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Save24 これはこれで恥ずかしい

 ワイワイ話していると、勿論夜が来るわけで。


「よし、今日はここらへんで野宿かな」

「真っ暗ですね」

「真っ暗ね」

「仕方ないだろ。ここ道以外何もないし」

「それもそうですね」

「さて、テント張るぞー。カオリは薪とか燃える物持ってきて」

「いやよ、こんな暗い中薪集めなんて」

「わがまま言いやがって……仕方ない。フィーア」

「はい~」

「カオリの護衛を頼む」

「わかりました~」


 キャラ識別番号006番“フィーア”。レベルはガチャで出たアイテムで上がってる。あんまりNPCを使う機会がないので、アーサーとアハトだけを最高レベルにしてある。

 因みに、最高レベルは120だった。多分プレイヤーはもう少し最高値が高くてステータスも高いと思う。


 ……俺? 150までは表示されたけど、【天変地異】を使ったら150⁺になった。レベルは分からないけど、段々強くなってきてるのがわかるから、ステータスがErrorでも数値は伸びてるらしい。……チートだチートだ。わははは。



「キラ、持ってきたわよ」

「お、サンキュー」

「何作ってるの?」

「これか? これは今日の夜ご飯だ」

「え!?」

「これじゃダメか?」

「いいえ! 豪華過ぎるくらいだわ!」

「そうか?」

「そうよ。まず魚料理。ここ陸地よ? 魚は腐るわ。それにこれ煮込んでるでしょ? どれだけ時間かけたのよ」

「【料理】のお陰でそこまで時間掛かってないぞ? 煮込みは【概念属性神級魔法・時間操作(タイムコントロール)】で早送りしてるし」

「キラってホントチートね。もう一生ついていくわ!」

「遠慮しておきます」

「なんで!?」


 え、だって、ねぇ? カオリ甘い蜜だけしか吸ってないじゃん。

 ……俺も甘い蜜を吸っているだとか、ミライの方が甘いだとかそういう意見は聞きません。今だけ難聴系主人公状態です。


「カオリがいると、私とキラ君のイチャラブが出来なさそうです」

「十分してるじゃん! 私をいない者として扱ってるじゃん。十分ラブラブしてるじゃん」

「いえ、まだまだです」


 俺さ、ミライはもう少し自重した方が良いと思うんだ。俺に対して。いやさ、ミライといちゃいちゃするのはいいんだよ?


「さ、ご飯食べよう」

「あからさまに話を変えたわね」

「ほっとけ」


 ご飯はおいしかったです。魔法様様だわ。

 因みに、カオリが魚は腐るとか言ってたけど、最初からある【アイテムボックス】の中に入れておけば腐らない。

  ……俺が持ってる【ストレージ】はアイテムが無限に入るチート。勿論、魚が腐ったりはしない。腐っても【概念属性神級魔法・時間操作】で巻き戻せばいいんだけど。


 どうでもいい事だけど、俺が使える魔法はこのゲーム内で使える魔法だ。ただし、沢山のPPが必要だけど。具体的には数百万PP~数千万PPくらい。……俺今【荒れ果て荒野】全体攻撃で殲滅したから2000万くらいあったわ……はぁ。


 それは置いといて、いい加減職業決めないとな。


「さて、ご飯も食べたことだし、そろそろ———」

「ガチャね!」

「ちげーよ! 職業だよ! 職業!」

「あーそんなものもあったわね」

「お前回復師になるんじゃなったもかよ……」

「いやーキラがいるし」

「ミライはともかくとして、カオリだけは働かせるぞ?」

「この鬼畜! お金だけくれてもいいじゃない! ミライとの差がありすぎるのよ! もう少し優しくして!」

「はぁ、仕方ないな。仕事は俺が決めてやるよ。そうだな……よし。カオリ、お前俺に奉仕しろ」

「は、はぁぁぁああああああ!?」

「キラ君?」


 あ、言い方不味かったな。今の言い方だとアッチの方に捉えられてそうだ。あの二人だもん。ミライからはどす黒いオーラが出てるし。


「勘違いするなよ? 俺の雑用係だ」

「いやよ!」

「なら冒険者になるか?」

「そうするわ」

「私も冒険者になりたいです」

「あぁ、言ってたな。【オーネスト】についたらまず冒険者ギルドに行くか」

「はい!」


 【オーネスト】についてからの予定が決まり、もう寝ることに……って、


「職業決めてねーじゃねーかよ!」

「それはまた明日。おやすみ、キラ」

「おやすみなさい。カオリ」

「おやすみ~ミライ……え? テントって二つよね? 何で?」

「うん。俺も聞きたい」


 何故、俺のテントに居るの? ミライ。君、カオリと寝るはずじゃ……?


「私がいたらダメ、ですか……?」

「い、いや、ダメじゃ、ない、けど……」


 ぐっ、上目遣いは卑怯だぞ……強く言えないじゃないか。つかさ、俺とミライって出会ってから毎晩一緒にいるよな。もう気にしない方が良いのかな?


「さて、キラ君。カオリが寝ました。カップルが夜にヤることと言えば?」

「もう寝ようか、ミライ」


 ミライと夜二人っきりは危ないような気がする。

 今までは付き合ってなかったから平気だったけど、付き合ったら毎晩夜這いをかけてきそう。別にいいんだよ? 俺の理性が保つなら。


 でもさ、自信ないんだよ。でさ、翌朝カオリが全て聞いていた時の気まずさは想像に難しくないだろ? それが嫌なんだよ。……ただのヘタレとか言うなよ?


「むぅ、じゃあ仕方ないですね。おやすみです、キラ君。愛してます」

「……」


 俺さ、その不意打ちは卑怯だと思うんだ。ドキッってしちゃったじゃん。ここは仕返しておかなければ。


「俺も愛してるよ、ミライ」

「すぅ……すぅ……」

「……」


 無性に恥ずかしいんですが。仕返そうと思ってミライに告白したら相手が寝てるって……聞いてたら聞いてたで恥ずかしいけどさ、これはこれで恥ずかしい。


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