どうして数学の小テストなのっ!?
校門をくぐったところで、「おっはよー!」と後ろから声がする。
この声は結亜である。
が、ガン無視の碧彩。
「おぉい、それはないよぅ!」
ここで碧彩は「ん、おお、おはよう・・・えっと、名前なんだっけ?」と返す。
「おぅい、ゆあだよぅ!鈴木に結ぶに亜細亜の亜で鈴木結亜!」
これがいつもの2人のお決まりのパターンである。
この2人は仲が良く、いつも一緒にいるため、2人合わせて「みゆあ」と呼ばれている。ちなみに結亜は銀待遇である。
「ところで碧彩、明後日数学の小テストだけど勉強進んでる?」
「・・・え?明後日?数学の?小テスト?・・・何それ?」
「え、碧彩知らないの?明後日数学の小テストがあるんだよ!あ、もしや、また先生の話聞いてなかったの?」
「だって・・・数学なんて聞いてもわかんないし、それにその時は多分理科やってたから・・・」
「碧彩はさー、わかんないからこそ聞いとこって、そんな気持ちないわけ?」
「ないわけ。あ、教室だからここから先はタブーで。じゃあ、今日は・・・」
「もちろん!じゃあ、いつものとこで。」
わかったー、と答え碧彩は自分の席へついた。
すぐさま周りに沢山の人だかりができる。
「あ、あのっ、おはようございますっ!」
「碧彩さん、今日って空いてますか?」
「この問題わかんなくて、教えてください!」
「かっ神羽、今日よk」
「悪いけど今日は結亜の妹の勉強見てあげないと。だから今日はごめんなさい、またあとでいいかしら?」
「そっか、そうだね、明後日小テストだし!」
キーンコーンカーンコーン。
蜘蛛の子を散らすように皆が去っていったあと、碧彩はこっそりため息をついた。