表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/176

Save22 読心術?

 謎の空間から出た先は、【始まりの街】転移水晶前広場だった。移動の手間が省けたので良かった。

 周りにはたくさんのプレイヤーがいたが、あの空間より少ない感じ。多分、出る場所によってどこに出るか分かれてるんだろうな。


 あ、スポーン地点も最初に選択した種族によって場所が違う。だから【始まりの街】に全プレイヤーが溢れたりしない。種族ごとにステータスに特徴があるんだけど、それはまた今度。


「ここで待っていればいいのか?」

「うん、多分そうだと思う。すぐに来るはず」

「おーい!」

「あ、ほら! 来たわよ!」


 遠くから聞こえてきた声に反応し、声が聞こえてきた方を見ると、神崎が来ていた。……複数の女子を連れて。ハーレムかよ。くたばれ。


「待たせてしまったかい?」

「ああ、そうだな。少し待った」

「そこまで待ってないでしょ!」

「いてっ!」


 いやさ、事実を言っただけじゃん。脇腹抓りながら叩かなくてもいいじゃん。そう思わない?


「ごめんよ。さて、僕はカムイ。リアルと同じさ。で、彼女たちは俺についてきたクラスメート。男子たちや他の女子たちはソロかパーティーを組んで活動しているよ」

「そうなんだ」

「冷たいね、雲母君は」

「キラだ。で、何か俺に聞きたいことはあるか?」

「ちょっと! カムイ君に対してその言葉は失礼じゃない?」

「「「そうよ、そうよ!」」」

「……はぁ。で、聞きたいことはないのか?」

「いくつかある。まず、これは聞きたいことではないがミライを助けてくれてありがとう」

「いや、礼を言われるほどの事じゃない。たまたま見つけたから保護した。それだけだ」

「だから! カムイ君に対してその態度はどうなの、っていてるの!」


 うるさい。誰こいつ。


一宮神楽(いちのみやかぐら)ちゃんですよ。クラスで一番の神崎君溺愛者です」

「マジか。教えてくれてありがと」

「どういたしまして」


 俺が疑問に思ったことをすぐに教えてくれた。でもね? 俺、声に出してないと思うんだ。何でわかったの?

 読心術? そんなスキルあったっけ? でもなぁ、ミライだしな……俺に関してなら何でもできそうなミライだからな。……うん、ミライならできるわ、読心術。


「それで聞きたいことねぇ……あ、今までどこに居たの? キラの事もミライの事もさらにはカオリも見当たらなかったし」

「隣町だ」

「そう……では次の質問。キラは僕が作るクランに入る気は?」

「ゼロ」

「即答だね」

「当たり前だ。俺はソロ……じゃなくてミライとのコンビでこの世界を生きていく」

「キラ君……」

「ちょ私は!?」

「自分で考えろ」


 正直、カオリはいなくてもいい。戦力的には俺がいるだけで十分だし、人手が欲しかったらNPCを使うなりすればいい。

 ついてくるならついてくればいい。その場合、身の安全だけは保障するし。……本人の前では言わないけど。調子乗りそうだし。


「そうか……でもキラ、ミライは君には渡せないかな」

「何でだ?」

「いくら君が強くても、ミライが強いわけじゃない。不測の事態があるかもしれない。そうなった場合、君はどうするつもりだい?」


 いや、ミライ強いよ? カムイの数倍。レベルも上だし、俺、ミライ、カオリがこのゲームでのトップ3だよ? 可夢偉はそのことを知らないから仕方ないけどさ。

 それに不測の事態? ミライは自分のNPCいるし、俺からもアーサーとか護衛につけるし。俺以外だと、ミライに1ダメージも与えられないんじゃない?


「どうするも何も、そんなことにはならない。ミライが死ぬことはない」

「何故言い切れるんだい?」


 護衛が過剰戦力だからです。装備がチートだからです。


 説明すると、ミライが出した漆黒のローブ(★9)は【特性】に【自動HP回復】が付いていて、その効果が毎秒HPを10%回復する。とかいうチート性能。

 毒状態でも秒間1%だからノーダメージ。はは、チートだチート。


 ……尚、俺が出した純白(漆黒)翼のコート(★9)は毎秒HPとMP20%回復にMPを使っての障壁展開。さらには名前に翼があるわけだから勿論空も飛べる。

 名前に純白と漆黒が入っているのは、純白の方は魔法攻撃力アップ、漆黒の方が攻撃力アップだ。……同じ★9なのにここまで違うものなのか。


 あ、漆黒のローブにも魔法攻撃力アップのバフが常時つくようになってる。……まぁ、危険な所に行くなら純白(漆黒)翼のコートはミライに渡すけどな。


 因みに、天駆のブーツ(★9)は空中にいるとき、MPを使って障壁を足の裏に展開し、空中ジャンプを可能にする。何故だろう。しょぼく感じるのは。


 少し話が脱線したが、つまり、チート装備を渡すし、過剰戦力な護衛がいるし、俺が一緒に居るので、ミライが危険が迫ることはない、と言うことだ。


 でもここまで長く説明しても面倒なことになりそうだから、言いたくない。

 ってかさ、これってカムイが作るクランへの誘いだよな?『クラスメート全員が入るから君たちも入らない?共に協力してこのゲームをクリアしよう!』みたいな。


「何故言い切れる?だって? なら逆に質問しよう。ミライがカムイたちの所に行って、死なない確率はどれくらいだ?」

「確率は分からないけど、キラとミライ、カオリの三人でいるより安全だと思うよ」


 ほう、言ったな? 【天変地異】打つぞ? それでも安全か?……打たないけどさ。周りの人に迷惑だもんね。


「あ、カオリはやるよ。いらないし」

「ちょっと!? いままでミライを取り合ってたじゃない!? 何で私が出てくるの?」

「ちょっと黙ってろ」

「ひどい!……そもそもなんで喧嘩みたくなってるわけ?」

「さあ?」


 喧嘩してるわけじゃないけどな。だけど、どうしてもミライを渡したくないだけだ。

 ……なんだかんだ言いつつも俺、ミライの事……って、そんなことより、俺がクランに入ればいいんだけどな。入らないけど。だって足手まといじゃん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ