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Ⅳ章 ─魔具─

 アクセス解析を見るとⅢ章のみ閲覧されてる日がありました…


Ⅱまで見て、続きを見ようと思ってくださった方ありがとうございます。



 先ほど応対してくれた男性にお願いし、アイテム作りのサポートをしてもらう事となった。


 この施設はこの世界における市役所のようなものであり、迷い込んだシーディアの民のサポートをする仕事も行っているようだ。

シーディアの民は事情を知らぬまま感染者になることが多いため危険性を孕んでおり、その危険性を説明によって消し去る為との事らしい。


 また、アイテムとして霧の一部を物質化する事で、霧の制御を行いやすくする…つまり、アイテムというスイッチさえ作ってしまえば、力のオンオフもできるようになるそうである。

但し、アイテムだけではよっぽど修練しないと力の発動に少々時間が掛かる為、有事の為に、キーとなる動作を考えておいた方が良いらしい。


 力の発動はイメージが重要である為、何かの切っ掛けでそういうイメージを呼び起こせるようにする…(スポーツ選手の行うルーチンワークとかいうのと同じだろうか?)という事らしい。


何かを齧る などでも良いそうだが、大抵は呪文…つまり『オレの考えたかっこいいじゅもんー』等を使うことが多いそうだ。



…何その恥ずかしいルール


 この街を見つけた時、ボクの容姿は人そのものでありながら、異常な聴覚を発揮していた…こんな中途半端な状態では確かに日常が送りにくい。


もし飲み物を飲んでいる最中に、身体能力が突然上昇したりしたら…コップが割れて手を怪我したりするかもしれない。


アイテムの早急作成もまたこの施設の役割なのだそうだ…。


 しかし、ここで一点念押しされたのだが、この世界では異世界等という物はあくまで神話上のお話、ファンタジーと認識されており、この施設の人の中でも一部しか異世界が真に存在することは知らないそうだ。


ここに来た経緯を話すと、ボクらにここを紹介した例のおじさんもまた、田舎者だか変人だかを見つけたからここに案内したつもりだと思います…と説明を受けた。


 この施設について、一通り自分たちに関係のある話を聞いた後、いよいよアイテム作成の為に場所を移動する事となり、建物の奥の扉を潜ると、そこには樹木の内部を思わせるような、壁がでこぼこした茶色い空間だった、気になりた

ずねてみると、「樹木のうろの内部ですよ」との返答があったため、最初に感じたイメージはそのものずばりだったようである。


 アイテムを作る手順は比較的簡単らしく、心を落ち着かせながら体内を流れる力を感じるようにすればできるとの事である。


そうすると摸倣之霧が保持者のイメージに呼応して、こちらに来る際に通った通路の記憶を模倣し、世界と世界のハザマを媒介に空間を移動するアイテムができるようだ。


 前述のとおり、記憶自体は体に刻まれていればよいため、その際の記憶に思い当たりのないボクらでもその点は問題ない。


しかし、ここで別の問題がある、摸倣之霧で世界を渡る為のアイテムを作るはいいが、その形状さえも本人のイメージを元に見たことあるものなどを摸倣してしまうのである。


正直嫌な予感がした為、サイズ上限や、見たものなら方向性なくどれかになるのかなどさらに細かく尋ねた所、どうやらそういうわけでもないらしい。


つまり極端な話、学校を摸倣しちゃうと学校サイズの物になるかというとそういうわけではなく見たことあるものならどれが摸倣されることもありえるが、たいてい本人の心の欠落の形や欲するもののイメージ・感染源に関係するものが多いらしく、ボクなら狼のイメージに起因する小さめのモノというのが一番可能性が高いとの事である。


そんなこんなでボクと海風が気になる点を聞き終わった頃にはさらに時間が経過していたが、やっと帰れるとあって少しボクらは落ち着いていた。


 『狼ねぇ…犬のすげぇバージョンってイメージなんだけどなぁ』と思いつつ、ボクと海風は一緒にアイテムをつくり始めた、まぁ最もただ単にじっとしてるようにしか見えないだろうけど……




────────────────────────


 どれぐらいの時が過ぎただろうか…不意に身体の…違う…心の奥の方が暖かくなるような気持ちの良い感覚にわずかに一瞬だけ包まれた。


「うっ…うわ…」気づいたら犬が付けるような七色の首輪がボクの首には嵌っていた。


 海風の方も似たような状況らしく、こちらは乳牛が付けるような七色の鈴付きの首輪である。


無事に、ボクは狼(犬)の、海風は牛のイメージを心の中から拾い上げ摸倣したようだった。


 なにはともあれ、これで帰れるとの話なのだから一刻も早く帰り、少しでも噂の発生を…もとい親の不安を解消せねばなるまい。


使い方をたずねた所、落ち着いた心で念じれば帰れるとの事だったので、ボクらは試しに念じてみた。


正直、これで本当に帰れるのか不安があったが、どうやら作動してくれたようだ。


─キンッ!キンッ!─



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