第1話 ー女騎士との出会いー
お読みになってくださりありがとうございます!
誤字、脱字あるかもしれませんが暖かい目で見てくれると嬉しいです!
目を覚ますと身の覚えのないところにいた。
「ここはどこだ...?」
座っている俺の目の前には黄色い花や白い花を含んだ草原、奥には緑色や赤色など様々な色の山々が連なっており、綺麗な景色を写し出している。
うしろを振り返ると様々な人工物があり、レンガ造りの家や木造の店などが見える。白い鳥が何羽か飛び回っている。
「俺は誰だ...?」
自分の正体を思い出せない。
なぜ俺はこんなところで座っている?
なぜ俺は自分に関する記憶がない?
俺はどこから来たんだ?
ひとりで片手で頭を抱えて考え込んでいると
「おい!そこの変な服装の者!ここでなにをしている!」
女の人の声がうしろで聞こえた。
振り向くと剣をこちらに向けている騎士のような姿をした青髪ツインテールの女性がいた。
ん...剣!?
慌てて両手を挙げる
「俺は怪しいものじゃありません!ただ...」
「ただ...なんだ!」
女の人が剣を腰の鞘にしまおうとする。
「...記憶がないんです。」
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「なるほど状況は理解した。君は記憶喪失になったんだな。」
今俺は先ほどの草原から見えていた町のとある飲食店の一角にいる。店は自分たち以外には2、3名しか見当たらない。
「はい、そうなんです。理解してくれてありがとうございます。」
「いやこちらこそ何も知らずに剣をつきだして悪かった。」
「いえいえ大丈夫ですよ。」
「何せ最近はこの町でも盗みだの誘拐だの治安が悪くてな、少々気がピリピリしていたんだ。」
「そうなんですか。大変ですね。」
彼女はこの町の警備団の一員で、町の外の様子を見に行っていたところ頭を抱えて座っている俺を見つけたということだった。
「自己紹介が遅れたな、私はこの町の警備団に所属しているアリサだ。よろしく頼む。」
「いえいえこちらこそよろしくお願いします。アリサさん。」
「さん付けは慣れないな、アリサで良い。」
「わかりました、アリ..サ...」
「うんそれで良いぞ。」
こちらも紹介しようとするが自分の名前がわからない。
「すいません、名前も覚えてなくて。」
「いやいや気にしなくていい。はやく思い出せると良いな。」
「はい...」
「そう気を落とすな、腹がへっただろう飯を奢ってやるから元気を出せ。」
するとアリサが女店員を呼び止める。
「すいませーん!ソプガッタェ2つお願いしまーす!」
「はーい、ソプガッタェ2つかしこまり~」
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「おまちどおさまでーす!注文のソプガッタェ2つです!」
先ほど注文した料理を先ほどの店員が持ってきた。
「おお、ありがとう。」
「ほんとにいいんですか?ご馳走になっても。」
「大丈夫だ、さっきほどの行為の償いだ。それにこれは私のオススメのメニューだからな、せひ食べてほしいんだ。」
「はぁ...」
目線を降ろすと皿の上には茹でられた麺がのせられており、そのさらに上には赤いソースのようなものがかけられていた。
「いただきます。」
フォークのようなものを使いアリサがソプガッタェを口に運ぶ。
「うん!美味しい!ほら君も遠慮せずに食べてくれ。」
アリサの言葉にうなずき同じようして口へと運ぶ。茹であがりたてであろう麺にトマトのソースがかかりとても良い味を出している。
「!?美味しい!というかこれ、スパゲッティでは?」
「なんだスパゲッティって聞いたことがないぞ。これはソプガッタェだ。」
(あれこの料理ってスパゲッティって言うんじゃなかったっけ。俺のもと居たであろう所とは違うのか)
「まぁ早く食べろ。冷めたら美味しくなくなるぞ。」
「はい...」
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ソプガッタェも食べて一段落したところ。
「そろそろ私は勤務に戻るが君はどうする?」
「俺は...」
「よかったらこの町のギルドに話を通してやろうか?」
「ギルド?」
「あぁ、簡単に言えば冒険者たちの集まり場だ、ギルドには宿泊できる施設もあるし、寝泊まりの心配はないだろう。」
確かに行くあてがない今そういう施設へ行かざるを得ないだろう。それにこのあたりを冒険すれば帰るべき場所が見つかるかもしれない。記憶を取り戻す手掛かりだって...
「よろしくお願いします。」
「分かった。」
そう言うとアリサは紙を2枚とペンを取り出しなにかを書き始めた。
しばらくしてペンを置くと2枚の紙を差しだし
「こっちがギルドまでの行き方で、もう一方がギルドへの紹介状だ、紹介状はギルドマスターに出してくれ。」
「店主!ここにお金置いとくよ!」
「あいよ、また暇なときにでも来いや!」
「あぁ、もちろんだ。」
「そこの若いのも記憶が戻らなくてもいつでも来な!」
「はい、また来ます!」
店を出ると太陽が真上から自分たちを照らしていた。
「記憶早く戻ると良いな。それじゃまたな。」
アリサが歩きだす
「はい、アリサも気をつけて。」
背を向けて歩いたままアリサはこちらに手を振った。
「よし行こうか!」
アリサの地図を手に俺は道を歩きだした。
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