本当の自分とバームクーヘン
本当の自分とは?と考える
思春期的思考に則して言ったら
ここからラブコメが出てきそうだ
社会人的に言ったら
そんなことを考えるなんて思春期じゃないのだからと
言いたくなるかもしれない
そんな彼らも本当の自分が存在するのだとは
思っているだろう
けれども
本当の自分なんて言う物は
もうそんなことを考えられるようになったら
消え去ってしまった何かなんじゃないかなと思う
それはバームクーヘンを作る時の鉄芯のような物で
それを形成する過程においては存在したのだと
その残滓を感じることはできるけれども
バームクーヘンとして完成した後には消え去る
そして
それ自身に消えぬ空洞を残して消えた何かだと思う