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Save72 否定が必死過ぎませんかね?

「待たせたわね。さ、行きましょ?」

「ああ」


 あれから数分して、カオリが再度俺の部屋を訪ねてきたときは、さっきとは全く違う服を着ていた。どんな服なのかは知らんが、カオリってスカート穿くんだな。今までずっと家の中だと長ズボン(スウェットだって言われた)だったからちょっと新鮮。


「どう? 似合ってるかしら?」

「いつもよりは可愛いよ」

「それは喜んでいいのよね?」


 ミライ以外に素直に可愛いというのは恥ずかしいので、ちょっと誤魔化す。許してね。


 家から出て、俺達は冒険者ギルドに向かった。って言ってもそこまで離れてないからすぐ着くんだけどね。


「あ、そうだ。カオリって誕生日いつだ?」

「なんで?」

「いや、ゲーム仲間とはいえ仲良くなれてると思うんだ。だから誕生日くらいは祝ってあげないとなって思って」


 このAWO以前にもカオリとはよく一緒にゲームをして遊んでいた。リアルでもたまに買い物に一緒に行ったりしてたし。

 でも俺は彼女の誕生日を知らない。これだけ仲良くしてもらっていて、誕生日に何もしないというのはダメな気がするんだ。

 それにもう一つ誕生日を聞いた理由がある。ま、教えないけど。


「11月29日よ。因みに、ミライは5月17日、サクラは4月6日よ。アンラちゃんは知ってるでしょ? あの双子ちゃんは知らないわ」

「今が6月の終わりの方だから……え!? もうほとんど誕生日過ぎてんじゃん!」


 マジか。んー、だったら来年の4月、つまりサクラの誕生日までにこのゲームをクリアしないとか。どうせなら現実で祝ってあげたいしね。


「キラはいつなのよ?」

「誕生日か? 7月8日だ」

「もう少しじゃない。祝ってあげましょうか?」

「好きにしてくれ」


 俺はそこまで誕生日が好きって訳じゃないし、どうでもいいかな。

 さて、ミライ、カオリ、サクラの誕生日がわかったし、冒険者ギルドも見えてきたし、本格的に準備に取り掛かりますか!


「カオリ、何でもいいから【龍神山】の近くのクエストを持ってきてくれ」

「【龍神山】? なら【転移】で行けばいいじゃない?」

「冒険者ランク上げだよ。せっかくだし最高まで上げようかなって」

「余裕で出来そうね」

「まぁ、そうだろうな」


 俺のレベルやステータスで最高ランクまで上がらないなら、種族転生しないとできないってことだからな。もしそうでもすぐに種族転生するか、レベル上げに行くかするだけだから何の支障もないけどな。


「キラ、クエスト受注してきたわよ」

「ありがと。じゃ、早速行こうか ──【転移】」


 久しぶりに感じる浮遊感。やっぱりなれないなぁ。


 で、【龍神山】に着いたわけだが……


「ねぇねぇキラさん? 私の目がおかしいのかしら?」

「いやいやカオリさん。俺の目もおかしくなったんかもしれない」


 軽く現実逃避していた。

 理由は、この前俺が龍神に敵の出現率あげられるだけあげてって言ったけど、そのせいでそこら中に魔物がいた。

 エンカウントしないように移動するなど不可能。魔物と戦闘でもすれば周囲の魔物に気付かれて集団リンチ。


 これ、やりすぎじゃね? ほら、【神護(ゴットプロテクション)】も破れかけてるし。【昇華】使ってるんだよ?


 さらに眼下にはここよりもたくさんいる魔物の数。俺のせいで七大危険地域で一番の危険地域になったかもしれない。ボスはそこまで強くなさそうだけど。むしろ創造神が頭一つ抜けてるけど。


「殲滅でいいか。 ──【炎滅(ファイナルフレア)】」


 サクッと周りの魔物を倒して先へ進む。


〈レベルが264から、265に上がりました。〉

〈レベルが265から、266に上がりました。〉


 あ、久しぶりに聞いたレベルアップアナウンス。知らされるレベルがおかしいのは無視する方向で。


「で、なんでキラはここに来たかったのよ?」

「実はな、この山のどこかに内部に通じる洞穴?洞窟?があるらしいんだよ。で、内部には珍しいものがあるからそれが欲しいなって」


 珍しいものとは、宝石がほとんどだ。その宝石の種類だけど、誕生石のこと。


「その宝石をミライにあげるのね?……いいなぁ」

「なんだ? カオリも欲しいのか?」

「べ、別に欲しいわけじゃないけど! ミライだけ貰ってるなんて不公平だって言ってるだけで! 欲しいわけじゃないのよ! 本当よ!?」

「んじゃ、要らないんだな?」


 否定が必死過ぎませんかね?


「そ、それは……欲しいに決まってるじゃない。だって──」

「カオリ、止まれ」

「なに──むぐっ!?」


 この気配に魔力の強さ。今までの魔物より格段に強い。

 ただ、俺の相手ではないし、ここはカオリに戦わせようかな。事前に知って無かったら俺が瞬殺してたかも。持ってて良かった【気配察知】と【魔力察知】。


「カオリ、この先に強い魔物がいる。ちょっと戦って来いよ」

「いやよ! 死にたくないもの!」

「大丈夫。危ないときは助けるから」

「そ、それなら」


 カオリを後押しして、今から遭遇するであろう魔物と戦わせる。

 因みに、今カオリは俺とパーティーを組んでいて、さっき俺が倒した大量の魔物の経験値も貰ってるからレベルが200+になってる。楽勝だな。


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