no.2
僕はユナの家に来た。
最初おかーさんってヒトにユナが怒られた。
僕のせいなのかな?
僕、ここじゃなくてもいいよ。
なんとか生きていけると思う。
ユナにそう言ってみたけど、言葉が通じないんだ。
僕はもどかしくて、寂しくなった。
僕も言葉をしゃべることが出来たらよかったのに。
その後、おとーさんってヒトが来て、
おかーさんと何か話してたんだ。
そしたらおかーさんが
「好きにしなさい」ってユナに言って、
ユナは僕をぎゅーって抱きしめた。
僕はちょっと苦しかったけど、ユナの笑顔を始めてみたから、
とっても嬉しかったんだ。
おとーさんも、おかーさんも、僕とユナを見て笑顔になった。
あぁ、そうか。
僕、ここに居ていいんだ。
いらないって言われないんだ。
僕、ユナに出会えて、本当によかった!!
僕は嬉しくて、嬉しくて、尻尾ってやつをぶんぶん振り回した。
僕が尻尾を振ると、ユナは顔をくしゃくしゃにして涙をこぼした。
なんでなのかな?
僕はこんなに嬉しいのに、ユナは悲しいの?
僕、何か悪いことしちゃったのかな?
ユナ、泣かないで、君の涙を僕が消してあげるから。
僕は一生懸命ユナの涙を舐める。
悲しいことがなくなるように。
寂しくないように。
そしたら、ユナが僕を抱っこして言うんだ。
「わんちゃん。ずっと一緒だからね。
寂しくさせないからね。ユナのおうちにずっといていいんだからね」
後で知ったんだけど、涙って悲しいときだけじゃないんだって。
嬉しいときも、涙ってやつは出るんだって。
ニンゲンって不思議だなって思ったけど、
僕のこと、好きだから泣いてくれたんだよね?
だから僕、ユナのことが大好き!
――ユナは、僕のこと、今でも好き?