ドタバタラブ?コメディ
家の中に黒電話が
気づいてるのは私だけ
不定期に電話がかかってくる、それを無視していたら夜中に鳴り出す、うるさくて眠れないしょうがないから出てあげる
相手はしばらく黙ったまま
「…なんすか」
私も黙っていたけどもうたまらなくなって喋るとハアハアといった気持ち悪い吐息、
これが俗に言うイタズラストーカー?電話かと思って冷静に受話器を元に戻そうとすれば
「ま、待ってください!!!!」
やっと喋ったかと思えばびっくりするほどイケメンヴォイス…、私告白します、重度の声フェチです。よろしくお願いします。夜中はドラマCDで心を満たしています。
「ずっと見てました、貴方のこと、貴方の下衆な表情や、常に冷たい表情の虜になってしまいました!!貴方なら地獄でもやっていけると思うんです!!!!だからどうか魔界に堕ちてきてはくれませんか???!??」
おお、そうか、そうか、褒めてるのか貶してるのかどっちなんだよ、激しいなおい、イケメンヴォイスでマシンガントークは腰に来るぞ?…ん?魔界?
突然現れた黒電話、突然かかってくる地獄からのストーカー電話、夢か?メルヘンというか、いやメルヘンさは一欠片もないんだけど非現実すぎないか??もしかして私頭イカレタ??
「…よくわからないんですけど、あなた誰ですか。」
「あ、私ですか?魔界で王子様やってるものです!そして近々貴方の旦那様になるものです!大丈夫ですよあなたのことはすべて知ってます!生年月日やスリーサイズといった基本的なことから学校のこと、などなど!貴方のその冷ややかな目で毎日蔑まれたい!嗚呼、考えただけで、ッもう…!」
イケボじゃなかったらもう受話器置いてた。
どうしようこのイカレポンチキ頭。自分で王子って言っちゃってるよ。冷ややかな目って、目つき悪いってことっすよね?
受話器の向こうでは気持ち悪い吐息が、
「とりあえず、これ、夢ですよね、寝ます。私。おやすみなさい。」
気持ち悪いけどイケボきけてよかった。夢でも求めてるってどんだけ飢えてんだ私。
「えっ、ちょ、夢ではありませんよ?!しかし、夜ふかしは肌に大敵、あなた様の寝顔を拝見することで今宵の肴と致しましょう。おやすみなさいませ、ユウキ様
近々お迎えに参ります、その時まで今を楽しんでくださいね?」
あぁ、とんだ夢を見てしまったものですな。私もとんだイカレポンチキ頭ですわ。
さっさとベッドいかねば、そして目を覚まさなきゃ…てか名前なんで、、あ、夢か、
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