プロローグ
俺は普通の中学2年生。母親がいないだけの普通の家庭。田舎の一軒家にすんでいる。家族構成はのんきな父。今は上京して、いない大人しい兄。で、俺と・・・妹。
妹ができたのは1ヶ月ほど前だ。できたといっても家は父子家庭だから生まれたと言うわけじゃない。その証拠に妹はもう13歳だ。だが、養子というわけでもなく、あいつは俺の・・・庇ったりしてるわけじゃない。正直苦手だしな。だが、あいつは俺の、本当に妹らしい。
約1ヶ月前
「ただいま」
今日はいつもと変わらない一日だった。いつも通り授業が終わり、いつも通り家に帰った。しいて言うなら昨日からテスト休みで部活がないということくらいだろう。
俺の部屋は2階にあって、今はいない兄の部屋と、物置として使われている部屋の間だ。つまり両方だれもいない。
ガサガサッ サッササッ
いすに座ってぼぅっとしていると隣の部屋からナイロン袋の音と衣擦れの音がきこえた。どちらの部屋かはわからなかったが、父が帰ってきたのだろう。
丁度のどが渇いたので1階へ飲み物を取りに行こうと部屋を出た。刹那、誰かにぶつかった。父にしては自分よりも背が低かった。
「・・・。気をつけて」
「! いもっ…!?」
こ、こいつ誰だ!・・・ちょっと待て、俺今なんて言おうとした?
ぶつかったのは父じゃなく、物置部屋から出てきた自分より幼い少女だった。きれいな茶色の混じった髪を文学少女のように後ろで2つに結び、モノトーンの服を着ており、伸ばされた前髪に隠された瞳は無表情に俺を見つめている。
「芋って…。なに?文句言いたいなら言って。急いでる」
誰だこいつ。空き巣にしては普通すぎるぞ。
「ただいまー」
その声ではっと我に返った。その声の主がだんだん近づいてくるにつれて安心感がどっと増量した。だが、この少女が空き巣だとしたら巻き込んでしまうという不安もあふれてきた。
「父っ!この子は?・・・知り合い?」
そうだ。父の知り合いかもしれない。
「ハハハ。唐突にどうした。ほら、寿々音も首傾げてるぞ」
寿々音?やっぱり父の知り合いか。・・・ていうか、
「唐突にって、父だろ。言ってくれればいいのに」
「話噛み合ってない」
父にいったつもりだったのに寿々音と呼ばれた少女に即答された。
そして父も口を開いた。
「なにがあったぁ?・・・ほら、妹なんだからいい加減にしといてやんなよ」
『妹なんだから』・・・妹なんだから・・・・・・妹・・・いもうと。
父も何気なく言ったようだったが、その言葉は俺の脳内に強く響いた。
「あたしもう行くよ。意味わかんない。勇兄」
『勇兄』・・・勇兄・・・・・・兄・・・にぃ・・・あに。
そして俺は取り残された。寿々音が父に遊びいってくる。といったのと、父が俺に仕事戻る。と言ったのを聞いてからもう5分ほどたったかもしれない。それでも俺は理解できなかった。




