Save6 テヘペロ✰(・ω<)
意外に早く見つけることが出来た。俺はそこまで全力で走り、正面に立った。俺の今の武器は【刀】だ。腰に差した刀の鞘から一気に刀身を抜き出し、魔物を一刀両断した。
これは【刀】を扱うためのスキル【刀術】を取得し、【刀術】のレベルを5にすることで使用可能になる【刀】の武技、《居合》だ。《居合》より攻撃速度の速いレベル5までの武技又は武器はない。今回の場合、【武神】の効果で全ての武技が使えるようになっている。
さらに、通常《居合》を使うためには【刀】でないといけないが、【剣】でも使えるようになる。流石に槍は武器の形が違いすぎるので槍で《居合》は使えない。つまり、武器の形が近ければ、その武器の武技が使える、ということである。とんだチートだ。
因みに、【武神】【賢者】が共にレベル10になったので、どれくらい強いのか説明しよう。
【武神】はレベル1の時点で、【剣術】最終派生スキル【剣神術】を凌駕している。これがレベル10になったらどうなるか、それはフィールドに落ちている木の枝で、このゲーム最高級性能の武器【聖剣 エクスカリバー】を使用し、【剣神術】レベル100(MAX)のプレイヤーと戦っても無傷で勝てるレベル。
破壊不能でなければ一撃で【聖剣 エクスカリバー】をポキリと折れる。これくらい造作もない。まぁ、つまり、その、何だ。──誰も止められないのだ。
次に【賢者】だ。【賢者】はレベル1で最上級魔法である【神級魔法】を凌駕する。例えば、【炎属性神級魔法】を使うためにMPを10消費するとした場合、【火属性初級魔法】(消費MP1)で、相殺どころか術者に攻撃を与えることが可能だ。これは、魔法の弱点を突いているためだ。
魔法———火の玉にしよう———は、その全てが均等に威力と防御力があるわけじゃない。つまり、防御の低いとこに打ち込めば【初級魔法】でも【神級魔法】を貫通し、打ち消す又は術者に攻撃することが可能だ。これは【賢者】があるからできる所業。──これがレベル1。
……では、レベル10になると、何が出来るのか。一つ目に、今説明したことが効率よく出来るようになる。【神級魔法】(MP消費100)を【初級魔法】(MP消費1)で消し去ることが出来る。貫通ではない。消滅させるのだ。理論は同じだ。他にも、魔法同士を融合させて、威力、範囲だけでなく、属性まで変えてしまえる。本当にチート過ぎる。
魔法使いの武器は【杖】だ。他にもあるが、大体これ。そして【杖】と言えど立派な武器だ。つまり【武神】に適応するのだ。
そうして【杖】での攻撃《打撃》。これは【メイス】と同じ。さらには【仕込み刀】という武器もある。この武器は《斬撃》《打撃》の攻撃が行える。つまり【剣術】【刀術】【棍棒術】【戦槌術】の武技が適応される。
──つまり、俺は前衛でも後衛でも戦えるオールラウンダーだ。
なぜこんなことを確認したか。それは、第一職業を何にするか迷ったからだ。俺の前に出ている半透明のシステムウィンドウには、
・剣士
剣の扱いが上手になる。HPと体力と攻撃力が上がりやすくなる。
・魔法使い
魔法が上手に打てようになる。MPと魔法攻撃力が上がりやすくなる。
・盗賊
宝箱を見つけやすくなる。俊敏が上がりやすくなる。
・回復師
回復魔法の効果が上がる。MPが上がりやすくなる。【回復魔法】を覚える。
・鍛冶師
鍛冶の成功確率が上がる。使用可能武器のレベル上限が上がる。
・錬金術師
錬金の成功確率が上がる。使用可能素材のレベル上限が上がる。
この6つの職業が出ていた。
「う~ん。どれにするかな」
【剣士】【魔法使い】は【武神】【賢者】がある。あ、【回復師】もか。【鍛冶師】【錬金術師】は戦闘メインにしたいからいらない。そうなると【盗賊】しかない訳か。
……待てよ? 職業が【剣士】じゃないのに【剣士】持ちに勝ったらおかしいことになるよな。となると、【剣士】か【魔法使い】、【盗賊】になるわけだけど、【盗賊】は除外かな。……よし、【剣士】にしよう。
〈第一職業を【剣士】にしますか? Yes/No〉
このようなシステムウィンドウが表示されたため、迷わずYesを選択した。
〈第一職業に【剣士】を設定しました〉
すると、このようなシステムウィンドウが表示されたのでステータスを確認する。
キラ
男
種族:人
第一職業:剣士
状態:正常
Lv.20
HP:470,000 (+100)
MP:225,000
体力:60,000 (+10)
攻撃力:9,000 (+2)
防御力:10,300
魔法攻撃力:9,000
魔法防御力:10,300
俊敏:10,900
運:70
〈スキル〉
[Master]
・HP自動回復量増加Lv.10 ・MP自動回復量増加Lv.10
[ユニークスキル]
・身体強化Lv.10 ・武神Lv.10 ・賢者Lv.10 ・経験値自乗 ・ステータス上昇値自乗
・スキルレベルアップ速度上昇Lv.10 ・ストレージ ・完璧鑑定 ・完全偽装
・レアアイテムドロップ率上昇Lv.10
[コモンスキル]
・跳躍Lv.9 ・ステップLv.8 ・料理Lv.5
[耐性]
・苦痛耐性Lv.10
〈称号〉
・βテストクリア者
〈所持金〉
568,427G
「プラス値低いなー。これが普通なのかな?」
「キラー! おぉーい!」
「ん?」
俺を呼ぶ声が聞こえたので、声が聞こえる方に視線を向けると、アンラがこっちに駆けてきていた。
「お、アンラか」
「やっほぉー!」
「何かやけにテンション高いな」
「えへへ」
「ん? どした?」
「あのね、私、実は……」
「え、何?」
「とっても難しいクエストをパーティで受けちゃった♪」
「何やってんだよ!」
「テヘペロ✩(・ω<)」
アンラは謝るどころか、舌を出し、ウィンクをするというとてもイラつく行為をしてくださった。……可愛いから許すけど。……今シスコンとか思った奴、一発殴るだけで許すから素直に出てきなさい。