。あれから30年!
※綾小路きみまろさんの声でツッコミお願いします。
『スレイヤーズ』 神坂一氏
あらすじ
「天才魔導士にして戦士、天下無敵の美少女であるリナ・インバースが剣士ガウリイ(アホ)や王女であり巫女であるアメリア(正義バカ)、禁呪で異形となったゼルガディス(お茶目)その他愉快?なキャラクターたちと繰り広げられるシリーズ(シリアス展開あり)です」
あらすじがカッコ(ツッコミ)だらけで申し訳ないです。小説自体がボケとツッコミの応酬なので引きずられました。
最初の出会いは16歳、高校1年生の時です。
計算したら27年前でした!
四半世紀超えていることに茫然としています。
自分の若いころの話をすると年寄りだと笑われるかもしれませんが、30年ぐらい前はライトノベルという分野はありませんでした。
それでは昔のオタクは何を読んでいたかと言うと、まず陽のオタクはアニメやゲームを嗜んでいました。
陽と言っても昔はオタクの社会的地位が低かったので、社会性のある人はひたすら隠していました。
次に私も属していた陰のオタクです。三国志や水滸伝、太宰治、シャーロック・ホームズ、怪盗ルパン(三世の方ではありません)、江戸川乱歩、ゲド戦記、etc.
えっこれ古典文学じゃん、と思われるかもしれません。
昔の拗らせたオタクは名作文学で自分の厨二病を慰めていたのです。
※同世代の方、暴論で大変申し訳ないです。
南総里見八犬伝の事を熱く語っていた意識高い系の少年や、ミヒャエル・エンデの世界に思いを馳せていたセンシティブな少女たちが落ちて言った沼、それがライトノベルだったのです。
※同世代の方、本当に本当に申し訳ございません。
かくいう私も思いっきり転んだ人間です。それまでチャタレー夫人の恋人やデカメロン、森鴎外のヰタ・セクスアリス等を好んで読んでいた文学少女は図書館で集っていたオタク男子達から布教の洗礼を受けました。
ゴクド―クンやオーフェン、カイルロッドに思いを馳せることになったのです。
その中でもスレイヤーズは大人気でした。
世界観が緻密に構成されており、ストーリーも伏線が幾つも散りばめられておりオタク心をわしづかみしていました。
しかし、何といっても魅力はキャラクターたち!
主人公のリナを始め、ヒーローや悪役も個性的で既成概念をふっ飛ばしてくれました。
特に強さと可愛さを兼ね備え、次々と名言を繰り出す主人公のリナちゃんはヒロインの名に相応しいです。
名言例
「悪人に人権は無い!」
「敵の敵だからって、味方だとは限らないわ」
「昔からよく言うじゃない『笑ってごまかせ自分の失敗死ぬまでなじろう他人の失敗』って」
etc.
メンタルが弱っている時に大変有効です。
小説はヒロインのリナの一人称ですが、作者の方は男性だそうです。
しかし、女心(少女心)がよく分かるなと当時も今も同じように思っております。
主人公のリナ、男っぽい性格だと別の方が書いた考察で読んだことがありますが、私はそうは思いません。
髪型は乙女のこだわりでロングヘアですし、巫女の恰好をした時も「たまには悪くないわね」と女の子扱いされても不快を露わにしていません。
女性である自分を受け入れ楽しんでいます。
ただ、色気を武器にしたり、イケメンに必要以上に反応したり、窮地に陥った時に男性に頼ろうとするようなテンプレ反応をしていないだけです。
象徴的だと思ったエピソード、『女の子だから可愛らしくピンクで……』と魔導士協会から授与されたローブの色にリナは憤慨しています。
「どこの世界にピンクの服着た黒魔術使いがいるっつーんだっ!」
また、お姉さんからも大笑いされています。
男性陣には意外かもしれませんが、実はピンクが好きな女の子は少ないです。ピンクは女性でも、ある程度年齢が上の大人の方が好きです。
試しに水色と桃色、色違いでアイテムを用意し保育園ぐらいの女子に選ばせると高確率で水色をチョイスします。
少女はピンクが好きというテンプレが実態から乖離しているのを、男性である筆者が見抜いたというのは本当に凄いなと思いました。
最近、同世代の方とのお喋りで昔のライトノベルの話題になりました。
「えっスレイヤーズの作者って女性じゃなかったの!?」
という知人の驚きの声を聞き、「やっぱりそう思うよね」と心の中で呟きました。
ラノベ、まさか40代になっても卒業してないとは当時は考えていませんでした。この調子だと死ぬまで読んでいると思います(;^ω^)




