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スキ、キライ、スキ…?

遅くなりましたっ! すみません><

「本当のエロいこと、教えてあげる」


 由良ちゃんはあたしにキスした。

 それはいつもより強引で、すごく熱いキス。

 熱をもった舌をあたしの舌にからませる。深いキスの音だけが妙に響いて、なんだか恥ずかしい。けれど、それよりももっと……気持ちいい。

「ん…ふぁっ…」

 だから、ほんのちょっとだけあたしから舌を絡めてみたんだ。

 そしたら由良ちゃんの口から初めて声がもれた。

「んぁ……ふぁ…あ・・・」

 あたしとのキスで由良ちゃんも「気持ちいい」って思ってくれてるんだって思うと、素直に嬉しい。

「あ…ん……ふぁ…アっ!」

 思わず変な声を出しちゃったのは、由良ちゃんのせい!

 だって、いきなりあたしの胸をさわったんだよ? びっくりしたし、恥ずかしかったし……///

 由良ちゃんは一度くちびるを離すと、口元を拭う。

「あんずとのキス、好きだよ?」

 由良ちゃんが急にそんなことを口にする。その顔はなんだかいつもより色っぽくって……あっけにとられていると、む、胸に違和感がっ!!

 由良ちゃん、いとも簡単にあたしのブラのホックを外しやがりました。

「っ!///」

「どうしたの? あんず」

 何食わぬ顔で首をかしげる由良ちゃん。うぅー分かってるくせに。

 そういえば由良ちゃんも女の子だもんね、そりゃホックくらい簡単に外せるわけか。

「あの、手……」

 そう、なんやかんやでまだ由良ちゃんの手はあたしの制服の中。

「ああ。ごめんね」 

 そう言ったからてっきり、もうやめてくれるのかと思ったのに……

「なっ/// やめっ……」

「なに? さわってほしかったんでしょ?」

 そう、由良ちゃんはあたしの胸をやわやわと揉みはじめたの! 

「ちょっと! ゆ、由良ちゃん、そーゆーのはまだ早いっていうか…ね?」

 あわてて由良ちゃんの手を押さえようとすると、それすらも拒まれる。女の子にしてはちょっと力が強すぎませんか??

 あ、やっぱり実は男の子でしたっていうあれでしょ! 

 そんなくだらないことを考えてたあたしの頭が一瞬で思考停止した。

「んっ!」

「もう、ココ固くなってるよ?」

 由良ちゃんはあたしの胸の頂点をデコピンするみたいに指ではじいたんだもん。

「あんず、感じちゃってるの?」

 悪魔スマイルを浮かべながら指でいじり続ける。

「ふぁ…あぅ…ぅ……ひっく…」

 気持ちいいんだけどね、ちょっぴり痛くって、由良ちゃんがなんだか違う人みたくって、もうわけが分からなくなって、涙があふれてきた。

「あんずっ!? ……ごめんね。ちょっとやりすぎちゃったかな」

 そう言って由良ちゃんはあたしを抱きしめる。いじわるしても、最後には優しい由良ちゃんになるんだもん。だから、心のそこから由良ちゃんを拒めないし、嫌いにもなれないんだと思う。

 好き…かな。なんて思いそうになっちゃうのもきっとそのせいだ。

「でもね、こうでもしないとあんずがどっかに行っちゃうんじゃないかって心配だったの」

 由良ちゃんのばか。そうやって悲しそうな顔されると、あたしは由良ちゃんから離れられないじゃん。

「あたしはどこにも行かないよ」 

 そう言ってぎゅっと由良ちゃんに抱きつくと、やっぱり悲しそうな顔で微笑んだ。

「変なこと言ってごめんね。あたしたち、別れよ?」

 え?

 思わずそう口にしてしまった。

「あんずだって女の子どうし、なんて本当はイヤだったんでしょ?」

 どうしてそんなこと言うの?

 あたしを惚れさせるって言ったのは誰よ。それなのに、どうして?

 たしかに、あたしは女の子どうしってことに抵抗がなかったと言えば嘘になる。だけど、友達としてか恋人としてかは分からないけど、あたしは由良ちゃんが好きだよ。

 

 そう、ちゃんと口にして引き止めたらよかった。


 由良ちゃんはそっとあたしの背中にまわした腕を解くと、どんどんあたしから遠ざかっていく。

 それなのにまた、あたしは声をかけることすら出来なかったんだ。追いかけることすら、しなかった。

 

 さっと乱れた制服をなおすと、あたしはすでにホームルームが始まって静まり返った廊下をひとり歩いた。

 向かった先は保健室。

 なんだか、疲れちゃったし。今は由良ちゃんと同じ教室にいたくないって思ったから。



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