『小説家になろう』の多様性は、一部の読者の「掘り起こし」によって維持されている ~スコッパーの人たち、ありがとう~
埋もれた作品にはおもしろい作品はない?
似たり寄ったりな作品よりも、はるかに独創的な作品にあふれているんじゃないでしょうか。
小説の可能性は、無限大です!
今回はおもに2つの事柄について書かせてもらいます。
それは「なろう」の流行に乗らない、独自の作品を投稿する作者と、そうした作品を探し出す読者の労力(努力)についての話。
ランキングや、最新投稿からしか目を通さない読者が多い中(それは「なろう」だけではなく、ほかの小説投稿サイトでも同じ)、なろうはそれでも、投稿してから何日経過しても、ある程度ならPVの伸びが期待できるサイトだと思ってます。
これははっきり言って「スコッパー(発掘する読者)」と呼ばれる人、あってのことだと思うのです。
それは『小説家になろう』で人気のある、「転生」「悪役令嬢」「追放」「ざまぁ」「ギャグ」などの人気「タグ」づけ以外の作品を読もうとする、いわば「自分の読みたい作品」を求める読者によって支えられている、と言っても過言ではないでしょう。
自分から探そうとするのは、それなりの労力を必要としますし、自分がはっきりとした「意志をもって探す」という自覚がないとできません。ランキングの上位や、新着の1ページ目しか目をとおさないという「さがしかた」とは、まったく違います。
つまり、新着された作品しか読まない、という読者ばかりのサイトでは、毎日更新されるような作品しか読まれないことになってしまいます(ランキングに関しては説明する必要もないでしょう)。
実際そういう意味では『小説家になろう』の読者層は、かなり厚いです。
もちろんランキングにしか目をとおさないような人もいるでしょう。しかし、投稿してから時間が経ってもPVが付く可能性が高いサイトは、たぶんそんなに多くはありません。
そう考えると『小説家になろう』は、ほかのサイトとは違って、流行りのタイトルやタグ付け以外の作品でも、目をとおしてもらう可能性は高いサイトだと言えるでしょう。
つまり、スコッパーと呼ばれる人たちのおかげで『小説家になろう』には、流行りもの以外の作品など、多様性のある作品が投稿されている可能性が高いのです。
もちろん流行を取り入れていない作品はPVが付きにくいのですが、それでもうまくいけば、目をとおしてもらえる可能性はあります。
長ったらしタイトルや、決まりきったテンプレなんか書きたくない! という作者にも優しい投稿サイト。それが『小説家になろう』だと考えます。
だからヘビーな展開や、独創的な世界観をもった作品を書きたいという作者は、あきらめずに独自の創作をしてもらいたい、と思うのです。流行に流されず、話が道を行く(ただし読みやすさは、ある程度あったほうがいいでしょう)作者さんにはがんばってほしい。
『小説家になろう』は、多様性のある作品が求められるサイトであってほしいですね。
❇ ただし、たった数話、数千字の作品では、そう簡単に目をとおしてもらえないことも知っておきましょう(十万字の壁などと言われる場合もあります)。
1話の投稿でたくさんの評価やブックマークが付くのは、シリアス物や王道ファンタジーなどでは難しい、という現実は変わりません。
そこは読者さんの一人一人が、そうした流行に乗らない作品を引き立てるのに、自分からさらに積極的な行動が必要になるのだと、理解してもらう以外には、作品のクオリティをあげる以外に、作者の取るべき手段はありません。
目を通してくれてありがとうございます。
独創的な作品に手を伸ばす、今までと違った本を読んでみる。
たったそれだけのことで、人の人生が変わることもある。
そんな話もあるのです。
ランキング以外の作品を掘り起こしに行きませんか?
スコッパー、あるいはワンダラー(放浪者)になりましょう!(冒険者っぽい呼び方)