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お姉さんとお嬢さんと奥様 だいたい、これで充分じゃないのか?

 東京出身の同僚の一昨日の一言。


「このおばさんもサ、バイトなんじゃない?」


 本人に聞こえそうな距離で。


 なんか嫌な気分になった。

 で、少し距離が離れたところで思わず言ってしまった。


「世の中には、お嬢さんとお姉さんしか居ません」




 変な理屈である。

 自分でもわかっている。

 だいたい、“おばさん”は蔑称でも無いし。

 でも、何か、嫌な魂の匂いがしたんだな。

 なんとなく。

 なんだろうな?

 話の内容とか流れも、あったかも知れない。

 “バイト”は蔑称じゃない。

 存在も、軽んじる意識は無い。

 でも、彼がそこで「バイトなんじゃないか?」と言った言葉には、何かそーゆー匂いを感じたし、そこに“おばさん”という言葉を使ったことにも、何か嫌なものを感じたのだ。



 この感覚、共感してもらえないとは、覚悟している。

 自分でも、上手く説明する言葉を、まだ組み立てられていないし。


 でも、何かカチンと来たのだ。



 ボクも“おばさん”という言葉、使わないワケじゃない。

 この連載でも他の作品でも使っている。

 上手く言えないけど言い訳させてもらえば、それは文章を簡潔に情景を想像してもらうためで、ボクはあまり、特に相手に声が届くかも知れない距離では、“おばさん”という言葉を口にしたことは無い。

 いや、“おばさん”という言葉は、執筆において用いることはあっても、この数十年、口にしたことが無いのだ。


 女性の呼称は、呼びかけにしろ第3者を指す場合にしろ、だいたい“お姉さん”“お嬢さん”“奥様”のどれかで間に合わせている。


 それは、白髪の年齢の女性に対して(この場合はお姉さんではなくねえさんだけど)の時もあるし、1桁の年齢の女のコに対して(この場合も、どちらかというとお嬢さんよりもお姉さん)の時もあるけど、だいたい、これで充分だと思ってる。


 上手く言えない。

 ただ、それが男子としてのいきだしたしなみだと思う。


 そう思うのだ。


 上手く説明できないけどさ。

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