第2話 ―ギルドへようこそpart1―
遅くなり申し訳ありません!
第2話投稿です!!
「ここかな?」
アリサの描いてくれた地図と手紙を片手に歩き続けて約10分。石レンガの屋根の大きな建物が見えてきた。
建物の正面に立つと大きな扉と「シミニア中央ギルド」という看板があった。
緊張する体を抑えながらその扉を開けた。
中には10ぐらいの大きいテーブルとそれに並んでいる椅子、そして3~7人ぐらいの少人数のグループがそれぞれ間隔をあけて座っていた。
中央奥にはカウンターがあり、受付を行うであろう女性の方がいた。
奥へ行こうと足を進めると話している声が止み、全員の視線がこちらに向けられる。
(なんだこの急に沈黙になる感じ...)
カウンターへとたどり着く。
「すいません、アリサの紹介でこちらに来たのですが...」
そう言い手紙をカウンターの上に出す。
「アリサってあのアリサだよな...」
「あぁ、恐らく...」
周りがざわつく。
「すいません、少し拝見してもよろしいですか?」
受付の女性が尋ねる。
「はい、構いませんよ。」
女性はしばらく手紙を読むと
「元気になされているのですね。」
と呟き、目から少し涙が溢れているようだった。
「どうかs...」
「お父さん~!!アリサ姉さんから手紙が届いたよ~!!」
話を遮られ、カウンターを出て上へと続く階段を足早に登っていく女性。
「なんだ?どうしたんだ?」
ひとりでうなっていると、
「よぉ!少年!!アリサと面識があるって本当か?」
先ほどの席に座っていた大柄の男性に話しかけられる。
「はい、まぁ今日出会ったばかりなんですか。」
そう話していると上から女性とそれに続いて50歳ぐらいであろう男性が降りてきた。
「君かい?この手紙を持ってきてくれたのは。」
「は、はいそうですが...」
「ありがとう。」
「え?」
「アリサは実は私の養子なんだ」
えっ...と驚いていると男性が続けた
「紹介が遅れて申し訳ないが私はアレス=ウクレール、こっちは娘のレンブラント=ウクレールだ。よろしく。」
手を差し出される
こちらも手をだしそれに応じる。
「はい、よろしくお願いします、アレスさん、レンブラントさん。すいません。俺、今記憶喪失で自分の名前が分からないんです。」
ペコリと頭を下げる。
「あぁ、アリサの手紙で把握している。そこで手紙に書いているのと同じ提案なんだが、ここのギルドで冒険者として働いてくれないか?ここ最近依頼が多くてな、このギルドも、ここ周辺のギルドも手を焼いているんだ。」
あちらから頼まれるなんて思ってもなかった。
「俺で良ければ喜んでお手伝いしますよ!」
精一杯元気に返事をした。
「お、やる気があるね、それじゃよろしく頼むよ。といってもギルドなんて初めてだろうから最初は薬草とかの採集任務で構わないよ。ちょうどそっちの依頼もたくさん来てるし。」
「それではそうさせていただきます。」
(まずはギルドがどんなのか把握しないといけないしな)
「これからこのギルドについていくつか話してあげるからとりあえず席についてもらえるかな?」
「あ、はい!」
アレスさんと俺が席に座る。
レンブラントさんは受付役としてもとの場所へと戻っていった。
「それじゃここのギルドについて話させてもらうね。」
「まずここのギルドの依頼は2つに分かれて...」
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40分ぐらいだろうかここのギルドについて話を聞いていた。
大まかにに説明すると、依頼や任務については依頼されたものを一定数集めてくる採集任務と郊外にでてモンスターを倒す討伐任務に分かれているらしい。
どちらも簡単なものから難しいものまで年中いろいろな任務があるので、カウンター横の掲示板を見てほしいということだ。
任務の依頼を受けてそれをこなしにいく、目標を達成したらカウンターのレンブラントさんに報告する。後日達成されたことが依頼主から確認できれば報酬を受け取れるらしい。
簡単なものはひとりで遂行して構わないが、ドラゴン討伐やレアな物を収集する際には複数人で行った方が効率が良いという。話しているときに任務を終えて戻ってきた冒険者がいたがしっかり複数人で活動していた。
既存のグループに入るか新しくグループを作るかそれともひとりで活動するかどれを決めても構わないとも言われた。
グループを作るときや入るときは手続きが必要なので必ずレンブラントさんかアレスさんに相談すること、もっとも問題がなければすぐOKサインがでるので気軽に来てほしいとのこと。
寝泊まりは部屋を貸しているのでここのギルドを使って構わないし、食事は注文できるし、キッチンを借りて自分で調理しても良いらしい。今月の宿泊費はありがたいことにサービスしてもらえるとのこと。
なんて良い方たちなんだと感服した。
そしてここから俺の冒険者生活が始まるのだと思うと胸が落ち着かなくなるのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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次の話は再来週の日曜日とさせていただきます、少々多忙になるのでお待ちくだされ!




