考えることは同じなんだと笑う(後編)
さて……語りたかった本題である。
その前に(前編)を読んでられない方は、軽く目を通していただければと願う。
その方が伝わりやすい。
『雷桜』という映画があった。
蒼井優さん 岡田将生さん。
時代劇モノ。
そして悲恋モノである。
ボクはレジェンドの映画紹介で知った(笑)
そして、胸が絞めつけられるほど、心を掴まれた。
たぶん、レジェンドの「しゃべり過ぎる」の悪癖は発揮されたと想像してる。
そんなの構わない。
それだけの切なさがあった。
テレビのスポットCMもよく流れていたと思う。
映像は想像に鮮明な形を与え、切なさは胸が掻きむしられそうなほどになった。
そして、映画主題歌である。
舞花さんの『心』は、スマッシュヒットした。
当時は番組数の多かった音楽番組でも、それなりに、よく出演されてたと思う。
この歌、1度、聴いてみてほしい。
名曲である。
切なさが込み上げること、このうえない。
ましてや、『雷桜』のストーリーを知ってしまえば、レジェンドの語りで聴いてしまえば、その破壊力たるや凄まじい。
ボクは、テレビ画面の前で、何度、息を殺して聴いただろう。
で、この映画、ボクは観ていない(笑)
お金のやりくりか、時間のやりくりか、その両方か、都合がつかなかったのだ。
じゃあ、ビデオ化(ビデオテープの時代だったと思う)されてレンタルしたかと言うと、していない。
ここからが「変なヤツだ」と奇妙に思われるかもしれないが、ボクは、『プライベートな空間に悲しみを持ち込まない』。
涙活はよくやる。
泣くのは好きなのだ。
ただ、感動の涙はいい。
安堵の涙もいい。
温かい涙もいい。
悲しみの涙ってヤツが、もおー、ツラい。
怖がりの人がホラーを絶対に視ないのに近い。
『悲しみ』が怖いのだ。
名作『火垂るの墓』を観たことが無いのも、同じ理由だと思う。
ただ、観たこともない『雷桜』の主人公2人への胸が絞めつけられるような想いは、どんどん大きくなった。
観てもないクセに(笑)
ボクには、元来、妄想癖があって、当時のボクの中で大きくなっていく妄想があった。
『岡田将生さんと蒼井優さん、2人が主演の現代劇、それもバカバカしいラブコメの映画が観たい』だ。
それも『エンディングは『雷桜』の主題歌を流してほしい』だ。
「悲恋で終わった『雷桜』の2人の魂は、時を越えて結ばれて、バカバカしいほど幸せになりました」
そう想わせてくれる映画を観たい。
そう、強く想う時期があったのだ。
観てもないクセに(笑)
ふと、思いついて、舞花さんの『心』をユーチューブで捜す。
名曲だし、久しぶりに聴きたくなったのだ。
あった。
MV。
再生する。
そして固まってしまう。
舞花さんの歌唱から、若いカップルの映像に変わる。
若夫婦とは思えないぐらい若い、“同棲”という言葉が頭に浮かぶ2人。
幸せそうに楽しそうに、はしゃぎ、スパゲッティを作って、並んでノリノリで唄う。
蒼井優さんと岡田将生さん。
ホントーに幸せそうで楽しそうだ。
ちょっと苦笑い。
そして、ちょっと泣き笑い。
当時の音楽会社の製作スタッフにも、ボクに似た気持ちの人がいたのかも……っていうのは、考え過ぎだろうか。
ちょっと涙がこぼれながら、「良かったァ……」って呟きが、無意識にこぼれた。
※ この立派な住まいは、新居だね(笑)
若夫婦って設定なのかも。




