表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!  作者: しりうす
創造神に会いに行こう!あとついでに龍神も
62/176

Save55 ……デレた?

「キラ! アイツ誰なのよ!」


 安全地帯に移動して少し休憩した後、カオリから質問が放たれた。アイツ、というのはさっきのゴーレムの事だろう。さて、あいつがどれだけ危険なのか、説明しますか。


「あいつはミラージュゴーレム。魔物に姿を変え、プレイヤーを襲ってくる魔物だ」

「それなら何にも危険じゃないじゃない」

「いや、危険なんだ。ミラージュゴーレムは攻撃を反射してくる。つまり、物理、魔法両方効かない」

「それは危険ですね」

「だからミライの【束縛(バインド)】も跳ね返されただろ?」

「あ、そう言うことだったんですか」


 今回はミラージュゴーレム単体だったからよかったけど、コピーゴーレムって言う相手の使った技や攻撃を模倣して使うゴーレムがいたら大変だったな。ってか難易度高すぎない? これ本当に攻略できるの?


「これからはいきなり飛び出すのはやめましょね、カオリ」

「わかったわよ。また危険な目にはあいたくないものね。あ、それとキラ、助けてくれて、あ、ありがと」

「……デレた?」

「で、デレてなんかいないわよ! バカッ!」

「おい照れ隠しで攻撃すんな危ないだろ!?」


 こんな感じでワイワイやっていた。が、ここでサクラが、


「……ねむい」


 と言い出した。確かに、ここに入ってからどれくらい時間が経ったかわからないが、今まで一睡もしていない。もしかしたら外は夜かもしれない。


 と、言うことで、寝ることにした。いくら安全地帯だって言っても、簡易的なものでしかないので見張りは必要だ。

 なので順番を決めなければいけない。俺とカオリは分かれるとして、ミライとサクラをどうするか、だよなぁ。正直、戦力にならないからずっと寝てもらっていてもいいんだけどね。


 最終的に、俺とカオリが見張りをやることになった。ミライは申し訳なさそうにしていたが、サクラはもう既に夢の中だった。


「キラ……」

「なんだ?」

「ここって、最大レベルにすれば攻略できるダンジョンなのかしら?」

「……どういうことだ?」


 カオリが俺と同じようなことを考えていた?


「だって、【荒れ果て荒野】や【龍神山】はここよりも簡単だったじゃない?」

「そうだな」

「でも、ここは違う。ステータスがErrorになってるキラがいるから攻略できてるけど、ここに居る全員がレベル200ってだけなら絶対に攻略できていないわよ」


 ああ、それは俺も考えていた。どう考えても難易度が高すぎるんだ。なんで最高レベルで覚えられる武技や魔法じゃないとダメージが与えられないのか。


「一つ、予想がある」

「なによ?」

「恐らく、種族進化?のようなものがある、と思う」

「種族進化?」

「異世界物のお決まりでハイエルフとかいるだろ? そんな感じで、最大レベルからさらにパワーアップできるんだと思う」

「それをできた者がここ【機械仕掛けの迷宮】を攻略できる、ってこと?」

「可能性としてはなくはないと思うが?」

「なら種族進化できるような条件って一体……」


 種族進化できる条件、か。あ、そう言えば。


「カオリ、このゲームでプレイヤーがなれる種族は?」

「え?人、森霊族(エルフ)地霊族(ドワーフ)獣人族(ビースト)の四種類でしょ? それがどうしたのよ?」

「このゲーム、八つの教会があるんだが、知ってるか?」

「もちろんよ」

「そこが関係してると思う」

「八つ、教会……七つの大罪?」

「七つの大罪? 何でそれが出てくる?」

「このゲームってそう言うの多いじゃない? それに教会って言ったら宗教。宗教で八つって言われて真っ先に思い浮かんだのが七つの大罪なのよ」

「七つじゃないのか?」

「今は七つよ。でも昔は暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢の八つだったって聞いたことがあるわ」

「そうなのか」

「えぇ。だから何か関係してるんじゃないかって思ってね」


 あり得るな。恐らくそこに出る魔物を倒せば道が開ける、みたいな感じだろう。だが、今はまだそういう情報はない。まぁ、まだ実施されていないんだろう。そもそも、こんなに早くここに来るプレイヤーとかいないだろ。


「ふぁ~」

「眠いのか?」

「えぇ、眠くなってきたわ。でも大丈夫よ。ちゃんと起きてるから」

「ダメだ。眠いなら寝ろ。寝てないせいで攻撃受けて死なれても困る」

「キラは?」

「……俺も寝ようかな」

「見張りは?」

「──【神護(ゴットプロテクション)】【昇華】で大丈夫だろ?」

「ふふっ、そこまでして寝たいの?」

「あぁ、すっごく眠いからな」


 本当は違う理由だけど、態々言う必要もないだろう。恥ずかしいし。


「じゃあ、おやすみ、キラ」

「あぁ、おやすみ」


 そのままカオリは瞼を閉じて夢の中へと旅立っていった。……悲壮感が凄くない? 死んでないからね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ