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Save18 ガチャ強ぇ~

ま、俺のヒモが嫌ならヒモじゃなくなる方法を取ればいい。まず、一番簡単なのは……


「……このパーティーから抜ければ?」

「あ! そうね! このパーティーから抜ければ……」

「ソロで活動だな」

「死ぬ確率が上がるじゃない!」

「いや、そのレベルじゃよっぽどのことがない限り死なないだろ?」

「そ、そうだけど……」

「じゃあ大丈夫だろ」

「う~何か引っかかる~」

「じゃ~な~。死ぬなよ~」

「待ちなさいよ!」


 まだ何かあるのか?


「キラのヒモでいいから私の連れて行って!」

「……どうする?」

「私は連れて行ってもいいと思います」

「主殿に従います」

「ウチも従います!」

「……じゃ、連れてくか。おぉーい! 早く来いよ!」

「まだ5メートルも離れてないじゃない! 大声出さなくても聞こえるわよ!」

「よーし。【小鳥の囀り亭】行って、ガチャ引きますか!」


 何も言わずに【小鳥の囀り亭】にしちゃったけどいいよね? 探すの面倒くさいし。……あ、そういえば。


「ちょっと! 無視しないでよ!」

「そんなことより———」

「そんなことじゃないでしょ!? ツッコミ入れてんのよ!? 無視しないでよ!?」

「うるさい ———【眠り(スリープ)】」


 うるさいカオリを眠らせて、宿まで運ぶことにした。……で、誰が運ぼう。


(わたくし)がお運び致します」

「お、アーサーありがとう。助かったよ」

「勿体なきお言葉」


 


 さて、帰って来ました【小鳥の囀り亭】! 昨日と同じく部屋をとり、そこに全員集合しております。あ、捕捉で説明すると今いる部屋は、ガチャを引くためだけに借りた。なんと贅沢。んで、この部屋5人部屋。俺達5人。勿論あらぬ誤解をされましたよ。『あら? 今日は5人で?』と。泣きたい。


 それで今現在、何をしているのか。それは———


「なんで眠らせるのよ!」

「うるさいから」

「それはキラがツッコミに反応してくれないからでしょ!?」

「面倒くさかった。以上」

「以上じゃないわよ! 面倒でもちゃんと返したり、せめて反応くらいしてくれないと私泣くわよ!?」

「はぁ、こいつパーティーから追放したい。ついでにフレからも」


 ──カオリを宥めていた。こいつうるさいの。早くガチャ引きたいのに……


「なぁ」

「なに!?」

「早くガチャ引こうぜ?」

「……そうね。ガチャ引きましょう」


 ガチャ強ぇ~


「さぁて! 行くわよ! まずは10万使ってガチャ10連! ていやぁぁぁああああああ!」


 甲高い奇声を上げながらカオリはガチャを10回、回した。果たして、魔法陣の色は……?


白、白、赤、青、黒、白、紫、赤、青、虹


「来た! 虹色魔法陣が来たわ! これは絶対当たりよ! 何か凄い武器とか、キラが出したNPCとか!」


 さぁ!カオリのテンションもマックスまで上がってきたー! これはこのテンションに飲まれガチャから★10のアイテムとか出るのでは———!?


 果たして、その結果は———


白:たわし ★

白:たわし ★

赤:鉄   ★★★

青:魔銅  ★★★★★

黒:魔石  ★★★★★

白:たわし ★

紫:魔結晶 ★★★★★★★★

赤:銅   ★★★★

青:魔鉄  ★★★★



虹:すごいたわし ★★★★★★★★★



「な、なんでたわしなのよー!」


 うん。知ってた。そうだよね。カオリがNPCとか激レアアイテムゲットできるわけないもんね。


「カオリ、なんだ、その~。どんまい?」

「その言葉地味に傷つくわ……」

「よーし! 次はどっちにする?」

「わ、私やります!」

「お、ミライがんば~」


 ミライは……10連か。何が出るかな?


 虹、虹、虹、紫、紫、虹、紫、紫、虹、虹


「……」


 うん。カオリの無言は分かるよ。多分思考停止してるんだろうね。で、そのうち……


「たわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわしたわし———」


 うん。そうなるよね。自分が爆死したのに目の前で虹6つも出してるんだもん。当たり前だよな。


 そんなことより、ミライのガチャ結果は……?


虹:流星の杖 ★★★★★★★★★

虹:漆黒のローブ ★★★★★★★★★

虹:天駆のブーツ ★★★★★★★★★

紫:エリクサー ★★★★★★★★

紫:エリクサー ★★★★★★★★

虹:隼(NPC) ★★★★★★★★★

紫:魔力回復薬(最上級) ★★★★★★★★

紫:PP+500

虹:猫又(NPC) ★★★★★★★★★

虹:妖狐(NPC) ★★★★★★★★★★


「ミ~ラ~イ~。何出してんのよ! めっちゃ強そうな装備に!? 味方NPC三体も!? 少しくらい運分けなさいよ!」

「あはは……」


 ミライは苦笑いをしている。仕方ないか。自分よりずっといいものを出してるからな。


「さて、最後は俺の番だな」


 さて、10連いきますか!


「た・わ・し! た・わ・し! た・わ・し!」


 カオリやめて。それお前がやるとシャレにならない。本当にたわし出ちゃうかもだから。


 カオリの声が極力聞こえないようにし、ガチャの結果を待つ。果たして、出てきた魔法陣の色は……!?


 虹、虹、虹、虹、虹、虹、虹、虹、虹、虹


 ……あ~。カオリ、ごめんね?


「……もうこのパーティー出ていこうかしら…………」

「ま、まぁそう落ち込むな。次がある! 次が!」

「どうせまたたわしよ……」

「……」


 どうしよう。そうなるとしか思えない。

 さて、ガチャの結果は……?


虹:純白(漆黒)翼のコート ★★★★★★★★★

虹:アインス(NPC) ★★★★★★★★★★

虹:ドライ(NPC) ★★★★★★★★★★

虹:ツヴァイ(NPC) ★★★★★★★★★★

虹:ヒュンフ(NPC) ★★★★★★★★★★

虹:フィーア(NPC) ★★★★★★★★★★

虹:極経験値(NPC専用)×10 ★★★★★★★★★

虹:極経験値(NPC専用)×10 ★★★★★★★★★

虹:天駆のブーツ ★★★★★★★★★

虹:神剣・デュランダル ★★★★★★★★★★


 ……神剣出ちゃったよ……? よし、封印だ。面倒ごとが起きる。必ず。


「ひっぐ……うわわわわわわわわわわわわん!」


 ついにカオリが泣き出してしまった。……そこまで?


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