Save52 受付嬢(ロリ・16歳)
夜が明け、朝になると早速【マジエンスシティ】の中に入った。
「わぁ!」
「凄いわね」
「……凄い」
「未来の街だな」
そう。ここ【マジエンスシティ】は宙に建造物が浮いていたり、遥か頭上を車のような乗り物が通っていたりとまさに未来の街を想像しろって言われたら思い浮かべるような感じだった。
広さは【オーネスト】と比べると遥かに小さいが、【オーネスト】より高層ビルのような建物が中心に向かえば向かう程隙間なく建っているので、住民の人口はそこまで変わらないんじゃないのかと思う。
「これからすぐに行くの?」
「いや、少し情報が欲しいよな」
「やっぱり冒険者ギルドかしら?」
「行ってみるか」
と、言うとこで、俺達は冒険者ギルドまでやってきた。なんとここに来るまでに1時間くらいかかった。
いやね? ほぼ同じような建物ばっかり建ってるから方向感覚狂うし、他の街だったら一見して「あ、ここ冒険者ギルドだな」って外見をしているし建物自体が大きいから見つけやすいけど、ここ【マジエンスシティ】はどうやら建物の中に冒険者ギルドがあるらしく、外見からじゃわからない。仕方ないよね?
結局、ここに住んでいるNPCに聞き、そこで【冒険者ギルド前】というバス停のようなものがあることを知り、そのバスに乗って冒険者ギルドまで来た。まさか街に入ってからしばらく歩くとは思わなかったよ。
過去を振り返るのここらへんで終了して、さっそく俺達が行こうとしているとこをの情報を聞く。
「ようこそ! 冒険者ギルドへ!」
受付前に行くと、元気な声であいさつしてくれた。挨拶してくれるのは良いんだよ? でもさ、幼すぎない? え? 成人してる16歳?……同い年!? サクラよりロリロリしてるけども!
ま、それは(ミライが怖いから)触れないで。
「この町の地下に巨大な迷宮があると聞いた。情報が欲しい」
「巨大な迷宮……? ああ! 【鉱山迷宮】の事ですか?」
「【鉱山迷宮】?」
【鉱山迷宮】ってことは、鉱石を取っていくうちに迷宮になったってことか? なら外れじゃね?
「はい。【鉱山迷宮】にはアイアンゴーレムなどたくさんの種類のゴーレムが出るので、【鉱山迷宮】と言われてるんですよ。本当は【機械仕掛けの迷宮】って言うんですけど」
「そうなのか。それで、情報は?」
本当の名前とかどうでもいいしね。それよりも俺達の家だろ!
「情報ですね。【機械仕掛けの迷宮】は、地下に潜っていく形のダンジョンで、今まで5層目までは攻略されましたが、その先にも階段があるとのことですので全何層で構成されているのかは分かりません。広さは、地下に潜っていくと少しずつ狭くなっていっているのでそこまで広くないかと言われています。50階層くらいですね。そして、ここが重要なのですが、迷宮に“機械仕掛け”とあるように、一定時間ごとに迷宮内の道順が変化します。同じ道順になることなどないとお考え下さい」
「道順に関しては大丈夫だ」
「そうですか。私からお話しできることは以上です。それと……」
「なんだ?」
受付嬢(ロリ・16歳)が伏し目がちにお願いしてきた。
「あの、【鉱山迷宮】に行くのでしたら、アイアンゴーレムなどのゴーレムを数体、持って帰ってきてくれませんか? あ、ゴールドゴーレムというお金を落として消えていくゴールデンゴーレムに似たゴーレムがいますのでお気を付けください」
「アイアンゴーレムだけでいいのか?」
「できれば、おそらく結構下の階層にいるとおもわれるオリハルコンゴーレムやミスリルゴーレムなども持ってきてくれると嬉しいなぁー、と。でも、実力に自信がないなら絶対に戦わないでくださいね! アイツら魔法効かないし物理もほぼ効かないので」
ゴーレムを持ってくることくらい簡単にできるので、二つ返事で了承しておく。オリハルコンゴーレムの件は、多分無視しても大丈夫。
冒険者ギルドを出て俺達は、さっそく【鉱山迷宮】もとい【機械仕掛けの迷宮】に向かった。今度は迷わなかった。あの受付嬢が車を用意してくれたからだ。なんとこの車、自動運転でした! 流石科学と魔法の街!
「あの車、凄かったわね」
「欲しいです」
「あってもいいけど、ここ以外だと使い物にならなそうだよ?」
「そこは創造神特製自動運転機能付き自動車を作ってもらいましょう!」
「あ、やっぱり創造神頼りなんだ」
「そうですよ! 便利な神様を放っておくとかできるわけないじゃないですか!」
「あぁキラ、どうしようかしら。ミライが神様は道具としか思ってないわ」
そう言われてもなぁ。俺も創造神を利用しようとしてここに来たわけだし、何も言い返せねぇ。しかも、創造神の居場所を突き止めるために龍神使ったからもっと前からそのツッコミは居れるべきだったな。……今考えると、道具のために使われる道具って……哀れ。




