Save48 俺の心読みませんでした!?
朝、目を覚ましてみると、隣にミライがいた。当然だけど──真っ裸で。当然って言ったのは何も俺達が裸族と言う訳じゃなくて、その……ね。昨夜色々あった訳だし。……頼む、察してくれ。
「ぅんむぅ……」
隣でミライがぐっすり眠っている。何だろう。全裸なことも相俟って凄くエロイ。
「……んむぅ?……ふぁ~……キラ君」
「……何だ?」
ミライも目が覚めたようで、俺の名前を呼んだ。一応返事をしておく。
「大人の階段、昇っちゃいましたね?」
「……」
今のミライにそんな事言われたら昨夜のあれこれを思い出してしまう。……落ち着け、俺。
「あれ? どうしました? おっきくなってますよ? どこがとは言いませんが」
いや、うん。仕方ないと思う。男の生理現象だよ。俺は悪くない。
「朝からヤりますか?」
ちょっと何言ってんのミライさん? 朝から? とても魅力的な誘惑だけどそろそろカオリが起こしに来るんじゃ───
「キラー、ミライー、起きてるー?」
「──【結界・《侵入》】!──【固定】!」
「あれ!? ちょ、開かないんだけど! キラ! キラの仕業でしょ! 早く開けなさい! まだ寝てたいのは分かるけど!」
カオリが勘違いしてくれているので今のうちに俺は服を着た。
「なんで服を着るんですか! 今からヤるんですよね!?」
「ヤらないよ! だから早く服着ろ!」
「いやです! ヤるまで服着ませんー!」
「あぁーもう!──【電撃】!」
「効きません!──【硬化】!」
くそっ! ミライが魔法覚えたせいで気絶させられねぇ! もうこうなったら力押だ! 我慢しろよミライ!
「──【電撃】【昇華】!」
「はぅ!」
最後は【賢者】で威力をいじって無効化されないように【昇華】を使った【電撃】で気絶させた。しかし、ここで一つ問題が起きた。
「どうやってミライに服着せよう」
ミライは衣服を自分の【アイテムボックス】に入れているからここに服はない! さぁ、どうする──!
「早く開けないと【一点突破】使うわよ!」
待て、その技は使えないはずだぞ!? なんで使えるんだよ!
「間違えたわ、連続【電光石火】【疾風迅雷】使うわよ!」
おい! 連続で同じ武技は使えないからって違う武技を交互に連続で使うってありかよ! そんな事したら──いや、空間を切り裂かない限り大丈夫かな。
「ついでに【一刀両断】も混ぜるわよ!」
それはだめぇ! 空間切れるぅ!
とまぁこんな感じで色々あった朝を乗り切り、今は朝食を食べている。
「キラ君♡」
「なんだ?」
「呼んでみただけでーすっ♡」
何故だか昨日よりミライが可愛いのだが?
「サクラ、私の口の中が凄く甘いのだけれど、どうしてかしら?」
「……同じく」
それに比例するようにカオリとサクラの口から白い粉のようなものが吐かれるのを幻視するんだけど、何故?
「それにしてもミライ、あなた……」
「? 何ですか?」
「ついにやったのね」
「はい! ついにヤりました!」
ミライ。ミライが言ってる“ヤる”とカオリが言ってる“やる”意味が違うと思うぞ? カオリが言ってるのは“ついにキラを襲ったのね”って意味だと思うよ?
「微妙に言葉の意味がずれてる気がするわ」
カオリもわかってるっぽい。
「あ、それはそうとキラ君」
「ん?」
「約束、守ってもらっていませんが?」
「約束?」
はて、みらいとの約束なんてあったかな?
「デート、してくれるのでは?」
「あっ」
ごめん、忘れて──ゴホン。ちゃんと覚えてたよ? 時間がなかったから行けなかったんだよ。
「今、忘れてたって思いましたよね? 今回だけは懐の深い事で有名な私が許してあげますけど、金輪際このようなことはしないでくださいね?」
「はい……すみませんでした」
これは約束したのにデートしなった俺が悪いので、謝るほか選択肢はない。ってかミライさん? ナチュラルに俺の心読みませんでした!?
「痴話喧嘩はその辺にしておいて、そろそろ出発しましょう?」
周りを見ると、全員食事を終えていた。これ以上ここに居る理由はないのでそろそろ出発する。それとカオリ? 痴話喧嘩じゃないよ?




