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Save16 純粋でかわいいね

「早速ガチャ引きましょうよ!」

「お、いいなそれ!」

「が、ガチャ……?」

「そうよ。今回のアプデでガチャが実装されたのよ! だから引きましょ?」

「でも、どうやって引くんですか?」

「多分、メニューからガチャの画面に行くんじゃないか?」

「そうかもしれないわね。……あったわよ」

「カオリグッジョブ」


 ガチャか……何が出るんだろう。素材かな? それとも新しく出たとかいうアイテムか?


「げっ」

「? どうしたの?」

「どうした?」

 

 俺がガチャの中身を考えていると、カオリが顔を引きつらせていた。どうしたんだ?


「が、ガチャのね、引くために必要なのがGなのよ」

「それがどうした?」

「問題なのがね、必要なGの量よ」

「どれくらいなんだ?」


 俺はメニューウィンドウを表示させ、ガチャの画面に移った。そこにはガチャを引くためと思われるボタンと景品一覧が表示されていた。そして気になる1回ガチャを回すために必要なGの量は?


 と、その時、俺が見るよりも早くカオリが答えを言ってしまった。


「1回、1万Gよ……」


 え? 嘘だろ? そんなの新規プレイヤーじゃガチャ引けないじゃん。ってかそれが一回? 十連で10万G? 高くないか?


「あ、でもその代わり、ガチャで出てくるのが凄いわね。えっとなになに?……味方NPC!? それに貴重な素材アイテムに装備品まで!? なにこれ大盤振る舞いじゃない!」


 あ~なるほど。それくらいなら納得だわ。……この宿二泊でガチャ三回か……この宿が高いの?


「んじゃ、俺五回回してみるわ」

「そんなに引けるの!?」

「キラ君凄いです!」

 

 俺はガチャ画面に5万Gつぎ込み、五連ガチャを引くためにボタンをタップした。

 すると、俺の前に魔法陣が現れ、輝きだした。その色は、金、紫、虹色で割合は、金1:紫2:虹2だった。

 三秒ほど輝いたとき、急に光の量が多くなったかと思うと一瞬のうちに光が弾けるように消えた。そしてそこに残っていたのは……


「お初にお目にかかります。主殿」

「血、血はありますか! 主様!」


 金髪に碧眼、そして透き通るような真っ白い肌を持つ美しい女性と、黒髪に紫の眼、褐色の肌を持ち、背中には一対の翼の生えた少女がいた。少女は話している時に鋭い八重歯が見えたし、血と言っているので吸血鬼かな?


 おそらくこれが虹色の魔法陣から出てきたんだと思う。だって超レアそうじゃん。じゃあ、他のはどこに?

 

 ……あった。彼女たちの後ろにあったわ。【刀】と【杖】と金属?

 彼女たちも気になるけどまずはあっちかな。

 俺は彼女たちの脇を通り抜け、床に落ちていた【刀】を拾い上げた。


「なにこれ?」


 これが何なのか不明なので【完璧鑑定】を使ってみた。すると、この武器の説明が出てきた。


しらゆり・くろばら

レア度:★★★★★★★★★(9)

武器種【刀】

特性【不壊】

   ・決して折れない

  【変化】 

   ・『しらゆり』から『くろばら』へ、『くろばら』から『しらゆり』へと武器の特性と見た目を変化できる。

  【雪化粧】

   ・『しらゆり』のみが使える特性。刀身を透き通るような透明な刃にすることができる。MPを流し込めば流し込むほど切れ味と威力が上がる。(※MPは常時流し込まないといけない)

    MPを流している間は刀の周りに極微小の氷の礫を纏わせる。

  【阿鼻叫喚】

   ・『くろばら』のみが使える特性。刀身を呑み込まれるような漆黒の刃にすることができる。MPを流し込めば流し込むほど切れ味と威力が上がる。(※MPは常時流し込まないといけない)

    MPを流している間は刀の周りに燃え盛る炎を纏わせる。



 なにこれ……これが当たり? チートアイテムじゃん! ん? 景品一覧にはもっと上に同じように剣がある。この一覧って順位表みたいに上の方が強いとかなのかな? そうだとしたら何だろうこの剣。多分エクスカリバーより上だよな。……神剣・デュランダル? 神剣、か……。ま、今はいいか。


 さて、次は【杖】かな?


アスクレピオス

レア度:★★★★★★★★★(9)

武器種【杖】

特性【不壊】

   ・決して壊れない。

  【治癒の光】

   ・MPを消費してHPを回復する。【回復師】の場合、効果が倍増する。


 【回復師】の意味がなくなるのか……? でも、【回復師】が使うと効果が上がるんだよな?……カオリにあげるか。

 で、最後のこの金色をした金属だけど、


オリハルコン

レア度:★★★★★(5)

 とても固い金属。

 

 シンプルな説明だな! わかりやすいけど!


「あ、あの、どうしたんですか?」


 一言も話さない俺が心配になったのかミライが声をかけてくれた。


「いや? 何でもないよ」

「そう?」

「うん。大丈夫」

「それじゃ、聞いていいかしら?」


 俺とミライが話しているのにカオリが割り込んできた。


「何だよ」

「何が出たの?」


 まぁ、気になりますよね。教えないとうるさそうなので全て教えてあげた。


「ち、チートじゃない……」

「だよなぁ……」

「じゃ、はい」

「? なんだ? この手は」

「アスクレピオスをくれないかしら」

「うーん。正直いらないし、別にいいよ。それにもともと上げる予定だったし」

「ありがと! キラ愛してる!」

「そりゃどーも」


 激レア(ゴミ)を押し付けただけで愛してもらえるなんてカオリの愛ってものすごく軽い?


「あ、愛!?」


 ミライは純粋でかわいいね。……もう少し、恥じらいが欲しいかな。主に俺に対しての、うん。


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― 新着の感想 ―
あんまりチートだ!って感じしないけどな。mpを込めるほどって表記だけじゃどういう計算で上がるか分かんないし、しろゆりとくろばらの性能も大して違わないから、使い分けできない。
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