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Save140 男の方が魅力的

 やるべきことが一応終わった俺達は、家に戻ってきた。

 家の中は予想通り、いつもの光景が広がっていた。逆にいつも通りじゃなかったら嫌なんだが。


「ただいま」


 アンラ達に帰宅を伝える。さて、まだ日が暮れるまでには時間がある。何をしようか。


「今はどんな感じだ?」

「「順調です!」」


 とりあえずスレの方でプレイヤー集めを継続してもらっているブルー達に進捗を聞いた。あ、そうだ。


「そうか。なぁブルー、レッド」

「「はい?」」

「武器を造ってもらってもいいか?」

「「勿論です!」」


 俺が二人に頼んだのは、とある装備の強化だ。沢山ガチャを引いたおかげで俺達九人分はある。ただ、素材が足りないかもしれない。


「適当に詰め込んでもらって構わないが、全ての装備に同じだけつぎ込め。そんで全部同じ装備にしてくれ」

「「わかりました!」」

「素材は……」

「「鍛冶場にお願いします!」」

「わかった」


 鍛冶場に繋がる扉を潜り、中に入る。

 そこは沢山の武器が飾られた、ザ・鍛冶場だった。金属を溶かす溶鉱炉が壁際に設置され、その前には二つの丸椅子と一つの金床が置いてある。そこでブルーとレッドが作業しているのだろう。


 それだけではなく、溶鉱炉が部屋の隅にあるのだが、それの対角線上に広めの机がある。その上には紙が広げられているので、そこで鋳造する武器防具の設計図を書いているのだろうか。


 俺はこの部屋に、持っているだけの素材を置いた。金属や魔物の素材の数々だ。俺が言うのあれだが、かなり高価な素材が沢山あると思う。飛竜の翼などは未だに入手したプレイヤーは居ないんじゃないだろうか。サナとドーターは知らん。


「これでよし、と」


 最後に元となる防具を置き、俺は部屋から退出した。


「早めにやっておいてくれると助かるが、別に優先順位は高くないからやりたいときにやりたいだけやっておいてくれ」

「「わかりました!」」


 さて、マジで俺がすることな無くなったな。ふ~む。


「よし、レベル上げに行こう」

「私も行きます」

「私も行くわよ。というかキラこれ以上レベル上げてどうするのよ?」

「……暇つぶし?」

「まぁサクラの言う通り暇つぶしだな」


 アンラ達にも聞いたが、アンラは面倒くさいから、ブルーとレッドは防具を弄りたいから、モミジは自主練をしたいからという理由で断られた。シエルは聞いてない。アイツなら絶対についてくるはず。それはこちらが迷惑なのでやめておいた。


 まず最初にやってきたのは、お馴染みの【荒れ果て荒野】だ。

 ところで、俺のユニークスキル【永遠(とわ)の力】を覚えているかな。レベル上限が無くなるとかいうヤバい奴なんだけど。

 それには自分を抜いて五人まで登録できて、今現在そこにはミライ、カオリ、サクラが登録されている。つまり、俺が何を言いたいかというと、レベルがおかしいってこと。


・キラ レベル:302

・ミライ レベル:289

・カオリ レベル:288

・サクラ レベル:293


 ね、可笑しいでしょ? 俺なんて上限の100以上上なんだぜ? 当然みんなステータスがErrorになってる。丘peopleここに爆誕。


 さて、突然ですがここで問題です。こんなヤバい人たちが【荒れ果て荒野】で暇つぶしに暴れると、どうなるでしょう。備考として、【荒れ果て荒野】にはカムイ達を除いたレベリングを頑張った人たちが数人います。


 はい、終了です。答えは決まりましたか? それでは正解の発表です!


「なんだ、あいつら……」

「強すぎだろおい……」

「一体どれほどレベリングしたらああなるのよ……」

「男はともかく女の子たち可愛いなぁ……」

「は? お前見る目ないな。男の方が魅力的だろ」


 正解は、周りの人が混乱する、でした! それと最後の奴はきっちりと嫁たちが懇切丁寧に去勢の仕方を教えていました。具体的には「私のレイピアで貫けば一瞬よ?」「魔法で消し飛ばせばいつの間にかなくなっていて簡単ですよ?」「……矢で打ち抜く」とかかな。うん、何も言うな。


 勿論俺達がレベル上げ(暇つぶし)をしたのは、【荒れ果て荒野】だけじゃない。【機械仕掛けの迷宮(メカニカルラビリンス)】や【魔境】、【恐怖の森】で連日やった。勿論普通の沸き率だと面白くないので神様に頼んで鬼畜モードでやらせてもらった。楽しかったです、マル


 そんなことをしていたら、いつの間にか三週間がたっていた。予定よりも一週間ほどオーバーしたが、まぁ誤差だろう。


 あ、冒険者ギルドはどうなったのかというと、選別された冒険者をギリギリのところ(演技)で倒して、約束通り併合した。てかあの冒険者普通のプレイヤーよりも強いはずだ。新しく創ったのかな。だとしたら演技して正解だったかもしれない。もしあの戦いが俺の力を測るためのものだとしたら、全力を出していたら悪手だったからな。


 ブルーとレッドに頼んでいた防具だが、行き詰っているらしい。感覚ではまだ強化できそうなのに、素材が足りないのか技量が足りないのか、はたまた何か別のモノが足りないのか。それすらもわからないらしい。

 まぁ完成した防具を見る限り、今まで俺が使っていた装備よりも断然強いので、完全に強化されるときが楽しみだ。純白(漆黒)翼のコートも素材として使ってるらしいし。


 そんな、全てが順調に進んでいるかのように見えていたその時、とある一つの事件が俺達の所に舞い込んだ。いや、俺達がもう既にその事件の中に入り込んでいて、さらに犯人までもが解明されているから、事件とは言わないのかもしれない。


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