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Save63 アンラ:助けて!

 神界から出たところは、神界に入る前に居た場所だった。そこから俺の【転移(テレポート)】で地上まで移動した。


「真っ暗ですね」

「どうする? このまま帰るか? それともどこかに泊まっていくか?」

「ここに泊まっていきましょうよ」

「そうですね。今帰っても暗すぎて何も見えないかもですから」

「……ん」


 と、言う訳で、ホテル(宿ってレベルじゃなかった)で泊まってから【オーネスト】まで帰った。


「そんなに長い時間いなかった訳じゃないのに凄く久しぶりに帰ってきた感あるわね」

「【機械仕掛けの(メカニカル・)迷宮(ラビリンス)】での時間が濃密すぎたからだろ」

「もう二度とあそこには挑戦したくないわね」


 その気持ち、すっごく分かる。それにカオリは危ない目にあったしね。


「早く家見ましょうよ!」

「そうだな!」


 ミライが早く家を見たくてうずうずしていたので、早速家を出してみることにした。


「うわぁー!」

「大きいわね」

「……巨大」

「外見はさっき見ただろ」


 創られていくところを見たので外見は元々知っていた。内装までは知らないが。


「キラ君見てください! 中は外見より広いですよ!」


 いつの間にか中に入っていたミライが叫んでいる。めっちゃ興奮してるなー。



 ……それから少し見学してみたが、とても広いと思いました。

 いや、うん。言いたいことは分かる。でもさ、広すぎたんだよ! 外見の軽く3倍はあるし! 何故か行き止まりのはずなのに増設できそうな金具がついていたり凄すぎだろ!?


 ミライが希望した風呂も俺達全員どころか10人は入れそうだったし。部屋も一人一人の広さがここで暮らせるんじゃね?ってくらい広いし。


 まぁ、かなり凄い。(語彙力)


 その中でも一番いい部屋っていうものも当然ある。今はそこに誰が入るかで話し合っている。


「やっぱりキラ君が良いと思います」

「そうね。この家を手に入れられたのもキラのお陰だし」

「……それ以外論外」


 話し合っていませんね。俺以外の意見が一致してるから俺が何か言ったところで多数決とかいう数の暴力で押し潰されそうな気がするし。


 その後、それぞれの部屋を決めて、もうそろそろお昼ということで軽く昼食を取ってグダグダと過ごしていた。


 ミライ達から、このアップデートでメッセージのやり取りが直接ログに出るから遠距離連絡が楽になったと教えてもらった。



 その他にもあるかもしれないということで、色々検証し、ガチャを引き、検証し、ガチャを引きを続け数日が過ぎた頃。俺のログにある人からのメッセージが入ってきた。


アンラ:助けて! 場所はここ!…………


 という、救援要請が。



 アンラからのメッセージを受け取ったことをミライ達に伝えたところ、今すぐ行くことになった。


「場所はどこですか!?」


 もう既に準備は終わっていて、後はアンラがどこに居るのかを確認すればいいだけなんだけど、場所の名前じゃなくてx~,y~,z~みたいな感じで送ってきたから特定までに時間がかかった。


 何故場所ではなくわかり辛い方を俺に送ってきたのか予想すると、送り易かったからだと思う。これはメニューかどこかで位置がコピーできるようになっているから早く位置を伝えたいときに使用される。


 では何故早く送りたかったのか。それほどまでに危険なのか。送られた場所を特定してもそこまで危険じゃないと思った。だって、【始まりの森】だったから。


 【始まりの森】でも危険な所はある。【深部】とかね。でもなんでそこでアンラからSOSが来たのかは分からない。本当にピンチなのかもしれないし、悪ふざけで送ってきたのかもしれない。でも、万が一があるかもしれないから急いでいく。


「目的地は【始まりの森】だから【転移(テレポート)】で行く! 俺につかまれ!」


 皆が俺につかまったのを確認し、俺は【転移】を使って【始まりの森】に向かった。




 転移してきたのが【始まりの森】の入り口。ここには今もプレイヤーが沢山いる。まぁ、発売してから一ヶ月も経ってないし、レベル上げないと生き残れないもんね。


「周りに注意して進もう。アンラを見つけたら知らせるように」

「そもそもアンラがどんな容姿をしてるのか、私達知らなんだけど?」

「あ、そっか」


 そうだった。ミライ達はアンラに会ったことないんだっけ。


「魔法使うか ──【探査(サーチ)】」


 これは自分の近くに探しているものがあるのかを調べる魔法で、主に鍛冶職のプレイヤーや採集系のクエストをやっている人が使うことが多い。勿論プレイヤーやNPCを探すこともできる。

 範囲は使用するMPによって変わる。今回はほぼ全てのMPをつぎ込み、【始まりの森】全域に【探査】をかけた。が……。


「ちょっとミライ達ここで待っててな」

「はい?」

「ここで待ってればいいのね?」

「……待ってる」


 ミライ達にそう言って、俺は()()でアンラの方へ向かって行った。


「ていっ!」

「ぴぎゃ!?」


 アンラの方に向かって歩いて数十秒。俺は無事アンラを発見していた。……ここ【深部】でも何でもないんですけど!? レベル15あれば余裕でクリアできるところなんですけど!? ねぇどこがピンチなの!?


「ちょっと! なにするのさ!?」

「それはコッチのセリフだ!」

「あ、キラじゃん」

「「あ、キラじゃん」じゃない! どこがピンチなんだよ!」

「そうそう! ピンチなんだよ!」


 どう見てもそうは見えないが、一応話は聞こう。……ミライ達のところまで戻るか。


「後で話は聞くから、今は俺についてこい」

「は~い!」


 素直についてきてくれるので、何も苦労しなくて済んだ。……アンラが襲い掛かってくる魔物達を【無詠唱】で即殺してた。【無詠唱】持ってたんだ。


 そんなどうでもいい事を考えて歩いていると、あっという間にミライ達のところまで戻ってきた。……数十秒だしね。


「あ! 可愛い子発見!」


 そう言ってアンラは飛び出していった。って速いなオイ!


「──【結界(バリア)・《侵入(インター)》】!」

「ぐべらっ!」


 そしてミライの魔法に当たって変な声を出していた。その声は女の子が出していい声じゃないと思うの。



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